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基礎知識

2024/02/29

直接労務費差異をわかりやすく解説!簿記の標準原価計算を理解しよう

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直接労務費差異とは?

直接労務費差異とは、標準直接労務費と実際直接労務費の差額のことをいいます。
標準直接労務費はあらかじめ設定された基準(標準)に基づいた労務費のことを指し、実際直接労務費は実際に発生した労務費のことを指します。

直接労務費差異は以下の計算式で求めます。

標準賃率×標準直接作業時間-実際賃率×実際直接作業時間=直接労務費差異

当月の生産実績に対する標準原価と実際原価を比較することで原価差異を把握し、原因を分析することでコスト管理を行うことができます。
直接労務費差異とは
労務費とは、製造原価の形態別分類における1要素で、製品の製造のために労働力を消費したときの消費額のことです。
労務費とは
労務費について基礎からしっかり学びたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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新卒くん

これだけではいまいち理解できません…
もっとわかりやすく説明してください!

原価差異の求め方は苦手な方が多い論点です。
この記事では、直接労務費差異の意味や全体像、求め方を図解を用いてわかりやすく解説します。
直接労務費差異の解説

目次

  • 直接労務費差異とは?
  • 標準原価計算の概要
  • 直接労務費差異の面積図
  • 直接労務費差異の分析方法とは?
  • 賃率差異
  • 時間差異
  • 直接労務費差異の求め方を事例で解説
  • 賃率と時間に分解
  • 賃率差異と時間差異の計算
  • 直接労務費差異の確認問題
  • 正解発表
  • 問題を解く際のポイント
  • 見直し
  • 直接労務費差異のまとめ
  • 実際に手を動かしてみよう

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なお、原価計算を基礎からしっかり学びたい方は、まずは先に下記のトレーニングから始めてみてください。

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標準原価計算の概要

標準原価計算とは、あらかじめ目標となる原価(標準原価)を定めて、標準原価によって製品原価を計算する方法です。
標準原価計算とは
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直接労務費差異の面積図

直接労務費差異の面積図は、下図の通りとなります。
構成要素は以下の4つです。

  • 標準直接労務費
  • 直接労務費の時間差異
  • 直接労務費の賃率差異
  • 実際直接労務費

順に解説していきます。
直接労務費差異の面積図

標準直接労務費

標準直接労務費は、あらかじめ設定された基準(標準)に基づいた労務費のことをいいます。
標準直接労務費は以下の計算式で求めます。

標準賃率×標準直接作業時間=標準直接労務費(標準原価)

下図の例の場合、標準賃率1,000円×標準直接作業時間10時間で標準直接労務費が10,000円であることが分かります。
標準直接労務費とは

直接労務費の時間差異

直接労務費の時間差異は、標準直接作業時間と実際直接作業時間が異なっているために発生した差額のことをいいます。
時間差異は以下の計算式で求めます。

標準賃率×(標準直接作業時間-実際直接作業時間)=時間差異

下図の例の場合、標準賃率1,000円×(標準直接作業時間10時間-実際直接作業時間15時間)で時間差異が△5,000円であることが分かります。
直接労務費の時間差異とは

直接労務費の賃率差異

直接労務費の賃率差異は、標準賃率と実際賃率が異なったために発生した差額のことをいいます。
賃率差異は以下の計算式で求めます。

(標準賃率-実際賃率)×実際直接作業時間=賃率差異

下図の例の場合、(標準賃率1,000円-実際賃率1,100円)×実際直接作業時間15時間で賃率差異が△1,500円であることが分かります。
直接労務費の賃率差異とは

実際直接労務費

実際直接労務費は、実際に発生した労務費のことをいいます。
実際直接労務費は以下の計算式で求めます。

実際賃率×実際直接作業時間=実際直接労務費(実際原価)

下図の例の場合、実際賃率1,100円×実際直接作業時間15時間で実際直接労務費が16,500円であることが分かります。
実際直接労務費とは

直接労務費差異の全体像

以上を図解でまとめると、下図の通りになります。
また、直接労務費差異は以下の計算式で求めます。

標準直接労務費-実際直接労務費=直接労務費差異

試験では、下の図を書けるようにしておくと、スムーズに解くことができます
直接労務費差異の全体像とは

直接労務費差異の分析方法とは?

直接労務費差異は、原因別に賃率差異時間差異に分けて分析します。

  • 賃率差異
  • 時間差異

直接労務費差異の分析

賃率差異

賃率差異とは、直接工の賃率の改定などが原因で、標準賃率実際賃率が異なったために発生する差異のことです。
賃率差異は、標準賃率と実際賃率との差額に実際直接作業時間をかけて求めます。

計算結果がプラスだったら有利差異(貸方差異)、マイナスだったら不利差異(借方差異)と判断します。
有利差異とは予定の原価よりも費用を抑えることができた状態(標準原価>実際原価)であり、逆に不利差異とは予定よりも費用がかかった状態(標準原価<実際原価)のことを言います。
賃率差異とは

時間差異

時間差異とは、直接工の作業能率低下などが原因で、標準直接作業時間実際直接作業時間が異なったために発生する差異のことです。
時間差異は、標準直接作業時間と実際直接作業時間との差額に標準賃率をかけて求めます。

賃率差異と同様、計算結果がプラスだったら有利差異(貸方差異)、マイナスだったら不利差異(借方差異)と判断します。
時間差異とは

新卒くんのアイコン

新卒くん

直接労務費差異の分析は、単語の違いはありますが、計算式は直接材料費差異と変わらないので簡単ですね!

大手町さんのアイコン

大手町さん

その通りです。考え方は同じですね。
この後事例で解説しますが、直接労務費は加工費であるため、換算数量で計算するという違いには注意しましょう。

直接労務費差異の求め方を事例で解説

それでは、ここからは取引事例を用いて直接労務費差異の求め方を解説します。
下の直接労務費のデータと生産データから、直接労務費差異を分析してみましょう。
直接労務費差異の計算事例

賃率と時間に分解

まずは、標準賃率実際賃率標準直接作業時間実際直接作業時間に分解します。
直接労務費のデータから以下の3つが読み取れます。

  • 標準賃率…250円
  • 実際賃率…260円
  • 実際直接作業時間…860円

次に、標準直接作業時間を求めます。
労務費加工費であるため、加工進捗度が反映される完成品換算数量で計算します
簡単に言うと、作りかけの製品も計算に含めるという意味です。

最初に、当月投入量は以下の計算で求めます。
完成品120個+月末仕掛品10個(20×50%)-月初仕掛品20個(40個×50%)=当月投入量110個

製品1個あたりの標準直接労務費に当月投入量をかけて標準直接作業時間を求めます。
製品1個あたりの標準直接労務費8時間×当月投入量110個=標準直接作業時間880時間
直接労務費差異の計算事例

賃率差異と時間差異の計算

賃率と時間に分けたら面積図に落とし込み、それを元に賃率差異時間差異を計算します。

賃率差異=(標準賃率250円-実際賃率260円)×860時間=△8,600円
時間差異=標準賃率250円×(標準直接作業時間880時間-実際直接作業時間860時間)=5,000円

また、標準直接労務費(250円×880時間)-実際直接労務費(260円×860時間)で直接労務費差異△3,600円(不利差異)発生していることが分かります。

直接労務費差異の額は賃率差異と時間差異の合計額であるため、差異の合計額が一致するか確かめましょう。
賃率差異△8,600円+時間差異5,000円=直接労務費差異△3,600円
直接労務費差異の計算事例

直接労務費差異の確認問題

それでは、ここまでの内容を踏まえて、直接労務費差異の問題に挑戦してみましょう。
パーシャルプランによる直接労務費差異のうち時間差異を求めてください。
直接労務費差異の確認問題
パーシャルプランについてはこちら

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タップで回答を見ることができます

1

24,000円

2

△24,000円

3

24,240円

4

△24,240円

一緒に考えてみよう




正解発表

正解は、選択肢①24,000円です。
直接労務費差異の確認問題:正解発表

問題を解く際のポイント

それでは、ここから解説に入ります。
まずは、賃率時間に分解します。
直接労務費のデータから以下の2つが読み取れます。

  • 標準賃率…800時間
  • 実際直接作業時間…2,610時間

次に、標準直接作業時間と実際賃率を求めます。

標準直接作業時間は以下の計算で算出します。
完成品250個+月末仕掛品30個(50×60%)-月初仕掛品16個(40個×40%)=当月投入量264個
製品1個あたりの標準直接労務費10時間×当月投入量264個=標準直接作業時間2,640時間

実際賃率は、実際直接労務費を実際直接作業時間で割ることで算出します。
実際直接労務費2,108,880円÷実際直接作業時間2,610時間=実際賃率808円
問題を解く際のポイント
賃率と時間に分けたら面積図に落とし込み、それを元に時間差異を計算します。

時間差異=標準賃率800円×(標準直接作業時間2,640時間-実際直接作業時間2,610時間)=24,000円
よって、正解は選択肢①24,000円です。
問題を解く際のポイント

見直し

賃率差異と時間差異の合計額が直接労務費差異の額と合致するか確認し、時間差異の数値に間違いがないか見直しをしましょう。

直接労務費差異=標準直接労務費(標準賃率800円×標準直接作業時間2,640時間)-実際直接労務費(実際賃率808円×実際直接作業時間2,610時間)=3,120円有利差異

賃率差異=(標準賃率800円-実際賃率808円)×実際直接作業時間2,610時間=△20,880円

賃率差異△20,880円+時間差異24,000円=直接労務費差異3,120円

直接労務費差異のまとめ

今回は標準原価計算の問題で登場する「直接労務費差異」の求め方を解説しました。
直接労務費差異を求める際は、面積図を書くことでスムーズに解くことができます
工業簿記では頻出の論点であるため、しっかり理解しておきましょう!
直接労務費差異のまとめ

実際に手を動かしてみよう

Funda簿記2級では、標準原価計算の問題をたくさん解くことができます
練習問題を通じて、直接労務費差異の求め方を身に付けましょう。
直接労務費差異の確認問題
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この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

Funda社運営

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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