簿記2級を持っていると、経理や財務に関して一定の知識があると社会から評価され、就職や転職に有利に働きます。
このような理由から、簿記2級の取得を検討している方も多いのではないでしょうか?
しかし、簿記2級では、あまり馴染みが無い方も多い工業簿記という論点が出題されます。
そのため、学習前に下記のような疑問を抱く方も少なくありません。
- 工業簿記とはどのような内容なのか?
- 商業簿記と比べて難しいのか?
- 工業簿記では、具体的に何を勉強すればいいのか?
この記事では、簿記2級で出題される工業簿記の試験内容や難易度、学習方法についてをわかりやすく解説します。
ぜひ最後までご一読ください。
目次
- 簿記2級で出題される工業簿記とは?
- 工業簿記の試験内容
- 工業簿記の問題傾向
- 工業簿記の難易度
- 工業簿記の学習方法とは?
- 全体の流れを理解する
- 個別論点を学習する
- 過去問や予想問題を解く
- 工業簿記が効率よく学べるおすすめの学習教材を紹介
- Funda簿記とは
- 全体像をイメージしながら学習できる
- 大問別練習問題で工業簿記の対策が可能
- まとめ
簿記2級で出題される工業簿記とは?
工業簿記は簿記3級では出題されず、簿記2級以降から出題される論点です。
商業簿記は一般的な会社を中心とした簿記でしたが、工業簿記は主に製造業に焦点を当てた簿記のことをいいます。
製品を生産する製造業は、製造コストを把握し効率よく稼働できているかを管理する必要があります。
そこで、工業簿記を用いて生産活動に関するコストを計算することによって、コスト管理や収益の拡大につなげることができます。
つまり、工業簿記は製造業におけるコストの計算と管理に役立ち、企業の利益最大化と効率的な運営を行うために欠かせない重要なツールなのです。
工業簿記の試験内容
簿記2級の工業簿記では、主に製造業を営んでいる企業での部門別・製造別(材料、燃料、人力など)の資源の投入や費用、利益などを計算する知識や技能が求められます。
以下に、工業簿記で勉強すべき内容の一例を紹介します。
- 実際原価計算
- 標準原価計算
- 直接原価計算
主に製品を製造するためにいくらかかったのかを把握するための原価計算を中心に学習します。
工業簿記の学習をする際は、材料の仕入れから製品の製造、そして販売までの流れを理解することが重要です。
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工業簿記の問題傾向
簿記2級の試験は全部で5問出題され、そのうち第4問と第5問に工業簿記が出題されます。
配点は商業簿記60点と工業簿記40点の計100点です。
70点以上が合格点であるため、工業簿記を捨てることはできません。必ず両方学習したうえで試験に臨みましょう。
内訳としては下記のようになります。
簿記2級第4問①
工業簿記の仕訳問題が出題されます。
問題数は、通常3問です。
簿記2級第4問②
工業簿記の総合問題が出題されます。
製造原価報告書作成、部門別原価計算、個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算の中から1問が出題されます。
簿記2級第5問
1問1答の計算問題が出題される傾向にあります。
CVP分析、標準原価計算(差異分析)、直接原価計算の論点から1問が出題されます。
工業簿記の難易度
工業簿記は簿記2級で初めて出題される分野であり、3級で学習した商業簿記よりも難易度が高いと思っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際に出題される簿記2級の工業簿記は、
- まったく解けない難しい問題は出てこない
- 問題の形式パターンが多くない
といった特徴があり、そこまで難易度は高くありません。
逆に簿記2級の商業簿記では、特殊な商品売買取引、本支店会計、連結会計などの難解な問題が出題されるため、工業簿記よりも難易度が高いです。
したがって、簿記2級の合格を目指す場合は、満点を狙いやすい工業簿記で点数を落とさないように対策する必要があります。
工業簿記の学習方法とは?
それでは、工業簿記で満点を狙うための学習方法について解説します。
工業簿記の学習は以下の3ステップで進めていくことがおすすめです。
- 全体の流れを理解する
- 個別論点を学習する
- 問題集や過去問を解く
それぞれ詳しく解説していきます。
全体の流れを理解する
工業簿記を学習するうえで1番重要なポイントは、商品の仕入れから製造、販売までの全体の流れを理解することです。
工業簿記が苦手な方は、いまどこの部分をやっているかが分からない状態のまま学習を進めていく傾向があります。そのため、まずは全体像を頭に入れましょう。
具体的には勘定連絡図を意識しながら学習していくと、いまどこの部分をやっているかが明確になります。
勘定連絡図とは、原価計算の過程を視覚的に理解するためのツールです。製品を製造する際に発生した費用が、どのような過程を通じて原価として集計されるかを示します。
この勘定連絡図を用いて全体像をイメージすることで、製品の原価がどのように計算されるかを視覚的に追うことができるようになります。
個別論点を学習する前に、まず工業簿記の基礎である全体の流れを理解しましょう。
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個別論点を学習する
全体像を把握したら、次に個別論点を学習していきます。
工業簿記で学習する主な論点は6つあります。
- 費目別計算
- 製造間接費の計算
- 個別原価計算
- 総合原価計算
- 標準原価計算
- 直接原価計算
工業簿記は基本的に上記の項目を上から順番に学習していきます。
はじめに原材料や製造間接費などの基本的な知識をインプットし、次に原価計算の基礎を学び、最後に原価計算の応用を学習していく流れです。
費目別計算ができなければ個別原価計算ができず、さらには直接原価計算もできないといったようにそれぞれの論点は密接に関連しています。
従って、基礎知識をしっかりと身に付け、土台を固めることが大切です。
また、工業簿記の内容は商業簿記と異なるため、製造業特有の専門用語がたくさん出てきます。操業度差異や能率差異、賃率差異など、似たような用語が多いため最初は戸惑うかもしれません。
しかし、専門用語が多いからといって暗記に走ると、試験で出題される応用問題が解けなくなります。
工業簿記の問題は問題文と資料から内容を読み取り、計算式に当てはめて原価などを算出する形式が多いです。
そのため、計算式や用語だけを暗記すると、問題を解く際にどの計算式を使えばいいのか、なぜこの用語が出てきたのかが分からなくなってしまいます。
したがって、工業簿記の個別論点を学習する際は、暗記に頼らずに原価計算の流れをインプットすることが大切です。その際に、勘定連絡図を用いて、今どの部分をやっているかをイメージすると工業簿記が理解しやすくなります。
過去問や予想問題を解く
個別論点を学習したら、過去問や予想問題を解いていきます。
その際、時間を測って行うようにしましょう。
工業簿記は商業簿記と違って出題パターンがある程度決まっているため、たくさんの問題を解くことで問題の形式に慣れることができます。
また、問題を解いていく中で、分からない問題や苦手な分野を見つけることができると思います。
その場合は、解説を読んで間違えた原因や解答手順を把握するだけでなく、テキストに戻って復習することが大切です。
苦手分野をしっかり理解できるようになったら、もう1度問題を解き、間違えた問題は再び復習します。これを何度も繰り返すことで知識が定着し、本番で満点を狙うことができます。
工業簿記が効率よく学べるおすすめの学習教材を紹介
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Funda簿記とは
Funda簿記とは、短期集中型の簿記学習アプリです。フルカラーの図解で基礎から学べるスライド学習と何回も受講できる模試機能で、短期間で簿記2級の資格取得を目指すことができます。
全体像をイメージしながら学習できる
工業簿記のセクションでは、個別論点を学習する際に全体像もあわせて説明します。図解で勘定連絡図などをわかりやすく解説するため、いまどこの部分をやっているのか分からない状態がなくなり、スムーズに理解することができます。
大問別練習問題で工業簿記の対策が可能
Funda簿記の大問別練習問題では、工業簿記の問題を集中的に解くことができるため、直前期の対策などに有効活用することができます。問題はシステムが自動で生成するため、同じ問題が2度出題されることはありません。そのため、苦手な問題を何度も繰り返し解くことができます。
工業簿記を図解で学習したい方、工業簿記が苦手で過去に一度挫折した経験がある方はぜひ「Funda簿記」を検討してみてください。
まとめ
今回は、工業簿記の試験内容や難易度、学習方法、おすすめの学習教材についてお伝えしました。
工業簿記は製造業を対象とした簿記で、簿記2級から新しく出題される分野です。配点は40点と高いため、しっかり対策しておく必要があります。
工業簿記を学習するうえで1番重要なことは、全体像を意識しながら原価計算の流れを理解することです。自分で図を書いて工業簿記の全体を把握し、問題を何度も解くことで、出題パターンに慣れていきましょう。
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