<h2 id="h911500279e">変動費と固定費の違いとは</h2>変動費と固定費の違いとは、販売数量の規模に応じてコストの負担が変わるかどうかです。販売数量が増加した場合、変動費の負担は大きくなります。一方で、固定費は規模に関係なく一定額発生するためコストであるため急激に大きくなることはありません。この違いが変動費と固定費の主な違いです。 変動費と固定費は、企業が製品やサービスを生産・提供するために発生する費用のパターンや性質を示す概念です。この分類は、製品の価格設定、ビジネスの拡大縮小、利益最大化の戦略など、多くの重要なビジネス決定に影響を与えます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e6f9537dacc44174868f16fcf44da3db/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(2).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="コスト構造とは"> 早速ですが、この変動費と固定費をテーマにした簡単なクイズです。 2021年から2023年にかけて、大きく損益計算書の収益率が変わった業種は、選択肢のうちどれでしょう？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0294ee147d78467b929a074a0be76e63/%E5%88%A9%E7%9B%8AModel%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="決算数値から業種当てクイズ"> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/98887cd87537451abf7f19757d4e35be/%E2%91%A0%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9%E2%91%A1%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="これだけでは1mmもわかりませんよ"> 現時点では、さっぱりわからなくても問題ありません。 この記事が読み終わる頃には、変動費や固定費の理解が深まり、コスト構造分析の基本的な考え方が身に付いているはずです。 簿記試験の受験生はもちろん、マネージャーやマーケター、投資家の方が使いこなせなければならない会計・簿記の知識としてコスト構造分析を解説します。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>

なお、工業簿記の試験内容や学習方法については、下記の記事で詳しく解説しています。 工業簿記に苦手意識を持つ方は、ぜひこの記事とあわせてご覧ください。

簿記2級で出題される「工業簿記」について詳しく解説！工業簿記の試験内容や難易度、具体的な学習方法、おすすめの学習教材についてを図解を用いてわかりやすく説明します。工業簿記の学習をする際のポイントや苦手な方が陥りやすい罠についても触れていますので、簿記2級の受験を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

【日商簿記2級】工業簿記の試験内容や難易度、学習方法について解説

<h3 id="h1425117fe8">コスト構造の分類</h3>経営戦略を考える際に有用となる代表的なコストの分類方法として、主に以下の2つが存在します。<ul><li>変動費</li><li>固定費</li></ul>これらの分類を理解することは、製品の収益性を分析したり、また価格決定や販売促進などの経営戦略を策定するための基礎となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/ad6214fd5dac4d649c2344e51f8e2457/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(4).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="販売量・生産量とコストの関係">

新卒くん

変動費と固定費… よく耳にはしますが、いまいちよくわかっていません。 基礎から解説してください。

<h2 id="h74cabd28d9">変動費とは</h2>変動費とは、生産量または提供するサービスの量に直接関連して増減する費用のことを指します。 つまり、製品やサービスの販売量が1つ増えるたびに発生する追加の費用が変動費です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f6aafc01ad4c48db94febde3b7684738/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(5).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="変動費とは"> 例えば、製品を作るための直接材料費や直接労務費などがこれに該当します。製品1個あたりの材料費は一定ですが、製品の数が増えればその分だけ総材料費が増えるのが変動費の特性です。<h3 id="h6c94b97ba4">変動費の求め方</h3>変動費の求め方は、売上高の金額に変動費率を乗じることで算出されます。 計算式で表すと下記のようになります。<ul><li>変動費（円）＝売上高（円）×変動費率（％）</li></ul><h3 id="h6e03e9d7d5">変動費の英語表記</h3>変動費は英語で「Variable Costs」と表記されます。 「Variable」という単語は「可変の」または「変動する」を意味します。ビジネスの文脈では、それがビジネスの規模や生産量によって変わることを示します。 したがって、「Variable Costs」 は、生産量や売上によって変わる費用のことを指します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/5433430c18594d4aa359ad06b7dac659/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(7).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="操業度と費用の関係"><h3 id="hb76cf9219c">具体的な変動費の種類</h3>代表的な変動費の事例には、下記のようなものがあります。 これらの費用は、生産量や売上の増加と共に費用の額も増加するという性質を持っています。<ul><li>原材料費</li><li>直接労務費</li><li>輸送費</li><li>委託生産費</li><li>パッケージング費用</li><li>売上に連動したロイヤルティ料</li><li>販売手数料</li></ul><h3 id="h758c072602">変動費の比率が高いビジネス</h3>変動費の比率が高いビジネスは、売上が増えればその分だけコストも増えますが、逆に売上が減ればコストも減ります。つまり、ビジネスのリスクは低いと言えます。なぜなら、売上が少ない場合、発生するコストも少なくなる傾向にあるからです。<h2 id="hc5729aedb9">固定費とは</h2>固定費とは、生産量やサービスの提供量に関係なく一定の金額が発生する費用のことを指します。 これは、たとえ製品やサービスが1つも作られなかったとしても発生する費用で、例えば建物のレンタル料や機械の減価償却費、管理部門の人件費などがあります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f15ea143787d476b91572581a0cc6f44/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(6).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固定費とは"><h3 id="hfd656a763f">固定費の求め方</h3>固定費の求め方は比較的シンプルで、特定の期間における一定の固定費の費用を合計するだけです。具体的には下記のようなアプローチとなります。<h4 id="h415778315c">1. 固定費の特定</h4>固定費に該当する項目を特定します。これには、家賃、減価償却費、給与などが含まれることが多いです。<h4 id="hbf4e68e798">2. 各項目の合計</h4>各固定費項目の金額を特定の期間（例：月、四半期、年）で合計します。<h3 id="hb81b81adae">固定費の英語表記</h3>固定費は英語で 「Fixed Costs」と表記されます。「Fixed」という単語は「固定された」または「不変の」を意味します。ビジネスのコンテキストでは、それがビジネスの規模や生産量に関わらず一定であることを示します。 したがって、「Fixed Costs」とは、ビジネスの規模や生産量に関わらず一定額発生する費用のことを指します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/961c7603ff3b465195009abb53bf5dfb/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(8).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="操業度と費用の関係"><h3 id="h68dad1930c">具体的な固定費の種類</h3>代表的な固定費の種類には、下記のようなものがあります。<ul><li>正社員の人件費</li><li>家賃</li><li>減価償却費</li><li>水道・電気・ガスの基本料金</li><li>保険料</li><li>ソフトウェアのライセンス料</li></ul><h3 id="hf4063f4a96">固定費の比率が高いビジネス</h3>固定費の比率が高いビジネスは、一定の売上を上げるまでの「損益分岐点」が高いと言われます。 なぜなら、売上が少ない場合でも固定費が一定額発生するため、これを回収するためには一定以上の売上が必要だからです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/ab0a9be88560419780b5547482c23e38/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(9).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点とは"> しかし、損益分岐点を超えると、追加の変動費がほとんど発生しないため、売上が増えるごとに利益は急激に増加します。これは、高い固定費をカバーするための初期のハードルを超えれば、大きな収益性を達成する可能性があるからです。 製造業やホテル業、航空業などが固定費の比率が高いビジネスの例です。 これらの業界では、設備投資や施設維持費などの固定費が大きな部分を占めます。

まぁ、ここまではなんとなくわかります。 ただ、実際の企業事例を使って解説してほしいです。

<h2 id="h989f162737">企業事例でわかる変動費と固定費の動き</h2>それでは、ここからは、変動費と固定費の動きについてを、実際の企業事例で解説します。 改めて冒頭のクイズに挑戦してみてください。 変動費と固定費の意味を理解したうえで、解きなおすと、見える景色も変わるはずです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0294ee147d78467b929a074a0be76e63/%E5%88%A9%E7%9B%8AModel%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="決算数値から業種当てクイズ">

利益率が急激に増加していますね。 これは、何が起こっているのでしょうか？

学生くん

原価が小さくなっている？ 急激に原価が小さくなるケースってどんな状況が考えられるかな？

わかりましたか？ 正解は③ホテル業でした。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bfe2b4055a224e10b1c1065b93fd05d1/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(12).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：正解発表"> 今回取り上げた３つの業種は、ある特徴が顕著に表れる業種を選びました。 それは、総コストに占める変動費と固定費の比率です。 人材派遣業と小売業は、総費用に占める変動費の比率が高い業種です。 一方、ホテル業は総費用に占める固定費の比率が高い業種となっています。

へー。 全然気づきもしませんでした。

<h3 id="h74825fc7af">登場企業の財務数値の変化</h3>それでは、まずは３つの業種から、今回は下記の企業の財務数値を事例に解説していきます。<ul><li>人材派遣業：パソナグループ</li><li>小売業：ワークマン</li><li>ホテル業：ABホテル</li></ul><h4 id="hf6169dd3d0">人材派遣業：パソナグループの財務数値の変化</h4>パソナグループの2020年5月から2022年5月の財務数値の変化を見てみましょう。 両者を並べてみると、大きな変化は見られません。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6db4203a76de4016aea6d9e1bb0cbba6/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(13).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="パソナグループの財務数値の変化"><h4 id="hd1c08c4000">小売業：ワークマンの財務数値の変化</h4>次は小売業であるワークマンの2021年3月から2023年3月の財務数値の変化を見てみましょう。 並べてみてもわかるように、大きな変化は見られません。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6646612ea93048d18461af3a48cc42db/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(14).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ワークマンの財務数値の変化"><h4 id="hb1050b969c">ホテル業：ABホテルの財務数値の変化</h4>最後はホテル業であるABホテルの2021年3月から2023年3月の財務数値の変化です。 上記2社と異なり、大きく収益性に変化が見られます。 具体的には、2023年3月期は営業利益率が大きく向上していることが読み取れます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1515a2140b094038ac540eb5cde7bd8c/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(15).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ABホテルの財務数値の変化">

3社の数値を並べると、ホテル業だけ明らかに違う動きをしますね。 なぜこのような動きになるのでしょうか？

それでは、ここからは３つの企業のコスト構造を把握します。<h3 id="h5516b9a87f">変動費中心のコスト構造</h3>人材派遣業を営むパソナグループと、小売業を営むワークマンは、変動費中心のコスト構造となっています。 パソナグループの売上原価の大部分は、売上高に伴って発生する派遣人材への報酬です。 一方、ワークマンの売上原価の大部分は、商品の販売原価となっており、いずれも販売量に応じて発生する変動費です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/afdb9179ea4941ea95171eb41a6f45bc/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(17).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="変動費中心のコスト構造"> 両者の売上高と売上原価の推移を確認してみましょう。 売上高の動きと同様に、売上原価の金額が増減していることがわかります。 このことからも、両者のコストの大部分が変動費で構成されていることを表しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0ace14ae939a47298aceb5b421e6ee71/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(20).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="変動費型のビジネス（パソナグループ）"> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f0ae6e2e650344e2b05984ca3a53b706/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(19).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="変動費型のビジネス（ワークマン）">

なるほど。 収益と費用が同じような動きをするので、利益率が急激に変化することが少なそうですね。

<h3 id="h28249ad132">固定費中心のコスト構造</h3>次は、固定費中心のホテル業の数値を見ていきましょう。 ABホテルは、ホテル事業を営む上場企業です。売上高の大部分はホテル事業による売上となっています。 決算資料に開示されている売上原価の内訳を確認すると、売上原価の大部分が賃料や減価償却費などの固定費で構成されていることが読み取れます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2861d912346c4b7f9b537768ce71ab10/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(18).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="売上原価の内訳">

ホテル事業の固定費というのは、1人利用しようが100人利用しようが、変わらずに一定金額発生する費用ということですね。

それでは、固定費中心のABホテルの業績推移を確認してみましょう。 変動費中心の2社と異なり、売上高と売上原価の動きが必ずしも一致しません。 2021年の数値は、コロナの影響により大きく売上高が減少しているにも関わらず、売上原価は前年と同水準発生しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/517d9da2ffbb4c84b24368929e356245/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(21).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固定費型のビジネス（ABホテル）"> その後、コロナ収束を迎え、ホテル利用者が大きく増加した2023年は、売上高が2021年の2倍近くまで増加しています。 一方で、売上原価に関しては例年と同水準の数値となっていることがわかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8d6b491433e64a068541e6fd8c357ee8/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(22).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="売上高が増加すると収益性が急激に向上する"> このように、コスト構造を把握することで、業績を向上させるための戦略を立てやすくなります。

販売数量に関係なく、一定金額の固定費が発生するのであれば、売上が増加する分だけ利益率も大きく上昇するというわけですね！

<h2 id="h426ff70308">変動費と固定費の違い：まとめ</h2>以上、コスト構造による財務数値の変化でした。 コスト構造によって、売上高が増加したときの利益率への貢献が大きく異なります。 ぜひ、企業分析を行う際には、コスト構造に着目してみてください。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bfe2b4055a224e10b1c1065b93fd05d1/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(12).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：まとめ"><h3 id="he2593a7855">実際に手を動かしてみよう</h3>簿記の学習アプリ「Funda簿記」を利用されている方は、ぜひ、練習問題に挑戦してみてください。 今回のホテル事業の事例をベースをした計算問題を、アプリが自動生成し出題しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a94a2ece71b44584a14366f20500406c/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(25).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="練習問題に挑戦してみよう"> ホテル事業の事例はもちろん、ECやWEBサービスなど様々な計算問題を用意しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/58d6ac36aa7149faa451e6cb7c67695e/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(26).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="Funda簿記の練習問題の解き方"> Funda簿記ユーザー以外の方でも、LINEアプリにて練習問題に挑戦することができます。 下記の公式LINEから、ぜひ実践演習に挑戦してみてください。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=pxL8Ce&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a4d41f9549ec4468a8a01f29c3bbb188/%E4%BB%95%E8%A8%B3%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%8C%E8%A7%A3%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINE"></a><h3 id="hf4cdd139d3">類似事例を学びたい方</h3>以上、今回はコスト構造のケーススタディでした。 ここまでお付き合い頂きありがとうございます。 他にも類似のケーススタディを多く用意しています。もし類似のクイズに挑戦したい方は、下記も参考にしてみてください。 <h4 id="h8d7ecfa1fb">目標販売量の決め方</h4>黒字にするためには、何個販売する必要があるでしょうか？ 損益分岐点の考え方を詳しく解説しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bee2b303f2074962a54074c968c72846/image.webp?w=1920&amp;h=1080" alt="CVP分析の問題"> 正解と解説は下記の記事をご覧ください。

マーケティング担当者必見！短期利益計画策定に役立つCVP分析を解説。コスト構造、限界利益、損益分岐点の理解で効果的な経営判断を。戦略立案と収益向上への一歩を踏み出しましょう。実務で使える実践的な知識はもちろん、簿記2級の受験者にもわかりやすく図解で説明します。

CVP分析とは？短期利益計画を立案するための知識を図解で解説！

<h4 id="hf56def9fc8">商品の収益性分析</h4>インフルエンサーが無料で商品を紹介してくれるそうです。 あなたならどのような判断をしますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/78c1594b197340ab8217e0ba6d2b6104/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の問題"> 下記の記事では、商品の収益性分析の方法を詳しく解説しています。

苦手な方も多い直接原価計算を、基本からわかりやすく解説！管理会計や固変分解の知識も身につけ、全部原価計算との違いを理解しましょう。本記事では、化粧品ECの事例を通じて、適切な経営施策の考え方を紹介します。簿記学習者や学生はもちろん、ビジネスパーソンの方は必見です。

直接原価計算とは？簿記2級の頻出論点をわかりやすく解説

<h4 id="hdbcb7c0da3">安全性分析</h4>飲食業を営む上場企業2社。 売上の減少耐性が高いのはどちらの企業でしょうか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/67144712a4e84d4a8a80f1311fa42c5c/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(14).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題"> このケースでは、実践で使える安全性分析を解説しています。

安全余裕率の基本から応用までを網羅した解説記事です！簿記学習者やビジネスパーソン必見です。飲食店を用いたわかりやすい事例を通じて、安全余裕率の必要性や計算方法を理解し、ビジネス戦略に効果的に活用して利益を維持・向上させる方法を学びましょう。

【図解】安全余裕率とは？企業事例を使ってわかりやすく解説

以上、お付き合いいただきありがとうございました。

管理会計に必須の知識である、変動費と固定費の違いとそのビジネスへの影響について詳しく解説します。また、コスト構造の理解は簿記の基本でもあり、簿記2級の取得にも不可欠です。これらの概念を学ぶことで、より効果的な経営戦略を築くことが可能になります。当記事では初心者から上級者まで有用となる分析の基礎情報を提供します。

【図解】変動費と固定費の違いは？工業簿記の基礎をわかりやすく解説

適切な経営判断を行うためには、判断の基礎となる「現場のデータ」を整理する必要があります。 この現場のデータを整理するために、簿記・会計の知識が必要不可欠となります。 この記事では、ビジネスホテルの事例をもとに、経営施策で使える会計の知識をわかりやすく解説します。 早速ですが、ここでクイズです。 あなたは小規模のビジネスホテルを経営しています。 販売データと費用の内訳は以下の通りです。 販売データ<ul><li>ホテルの部屋数:&nbsp;30室</li><li>当月は1日あたり25人が利用しています。</li><li>客室料金: 1泊あたり8,000円</li></ul> 変動費<ul><li>客室の清掃費用: 1泊あたり800円（業務委託）</li><li>アメニティ費用: 1泊あたり500円</li><li>消耗品費用 (タオル、シーツなど): 1泊あたり200円</li><li>予約サイト手数料: 売上の5%</li></ul> 固定費<ul><li>建物の家賃: 月額1,150,000円</li><li>人件費: 月額3,200,000円 (オーナー自身の労働やスタッフの給与)</li><li>その他経費: 月額225,000円 (オフィス消耗品、通信費、電話代など)</li></ul> あなたが事業責任者の場合、月間の利益を増やすために価格を下げますか？上げますか？それとも維持しますか？ なお、1か月は30日とします。<ul><li>※客室料金を7,000円に下げると、部屋数は満室になります。</li><li>※客室料金を9,000円に上げると、1日あたりの利用人数が21人に減ります。</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a90d427c64974963a97194b09a2aa7de/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの会計クイズ">

数字が多くてぜんぜん分からないです…

最初は全くわからなくても問題ありません。この記事を読み終わる頃には、経営施策の考え方が身に付いているはずです。 今回は、財務分析トレーニングの特集として、「適切な価格を設定するための考え方」を解説します。 経営者や事業責任者はもちろん、現場で活躍される方にとっても、役に立つ内容となっています。 ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>

<h2 id="hecca00fe44">ホテル事業の基本的な考え方とは？</h2>はじめに、ホテル事業の基本的な考え方を解説します。 価格設定を行う前に、ビジネスホテルの売上高や利益を計算する方法について押さえておきましょう。

<h3 id="hb6cf06b5a6">収益モデル</h3>ビジネスホテルの売上高は、客室料金×利用人数で求めることができます。<ul><li>売上高＝客室料金×利用人数</li></ul>例えば、客室料金が1,000円で利用人数が10人の場合、売上高は10,000円になります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2f101992a71042289ef1a77e78f8575f/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%892.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの収益モデル">

<h3 id="ha39e2475aa">コスト構造</h3>ビジネスホテルのコスト構造は、利用人数が増えるごとに増加する変動費と、利用人数に関わらず一定の費用が発生する固定費で構成されています。<ul><li>変動費</li><li>固定費</li></ul>変動費の具体例としては、客室の清掃費用やアメニティ費用、消耗品費用などがあります。 一方、固定費の具体例としては、ホテルの家賃やそこで働いている従業員の人件費、通信費などの経費があります。 これら全ての費用を足し合わせることで、ビジネスホテルの総費用を計算することができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b6230fc459d04d7896cbbb8c2a9a0c97/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%893.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルのコスト構造"> 変動費と固定費を1から学びたい方は、下記の記事をご覧ください。

<h3 id="h6ac859be1d">利益率モデル</h3>利益率モデルとは、商品を1単位販売した時に、どの程度の利益を得ることができるのかを表す概念です。貢献利益や限界利益などと表現する場合もあります。 ビジネスホテルの利益率モデルは、利用人数1人あたりの売上高から利用人数1人あたりの変動費を差し引くことで、算出することができます。<ul><li>貢献利益＝利用人数1人あたりの売上－利用人数1人あたりの変動費</li></ul>また、この貢献利益から固定費を差し引くことで営業利益を求めることができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3ec2c102b3a247ca8d576810964e6f53/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%894.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの利益率モデル">

<h2 id="h6e193529ff">ホテル事業のデータを整理する方法とは？</h2>それでは、上記の内容を踏まえて、冒頭のクイズに登場したデータを整理してみましょう。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fb85e7abcf9840afba610c3eb60ab3b8/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%895.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの事業データの整理">

<h3 id="hcb1eda8257">1日あたりの売上高を計算</h3>はじめに、1日あたりの売上高を計算します。 今回のビジネスホテルは、客室料金が1泊あたり8,000円、1日あたりの利用人数が25人です。<ul><li>ホテルの部屋数:&nbsp;30室</li><li>当月は1日あたり25人が利用しています。</li><li>客室料金: 1泊あたり8,000円</li></ul>ビジネスホテルの1日あたりの売上高は、客室料金に利用人数をかけて求めることができます。<ul><li>1日あたりの売上高＝客室料金8,000円×利用人数25人＝200,000円</li></ul>計算式に当てはめると、1日あたりの売上高は200,000円であることが分かりました。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/94c67eb474d047b69357ab97d5050fb1/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%896.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの1日あたりの売上高">

<h3 id="h3c32389bba">1日あたりの変動費を計算</h3>次に、1日あたりの変動費を計算します。<ul><li>客室の清掃費用: 1泊あたり800円</li><li>アメニティ費用: 1泊あたり500円</li><li>消耗品費用 (タオル、シーツなど)： 1泊あたり200円</li><li>予約サイト手数料: 売上の5%（1泊あたり400円）</li></ul>変動費は、すべての費用を足し合わせることで、求めることができます。<ul><li>1人あたりの変動費合計 = 客室の清掃費用800円＋アメニティ費用500円＋消耗品費用200円+予約サイト手数料400円（1泊8,000円×5%）＝1,900円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/cd3ad35921cd438da6c3aaefd3a8bb44/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%897.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの1人あたりの変動費"> 今回は、1日あたり25人が利用しているため、利用人数の25人もかける必要があります。<ul><li>1日あたりの変動費合計＝1人あたりの変動費合計1,900円×利用人数25人＝47,500円</li></ul>これでビジネスホテルの1日あたりの変動費を計算することができました。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/30f1623dd7c14f9f872c03993b2567a8/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%898.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの1日あたりの変動費">

<h3 id="hba516c38da">1日あたりの貢献利益を計算</h3>売上高と変動費を計算したら、1日あたりの貢献利益を計算します。 貢献利益は、売上高から変動費を差し引くことで求めることができます。<ul><li>1日あたりの貢献利益＝売上高200,000円－変動費47,500円＝152,500円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3139a9b7bacc49b1a1165ed5a03c4fc6/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%899.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの1日あたりの貢献利益">

<h3 id="h1042c37e4e">月間の貢献利益を計算</h3>今回は、月間の利益を増やす施策を考えるため、貢献利益の単位を月間単位に直す必要があります。 問題文に、「1か月は30日とします」と記載されているため、1日あたりの貢献利益に30日をかけて月間の貢献利益を求めます。<ul><li>月間貢献利益＝1日あたりの貢献利益152,500円×30日＝4,575,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/66d7e38d0eea44d78a2756a9ebb81f88/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8910.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの月間の貢献利益">

<h3 id="hed591bf57a">月間の営業利益を計算</h3>最後に、月間貢献利益から月間の固定費を差し引いて、現状の月間営業利益を計算します。 問題文にある固定費を合計すると、4,575,000円の固定費が発生していることが分かります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4bff78bb353849dbbbecaccc044f6a66/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%A8%AD%E5%AE%9A_%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの固定費"> 先ほど求めた貢献利益に固定費を差し引いて、月間営業利益を求めます。<ul><li>月間営業利益＝月間貢献利益4,575,000円－月間固定費4,575,000円＝0円</li></ul>計算式に当てはめると、現状の1ヶ月あたりの営業利益は0円であることがわかりました。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6e5ed0911ffe45618a1f43f6ec42e249/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8911.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの月間の営業利益">

上司

利益は出してもらわないと困るよ。

そうですよね… 次の月は利益を残せるように新しく経営施策を打ってみます。

<h2 id="h70cabea213">ホテル事業の適切な価格設定は？</h2>それでは、ここまでの内容を踏まえて、冒頭のクイズに挑戦してみましょう。 あなたは小規模のビジネスホテルを経営しています。 販売データと費用の内訳は以下の通りです。 販売データ<ul><li>ホテルの部屋数:&nbsp;30室</li><li>当月は1日あたり25人が利用しています。</li><li>客室料金: 1泊あたり8,000円</li></ul> 変動費<ul><li>客室の清掃費用: 1泊あたり800円（業務委託）</li><li>アメニティ費用: 1泊あたり500円</li><li>消耗品費用 (タオル、シーツなど): 1泊あたり200円</li><li>予約サイト手数料: 売上の5%</li></ul> 固定費<ul><li>建物の家賃: 月額1,150,000円</li><li>人件費: 月額3,200,000円 (オーナー自身の労働やスタッフの給与)</li><li>その他経費: 月額225,000円 (オフィス消耗品、通信費、電話代など)</li></ul> あなたが事業責任者の場合、月間の利益を増やすために価格を下げますか？上げますか？それとも維持しますか？ なお、1か月は30日とします。<ul><li>※客室料金を7,000円に下げると、部屋数は満室になります。</li><li>※客室料金を9,000円に上げると、1日あたりの利用人数が21人に減ります。</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/58d9bb478e9a43a3a92d9222c7cb9d4e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8912.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの会計クイズ">

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"> このクイズの正解は、選択肢①の値下げをするべきでした。 みなさん分かりましたか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9d426ad8b6fa4245b49539a5c435afa1/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8913.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの会計クイズ：正解発表"> それでは、ここから解説に入ります。

<h3 id="h7702f3aae3">値下げをした場合</h3>はじめに、正解の選択肢である値下げをした場合を見ていきます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a9fea75bf4374e60a7a7eb5c2a00f1cd/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8914.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値下げをした場合">

<h4 id="hcb1eda8257">1日あたりの売上高を計算</h4>値下げをした場合、客室料金は1泊あたり7,000円、1日あたりの利用人数は30人になります。<ul><li>ホテルの部屋数:&nbsp;30室</li><li>1日あたりの利用人数30人</li><li>客室料金: 1泊あたり7,000円</li></ul>したがって、1日あたりの売上高は210,000円になります。<ul><li>1日あたりの売上高＝客室料金7,000円×利用人数30人＝210,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/5aaa8355e77a450bbbf5b0e2352ad516/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8915.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値下げをした場合の1日あたりの売上高">

<h4 id="h3c32389bba">1日あたりの変動費を計算</h4>次に、1日あたりの変動費を計算します。 今回は、1人あたりの売上高が7,000円に下がったため、予約サイト手数料が1泊あたり350円に変更されている点に注意しましょう。<ul><li>客室の清掃費用: 1泊あたり800円</li><li>アメニティ費用: 1泊あたり500円</li><li>消耗品費用 (タオル、シーツなど)： 1泊あたり200円</li><li>予約サイト手数料: 売上の5%（1泊あたり350円）</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4ffdd23db39246128c115318630dccbd/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8916.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの1人あたりの変動費">

これらの変動費をすべて足し合わせ、利用人数30人をかけると、1日あたりの変動費は55,500円と求めることができます。<ul><li>1日あたりの変動費合計 = 客室の清掃費用800円＋アメニティ費用500円＋消耗品費用200円+予約サイト手数料350円（1泊7,000円×5%）×30人＝55,500円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/926d357cbb634bec84a748aeb951811f/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8917.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値下げをした場合の1日あたりの変動費">

<h4 id="hba516c38da">1日あたりの貢献利益を計算</h4>売上高と変動費を計算したら、1日あたりの貢献利益を計算します。<ul><li>1日あたりの貢献利益＝売上高210,000円－変動費55,500円＝154,500円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2c5fde3ae9de4a3aad56e7733a6f618e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8918.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値下げをした場合の1日あたりの貢献利益">

<h4 id="h1042c37e4e">月間の貢献利益を計算</h4>1日あたりの貢献利益を計算したら、月間単位に直します。<ul><li>月間貢献利益＝1日あたりの貢献利益154,500円×30日＝4,635,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/de91987d972d4359892eaae522554b5b/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8919.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値下げをした場合の月間の貢献利益">

<h4 id="hed591bf57a">月間の営業利益を計算</h4>最後に、月間営業利益を計算します。 固定費の金額は利用人数に関係なく発生するため、4,575,000円です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4bff78bb353849dbbbecaccc044f6a66/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%A8%AD%E5%AE%9A_%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの固定費"> 以上を踏まえて計算式に当てはめると、値下げした場合の月間営業利益は60,000円となり、利益を残せることが分かります。<ul><li>月間営業利益＝月間貢献利益4,635,000円－月間固定費4,575,000円＝60,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f4b3bb63165342ef9bd3664de989ad3a/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8920.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値下げをした場合の月間の営業利益">

<h3 id="h7172ed5c21">値上げした場合</h3>次に、値上げした場合を見ていきます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c23b1e1018dc471b95906cf14e1e270f/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8921.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合">

<h4 id="hcb1eda8257">1日あたりの売上高を計算</h4>値上げをした場合、客室料金は1泊あたり9,000円、1日あたりの利用人数は21人になります。<ul><li>ホテルの部屋数:&nbsp;30室</li><li>1日あたりの利用人数21人</li><li>客室料金: 1泊あたり9,000円</li></ul>したがって、1日あたりの売上高は189,000円になります。<ul><li>1日あたりの売上高＝客室料金9,000円×利用人数21人＝189,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/5a8b4bd7494a48aa921d513e8b2194f6/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8922.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合の1日あたりの売上高">

<h4 id="h3c32389bba">1日あたりの変動費を計算</h4>次に、1日あたりの変動費を計算します。 今回は、1人あたりの売上高が9,000円に上がったため、予約サイト手数料が1泊あたり450円に変更されている点に注意しましょう。<ul><li>客室の清掃費用: 1泊あたり800円</li><li>アメニティ費用: 1泊あたり500円</li><li>消耗品費用 (タオル、シーツなど)： 1泊あたり200円</li><li>予約サイト手数料: 売上の5%（1泊あたり450円）</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d931c7f06ce04966a709e86f93288613/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8923.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合の1人あたりの変動費">

これらの変動費をすべて足し合わせ、利用人数21人をかけると、1日あたりの変動費は40,950円と求めることができます。<ul><li>1日あたりの変動費合計 = 客室の清掃費用800円＋アメニティ費用500円＋消耗品費用200円+予約サイト手数料450円（1泊9,000円×5%）×21人＝40,950円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/7c91fe8a2a354bfdbde64475448faf49/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8924.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合の1日あたりの変動費">

<h4 id="hba516c38da">1日あたりの貢献利益を計算</h4>売上高と変動費を計算したら、1日あたりの貢献利益を計算します。<ul><li>1日あたりの貢献利益＝売上高189,000円－変動費40,950円＝148,050円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d951d3f6938a47fdbee75192a14da306/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8925.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合の1日あたりの貢献利益">

<h4 id="h1042c37e4e">月間の貢献利益を計算</h4>1日あたりの貢献利益を計算したら、月間単位に直します。<ul><li>月間貢献利益＝1日あたりの貢献利益148,050円×30日＝4,441,500円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1922894275da41d89dc19111f33d4c1d/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8926.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合の月間の貢献利益">

<h4 id="hed591bf57a">月間の営業利益を計算</h4>最後に、月間営業利益を計算します。 固定費の金額は利用人数に関係なく発生するため、4,575,000円です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4bff78bb353849dbbbecaccc044f6a66/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%A8%AD%E5%AE%9A_%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの固定費"> 以上を踏まえて計算式に当てはめると、値上げした場合の月間営業利益は－133,500円となり、赤字となってしまいます。<ul><li>月間営業利益＝月間貢献利益4,441,500円－月間固定費4,575,000円＝－133,500円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/721be87c5348436e948e43fdc81b149d/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8927.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="値上げをした場合の月間の営業利益"> したがって、利益を残す場合は、値下げをする判断が正しいという結論になります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9d426ad8b6fa4245b49539a5c435afa1/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8913.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ビジネスホテルの会計クイズ：正解発表">

<h2 id="h554b2854b8">適切な経営判断を行うための学習方法</h2>今回はビジネスホテルを事例に、適切な経営判断に必要となるデータ整理と会計知識について解説しました！ 正しい経営判断を行うためには、その前提として、データの整理と会計の知識が必要となります。 最後に、適切な経営判断を行うために必要となる知識を身に付けるための勉強方法について紹介します。

<h3 id="h8e32191243">基礎知識を身に付けよう</h3>決算書に登場する会計用語が何を意味しているのかを知ることが大切です。 今回のケースでは、「変動費」や「固定費」、さらには「貢献利益」などの意味がわからなければ、経営判断をすることができません。 したがって、まずは簿記3級・2級レベルの基礎知識を身に付けることが大切です。

<h3 id="hd1fa52c49b">数字に触れよう</h3>各数値のデータの計算方法を学ぶことで、最終的に利益が残るのかを知ることが可能となります。 今回のケースでは、ビジネスホテルの収益やコスト構造がどのようになっているのか、また値下げもしくは値上げをした場合の計算方法を理解できなければ、適切な経営判断をすることができせんでした。 このように、ビジネスの流れと数字の動きを体で覚えることが分析力の向上に繋がります。

<h3 id="hd57f173abd">経営判断力を鍛えるトレーニングをしよう</h3>頭で考えるだけでは経営判断力は身に付きません。実際に手を動かして分析・計算をすることで、適切な経営判断をすることができるようになります。 簿記学習アプリ「<a style="color:#0186ab" href="https://boki.funda.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Funda簿記</a>」では、正しい経営判断をするための会計の基礎知識や、利益シミュレーションが学べる問題演習を豊富に用意しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9ee0d01aa5a649a892f25db5c90abd0e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8928.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="簿記学習アプリ「Funda簿記」の練習問題機能"> 今回扱ったビジネスホテル以外にも、化粧品ECや広告メディアなど様々なビジネスのトレーニングが可能です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/ee63d429f9a14b9db85a3514de8f110e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8929.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="簿記学習アプリ「Funda簿記」のトレーニング"> ぜひ一緒にアプリを使って経営判断力を高めましょう！ 下記のリンクからアプリの詳細情報を見ることができます↓ <a href="http://bit.ly/3Zt5HJz"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f76a103b16784134ba3058a183e29b0c/Funda_2.png?w=2500&amp;h=843" alt="Funda簿記の学習アプリ"></a>

適切な経営判断をするためには、現場のデータ整理と簿記・会計の知識が必要不可欠です。この記事では、ビジネスホテルの事例をもとに、経営施策で使えるデータ整理と会計の知識を図解を用いてわかりやすく解説します。初心者向けに簡単なクイズも掲載していますので、本記事を通じて適切な経営判断ができるようになりましょう。

利益を増やす価格設定は？クイズで学ぶ経営判断の考え方トレーニング

適切な経営戦略を立案するためには、判断の基礎となる「現場のデータ」を整理する必要があります。 この現場のデータを整理するために、簿記・会計の知識が不可欠となります。 この記事ではジュース屋さんの経営数値を事例に、赤字商品の撤退判断の基準を図解を通じてわかりやすく解説します。 早速ですが簡単なクイズです。 りんご味とぶどう味のジュースを製造販売している事業があります。 事業全体としては赤字ですが、ぶどう味は利益を生み出しています。 あなたが事業責任者の場合、下記のデータからどのような判断をくだしますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c49dd4940bd04f1da95a876a755bf578/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%899.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="事業の経営判断クイズ">

赤字の商品は撤退した方が良いと思います！ そうすれば、全社レベルで20,000円の黒字になりますからね！

このように、赤字の商品を撤退したら本当に黒字になるのでしょうか？ 今回は、財務分析トレーニング特集として「正しい経営判断を行うための情報整理」を解説します。 経営判断をされる方はもちろん、現場で活躍される方にとっても、役に立つ内容となっています。 ぜひ最後までお付き合いください。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5><h2 id="h26db398001">事業データを整理する手順は？</h2>フルーツジュースの店を開店した事例を元に、ストーリ形式でデータを整理する手順から解説していきます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/582828742c2d4f38a50686ed237bc50d/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の事例"><h3 id="hb38bd9e64b">事業内容を把握</h3>ジュース屋さんは、2種類の味のフルーツジュースを製造し販売しています。<ul><li>りんご味</li><li>ぶどう味</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8d27f474f4aa4bcf889f60c175a0f13a/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88ver2_%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E2%91%A0.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の事業内容"> それでは、さらに深掘りして、経営成績を見ていきましょう。<h3 id="hac53a27981">商品の限界利益を計算</h3>商品の収益性を把握するために、限界利益（貢献利益）を計算する必要があります。 限界利益とは、商品を1単位販売した時に手元に残る利益の金額です。 商品の単価と変動費を元に計算していきます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/67ce5e562cf0461c95d4a718fd1ba2b9/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(15).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="貢献利益とは"> ジュースの単価はそれぞれ異なります。<ul><li>りんご味：500円</li><li>ぶどう味：700円</li></ul>単価500円のりんご味のジュースは、1つ販売するたびに材料費が300円かかります。 そのため、りんご味のジュースを1個販売すると200円の限界利益が生まれる計算となります。 一方で、単価700円のぶどう味のジュースは、1つ販売するたびに材料費が420円かかります。したがって、ぶどう味のジュース1個販売すると280円の限界利益が発生します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3a3b2f47e0564f089938f22803dc73fe/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%893.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の商品の限界利益"> 限界利益について詳しく学びたい方はこちら

<h3 id="h98aa8cde34">事業から発生する固定費の計算</h3>次は、事業から発生する固定費を見ていきましょう。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e7f51493463044ecadede32ca7293fa3/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(18).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固定費とは"> りんご味のジュースを製造する際には、全自動皮むき器のリース料が月10万円かかります。 一方、ぶどう味のジュースを製造する場合は、バイトの人件費が月8.5万円かかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/edab6269d2d3429f9083610036c62289/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%894.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の固定費"> また、店頭販売員の人件費（10万円/月）と店舗賃料（20万円/月）が共通固定費として発生します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8a21f44bfdfe41c7b73c013cb7e278f0/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%895.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の固定費"> 上記の固定費の内容をまとめると下記のようになります。<ul><li>固定費の総額：485,000円</li><li>個別固定費（りんご味）：100,000円</li><li>個別固定費（ぶどう味）：85,000円</li><li>共通固定費：300,000円</li></ul><h3 id="ha30b5e2cdb">ジュース屋の損益計算書を作成</h3>さて、ジュース屋の経営数値の整理が完了しました。 ここまでのまとめとして、直接原価計算ベースのジュース屋さん全体の経営成績を確認してみましょう。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/33a278ce758844db9d1eeb994502c847/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8919.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の損益計算書"> りんご味とぶどう味それぞれ1,000個販売しているものの、事業全体では5,000円の赤字となってしまっていることがわかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/85b74c4fa6b0471387608b19c3a64423/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%896.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の損益計算書"> では、なぜ赤字となってしまったのでしょうか？ それぞれの商品ごとの経営成績を整理し、赤字の原因を特定します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2c2fdb12e33641e0bf1d9129dae8bf71/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%897.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="原因分析"> それぞれの商品ごとの経営成績を整理すると下記のようになります。 どうやらりんご味が赤字となっており、ぶどう味は利益が出ていることがわかりました。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9d073652aa2b4a4f9991fbf23395b1e0/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%898.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="商品別の損益計算書"> さて、ここまで事業の経営成績の整理が完了しました。 ここからは、このデータを元に、どのような経営判断を行うべきかを一緒に考えてみましょう。<h2 id="h8e3b24c3d0">データを元にした経営判断は？</h2>それでは、ここまでの内容を踏まえてクイズです。 あなたはジュース屋さんの事業責任者です。 整理されたデータを元に、事業の利益を最大化するためにはどのような経営判断をしますか？ 理由も合わせて考えてみてください！ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c49dd4940bd04f1da95a876a755bf578/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%899.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="事業の経営判断クイズ">

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"><h3 id="h5efa5aff4f">正解の発表</h3>正解は、③両方継続すべきでした。 事業の利益を最大化するためには、ぶどう味はもちろん、りんご味も継続する判断となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/02084273d86049b3a8930a959576e260/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8910.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="事業の経営判断クイズ：正解の発表"> それでは、解説に入ります。<h3 id="h7fc753f8fa">判断に不要なノイズを整理</h3>共通固定費はどの選択肢を取っても発生する「埋没原価（無関連）」となります。 埋没原価は、経営判断を行う際には一旦度外視して考えます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/482c9223b716458e9df9aed9ffb1b8d6/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8911.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ジュース屋の共通固定費"><h3 id="hcf5951a357">判断する際のポイント</h3>赤字の事業を継続するか撤退するかを判断する際は、個別固定費よりも上の情報を整理します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c488c914b6634bf3bd3305a7051fb64f/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8912.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="判断するポイント"> 通常、限界利益から回避可能固定費を差し引いた差額利益で事業の撤退判断を行います。 差額利益がプラスの場合、全社の利益に貢献していると考えることができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/26677a7b07814e13bd745afdccc0c185/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8913.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="商品別の判断基準"><h3 id="h9dcb80502c">利益シミュレーション</h3>それでは、それぞれの判断を実行した際の利益の金額をシミュレーションで見ていきましょう。<ul><li>りんごを撤退した場合</li><li>ぶどうを撤退した場合</li><li>両方継続した場合</li></ul><h4 id="hffa8dbc6c2">りんごを撤退した場合</h4>まずは、りんごを撤退した時の利益の金額を見ていきます。 りんごを撤退した場合、売上が0になるため差額利益が0となります。そして、共通固定費125,000円がそのまま赤字として計上されます。 結果として、全社レベルでは105,000円の赤字となってしまいます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b52619523e7547af839e9dc04b38b43a/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8914.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="りんごを撤退した時のPL"><h4 id="h9eb971d98e">ぶどうを撤退した場合</h4>次に、ぶどうを撤退した時の利益の金額を見ていきます。 ぶどうを撤退した場合、りんごを撤退した場合と同様、売上が0になるため差額利益が0となります。 そして、共通固定費175,000円がそのまま赤字として計上されます。 したがって、ぶどうを撤退した場合は全社レベルで200,000円の赤字が計上されてしまいます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d181b56e69204a48b47a0a61c4f0f5ee/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8915.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ぶどうを撤退した時のPL"><h4 id="hb9c7c87a6f">両方継続した場合</h4>最後に、改めて両方継続した時の利益の金額を見ていきます。 りんご事業は赤字を計上していますが、差額利益100,000円（限界利益200,000－個別固定費100,000）が共通固定費の一部をカバーしているため、りんご事業を撤退した場合よりも赤字幅が縮小されます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/dd27273dc8fb48e38b89d854054f89e8/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8916.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="両方継続した時のPL"> 従って、両方継続した方が最も利益が多くなる判断となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/acc2efb436f445cfa4898669453a6ab2/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8917.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="正解の発表"><h2 id="h9c1b5e459c">商品の撤退判断：まとめ</h2>今回はジュース屋を事例に「意思決定会計」についてを解説しました！ 赤字の商品はすぐに撤退するのではなく、撤退した場合の赤字幅も考慮する必要があることが理解できたかと思います。 最後に意思決定会計の鍛え方についてを紹介します。<h3 id="h8e32191243">基礎知識を身に付けよう</h3>決算書に登場する用語が何を意味しているのかを知ることが大切です。 今回のケースでは、「変動費」「固定費」「限界利益」などの意味がわからなければ、経営判断をすることができません。 したがって、まずは簿記3級レベルの基礎知識を身に付けることが大切です。<h3 id="hd1fa52c49b">数字に触れよう</h3>決算数値がどのように出来上がるのかを学ぶことで、どのような取引が行われているかを知ることが可能となります。 今回のケースでは、ジュース屋の損益計算書がどのように構成されているのか、りんごを撤退した場合どのような損益計算書になるのかを理解できなければ、適切な経営判断をすることができません。 このように、ビジネスの流れと、数字の動きを体で覚えることは分析力の向上に繋がります。<h3 id="hb72a90f099">分析力を鍛えるトレーニング</h3>上記の２つのトレーニングを効率的に行うことができる学習アプリ「Funda簿記」を提供しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8a01a8c20bb049c6b7dc65949847ef9b/image.png?w=1849&amp;h=799" alt="Funda簿記のダッシュボード機能"> まずは1か月間で簿記3級を目指してみませんか？ ぜひ、今日から一緒に分析力を高めましょう！ ご参加お待ちしております！	 <a href="http://bit.ly/3IEZfb3"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3a020266f5054f78a63f387de7507e41/Funda_4.png?w=2500&amp;h=843" alt="Funda簿記の学習アプリ"></a>

意思決定会計は、会社の利益を上げる際に的確な判断を行うための会計です。この記事では、ジュース屋を事例に赤字の商品の撤退判断についてを図解を交えて詳しく解説します。初心者向けに簡単なクイズも掲載していますので、本記事を通じて適切な経営判断を学びましょう。

赤字の商品の取り扱いは？クイズで事業計画作成の基礎を身に付けよう

適切な経営戦略を立案するためには、判断の基礎となる「現場のデータ」を整理する必要があります。 そして、この現場のデータを整理するために、簿記・会計の知識が不可欠となります。 この記事では「赤字事業の撤退判断の基準」を通じて、ビジネス現場で使える簿記・会計の知識をわかりやすく解説します。 早速ですが簡単なクイズです。 お弁当屋さんを運営する会社が東京の大手町に出店しました。 ところが、大手町店の経営成績を確認してみると、350,000円の赤字です。<ul><li>売上高：1,000,000円（2,000個×500円）</li><li>限界利益：400,000円（2,000個×200円）</li><li>固定費：750,000円</li><li>営業利益：-350,000円</li></ul>あなたが事業責任者の場合、会社の利益最大化を考えた時にどのような経営判断を行いますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c813d25857024f3780013eb5612fbf2b/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(1).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：問題">

赤字だったら、もう閉店するしかないですよ。 ビジネスの世界は厳しいですからね。

さて、本当に撤退という判断でよろしいのでしょうか？ 今回は、財務分析トレーニングとして「正しい経営判断を行うための情報整理の方法」を解説します。 経営判断をされる方はもちろん、現場で活躍される方にとっても、役に立つ内容となっています。 ぜひ最後までお付き合いください。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5><h2 id="h839117decb">財務分析トレーニング：情報を整理しよう</h2>今回は、東京の大手町に弁当屋を出店（以下大手町店）した事例を元に、ストーリー形式で解説していきます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d363c48b68ec47929ccd476c2750f5dc/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="弁当屋の事例"> 大手町店の経営成績を確認すると、どうやら月35万円の赤字を出している状態のようです。 つまり、経営状況はあまりよろしくありません。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4b273f9eedd545edbbe0c866f890e88b/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%892.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="弁当屋の事例"> それでは、さらに深掘りして、具体的な経営数値を確認しましょう。<h3 id="h3280a10f23">利益（損失）の状況を確認</h3>大手町店の1か月あたりの経営成績は以下の通りです。 2,000個の弁当が売れたものの、当月は35万円の赤字となってしまっています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/846d2d667cb04eb78fdefef39db2c13b/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="大手町店の1カ月当たりの損益計算書"> 赤字の原因を調べるため、営業利益を構成する変数を分解して見ていきましょう。<h3 id="he2b7821b05">限界利益を確認</h3>限界利益とは、1つの商品やサービスを販売したときに得られる利益のことです。限界利益を把握することで、商品やサービスの収益性を評価することができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0e323c0a6a7747e98de08fcb64d42cdf/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="貢献利益とは"> 限界利益の計算式は下記のとおりです。<ul><li>商品単価－変動費＝限界利益</li></ul>変動費とは、売上に応じて発生する費用です。 弁当屋さんの場合、500円の弁当を1つ販売するたびに300円の変動費が発生しています。 つまり弁当を1個販売すると200円の限界利益が発生します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/516473cb18c44586aa2775a58fcf9833/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%894.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="弁当屋の変動費"><h3 id="h2ba0cc6780">固定費を確認</h3>固定費とは、売上に関係なく一定の金額がかかる費用です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f15ea143787d476b91572581a0cc6f44/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E5%A4%89%E5%8B%95%E8%B2%BB%E3%81%A8%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%B2%BB%20(6).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固定費とは"> 店舗に固有で発生する固定費の大部分は下記の3つで構成されています。<ul><li>人件費（正社員）：35万円/月</li><li>人件費（バイト）：10万円/月</li><li>店舗の賃料：20万円/月</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/009dcc8805474b7a8c54de4277a829ec/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(5).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="弁当屋を運営する際に発生する固定費"> また、本社の管理費の一部が、大手町店の負担する費用として割り振られています。<ul><li>本社の管理費：10万円/月</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/5ab05d82964c404aa66420239bb2787f/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(6).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="弁当屋を運営する際に発生する固定費"><h3 id="h50d42e7136">経営数値の整理</h3>経営数値の詳細を把握することができました。 それでは、改めて大手町弁当の経営成績を確認してみましょう。<ul><li>販売数量：2,000個</li><li>単価：500円</li><li>変動費：300円</li><li>限界利益：200円</li><li>固定費：750,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/846d2d667cb04eb78fdefef39db2c13b/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="大手町店の1カ月当たりの損益計算書">

このデータを見ると、やはり撤退した方がよさそうに見えますね。 赤字を垂れ流し続けてしまっているので。

<h2 id="hacfaa7542b">事業の継続判断を行うための固定費整理</h2>一見するとデータが整理されているように思えますが、これだけでは適切な判断を行うことは難しいです。 ここからさらに固定費をより精緻に分解していきます。<h3 id="h655f3547bf">固定費の分解</h3>固定費は、事業をストップした場合に発生を免れることができるか、できないかを基準に下記の2つに分解することができます。<ul><li>回避可能固定費（事業を撤退したら発生しない固定費）</li><li>回避不能固定費（事業を撤退しても発生する固定費）</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2d189b50e939496eb2afe0ccfb3c9d9c/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(9).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="2種類の固定費"> この２つの分類方法で、個別固定費と共通固定費を改めて確認していきます。<h3 id="h1e777bdc01">個別固定費を分解</h3>まずは、店舗レベルで発生する個別固定費を分解していきます。 弁当屋を撤退した場合、バイトは解雇されるため月10万円の人件費は発生しません。 また、撤退した場合は店舗も解約するため、月20万円の店舗の賃料も発生しません。 一方、正社員は簡単に解雇することができないため、事業をストップしたとしても月35万円の人件費は継続して発生します。 従って、個別固定費を整理すると下記のようになります。<ul><li>撤退したら回避可能（30万円＝10万円＋20万円）</li><li>撤退しても回避不能（35万円）</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/efb0449c3f6e4bea8a74abeb81fb9953/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(11).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="お弁当屋を運営する際に発生する固定費"><h3 id="h78460becf8">共通固定費を分解</h3>次は共通固定費の中身を改めて確認します。 共通固定費である本社の管理費（10万円/月）は、大手町店を継続しようが撤退しようが発生し続けます。 従って、共通固定費は全額回避不能な固定費となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/549e074400594371b2251ccf68949e25/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(12).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="お弁当屋を運営する際に発生する固定費"><h3 id="hda9ab35ac4">損益計算書にデータを整理</h3>上記の内容を考慮して、改めて損益計算書に集計します。 このように、固定費の金額をさらに詳細に分解することで、正しい判断を行う土台が揃います。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8c2c08d4536d4e3f9ef31075ab05516b/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(13).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="セグメントの損益計算書"><h2 id="hbc1dcd0c9b">財務分析トレーニング：撤退判断をしてみよう</h2>固定費が分解できたところで改めて冒頭のクイズです！ 大手町弁当の事業責任者であるあなたは、会社の利益最大化を考えた時にどのような経営判断をしますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c813d25857024f3780013eb5612fbf2b/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(1).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：問題">

※実務の世界では、他の投資案の有無など様々な状況が考えられますが、今回は問題文のみから読み取れる情報で判断を考えて頂けますと幸いです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"><h3 id="h5efa5aff4f">正解の発表</h3>正解は、選択肢②継続すべきです。 撤退するよりも、継続した方が、会社全体で考えた時にプラスとなります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fc38157c48774db2965b2dbc79857847/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(18).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：正解発表"> それでは、解説に入ります。 赤字のお弁当事業を撤退すべきかどうかは、以下の2つのポイントを考える必要があります。<ul><li>回避不能固定費</li><li>差額利益</li></ul>順番に見ていきましょう。<h3 id="hd87a0f0e1e">考えるポイント①：回避不能固定費</h3>1つ目のポイントは、回避不能固定費です。 経営判断をする際、事業を続けようが撤退しようが発生し続ける固定費を考慮する必要があります。 今回の弁当屋の場合、正社員の人件費（35万円/月）と本社の管理費（10万円/月）を足し合わせた45万円/月が回避不能固定費となります。 従って、どの選択肢を採用しても発生するため、意思決定に影響を及ぼさない無関連原価となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b728f68322de4ab5a6ce738cdaa5c09e/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(15).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="回避不能固定費"><h3 id="h751a7d5e68">考えるポイント②：差額利益で判断</h3>2つ目のポイントは、差額利益です。 限界利益から回避可能固定費を差し引いた差額利益が、赤字か黒字かで判断が異なります。<ul><li>赤字なら撤退</li><li>黒字なら継続</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c10841a3456046a6895ea6ee31afaff1/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(16).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="差額利益で判断"><h3 id="hb9756333ec">撤退した場合とのPLの比較</h3>以上の2つのポイントを考慮して経営判断をします。 弁当屋を継続した場合は、先ほど見た通り月35万円の赤字を出している状態です。 一方、撤退した場合、売上が0になるため差額利益が0となります。そして、回避不能固定費45万円がそのまま赤字の金額となってしまいます。 したがって、弁当屋を継続した場合の方が撤退した場合よりも赤字の金額が少ないため、事業を続けるべきであると判断できます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/72f8a349b58140f79143084c6e158a5d/%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E4%BC%9A%E8%A8%88-%E6%92%A4%E9%80%80%E5%88%A4%E6%96%AD-%E5%BC%81%E5%BD%93%E5%B1%8B%20(17).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="撤退した場合とのPLの比較"><h2 id="h1226c03965">情報整理のための知識の身に付け方</h2>今回は弁当屋を事例に「意思決定会計」についてを解説しました！ 赤字の店舗はすぐに撤退するのではなく、撤退した場合の赤字幅も考慮する必要があることが理解できたかと思います。 最後にデータ整理・経営判断の鍛え方についてを紹介します。<h3 id="h8e32191243">基礎知識を身に付けよう</h3>決算書に登場する用語が何を意味しているのかを知ることが大切です。 今回のケースでは、「損益計算書」「営業利益」、さらに「変動費」「固定費」「限界利益」などの意味がわからなければ、経営判断をすることができません。 したがって、まずは簿記3級・2級レベルの基礎知識を身に付けることが大切です。<h3 id="hd1fa52c49b">数字に触れよう</h3>決算数値がどのように出来上がるのかを学ぶことで、どのような取引が行われているかを知ることが可能となります。 今回のケースでは、弁当屋の損益計算書がどのように構成されているのか、撤退した場合どのような損益計算書になるのかを理解できなければ、適切な経営判断をすることができません。 このように、ビジネスの流れと、数字の動きを体で覚えることは分析力の向上に繋がります。<h3 id="hb72a90f099">分析力を鍛えるトレーニング</h3>上記の２つのトレーニングを効率的に行うことができる学習アプリ「Funda簿記」を提供しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8a01a8c20bb049c6b7dc65949847ef9b/image.png?w=1849&amp;h=799" alt="Funda簿記のダッシュボード機能"> まずは1か月間で簿記3級を目指してみませんか？ ぜひ、今日から一緒に分析力を高めましょう！ ご参加お待ちしております！	 <a href="http://bit.ly/3IEZfb3"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3a020266f5054f78a63f387de7507e41/Funda_4.png?w=2500&amp;h=843" alt="Funda簿記の学習アプリ"></a>

財務分析は情報の整理と、判断基準を身に付けたら必ず向上する技術です。この記事では、弁当屋を事例に赤字の店舗の撤退判断についてを図解を交えて詳しく解説します。初心者向けに簡単なクイズも掲載していますので、本記事を通じて財務分析力を向上させましょう。

赤字の事業の撤退基準は？実務で使える財務分析トレーニング

適切な経営戦略を立案するためには、判断の基礎となる「現場のデータ」を整理する必要があります。 この現場のデータを整理するために、簿記・会計の知識が不可欠となります。 この記事では、おにぎり屋の事例を元に、データの整理方法や、経営改善のポイントなどを図解を通じてわかりやすく解説します。 まずは簡単なクイズです。 あなたは小さなおにぎり屋を経営しています。 1か月間で、営業利益を構成する変数を10％改善することができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c7467f6f41b845eebdb8fb047dadb206/%E5%88%A9%E7%9B%8A%E6%94%B9%E5%96%84_%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E6%95%B0%E9%87%8F.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="10%の経営改善後のデータ"> 利益を最大化させる場合、どの変数を改善するべきでしょうか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/7cd210ed30d94e06b7762e8791fb78f9/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%894.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="経営改善のクイズ">

それはもちろん販売数量ですよ！ たくさん売ったら売上が10%上がりますからね！

さて、本当に販売数量でしょうか？ 今回は、財務分析トレーニング特集として「正しい経営判断を行うための情報整理」を解説します。 経営者や事業責任者はもちろん、現場で活躍される方にとっても、役に立つ内容となっています。 ぜひ最後までお付き合いください。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>

また、工業簿記の試験内容や学習方法については、下記の記事で詳しく解説しています。 工業簿記に苦手意識を持つ方は、ぜひこの記事とあわせてご覧ください。

<h2 id="hb0cae55f58">改善したら最も利益貢献が高い変数は？</h2>それでは、まずは事例の紹介です。 今回は、おにぎり屋の事例を元に、ストーリ形式で解説していきます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/15ccefd28d4e4664a2b6c84e5d90541f/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="おにぎり屋の事例"> おにぎり屋さんの現時点での経営成績を確認します。 今月の利益は0であり、黒字にも赤字にはなっていない状態です。<ul><li>販売単価：200円</li><li>販売数量：1,800個</li><li>変動費：@50円</li><li>固定費：270,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/36ca472214ec4b46ac5e514f8f053f67/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%892.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="おにぎり屋の経営成績">

うーん。 赤字ではないとはいえ、利益が出ないのも困るよ。

おっしゃる通りです… 次の月は利益を残します。

利益を出すためには経営改善が必要です。 そこで、次の1か月間で実行可能な施策とその効果を整理しました。 その結果、営業利益を構成する変数のうち１つだけ10%改善することが可能と判明しました。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c7467f6f41b845eebdb8fb047dadb206/%E5%88%A9%E7%9B%8A%E6%94%B9%E5%96%84_%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E6%95%B0%E9%87%8F.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="10%の経営改善後のデータ"> もし、あなたがおにぎり屋さんの事業責任者で、１つだけ数値を10%改善できるとしたら、どこを改善しますか？ 最も利益が大きくなる変数はどれかを考えてみてください。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/7cd210ed30d94e06b7762e8791fb78f9/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%894.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="経営改善のクイズ">

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"><h4 id="hf1beda9edd">正解発表</h4>それでは正解の発表です。 利益が最も大きくなる変数は選択肢①の単価でした。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6c96c4fc30164a4fb0bfea43b3f31782/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%895.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="経営改善のクイズ：正解発表"> ここから解説に入ります。 それぞれの変数を改善したケース別の経営成績を見ていきましょう。<h3 id="h35d93f4e91">単価の改善</h3>単価を10%引き上げ220円でおにぎりを販売した場合、利益貢献は36,000円増加します。 単価の改善を行った場合、値上げの金額がそのまま利益増加に貢献することがわかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b16282c94c4248a488183c287404bff3/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%896.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="単価の改善"><h3 id="hdcb489a105">販売数量の改善</h3>販売数量を10%引き上げ1,980個のおにぎりを販売した場合、利益貢献は27,000円増加します。 値上げと同等の売上高になるものの、販売数量の増加に伴って変動費も増加しているため、単価を上げた場合と比べると利益貢献が小さいのが分かります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/08d81e36eb3e4ab8a59e9d91f35b33d5/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%897.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="販売数量の改善"><h3 id="h123611ad11">変動費の改善</h3>変動費を10%引き下げ1個あたり45円とした場合、利益貢献は9,000円増加します。 変動費を5円だけ改善したとしても、単価の増加ほどの経営改善がされないことが経営成績から読み取れます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/7815210904eb48bea9e4814262ac4aeb/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%898.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="変動費の改善"><h3 id="ha4aaab91fa">固定費の改善</h3>固定費を10%引き下げた場合、利益貢献は27,000円増加します。 固定費27,000円の改善はそのまま利益に貢献しますが、単価を上げた場合と比べると利益貢献は小さいです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/67a445e98d284932965b717f652951cd/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%899.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固定費の改善"><h3 id="h03b66d879a">データ整理の重要性</h3>それぞれ10%の改善施策後のデータを並べると、価格改善が最も利益インパクトが高いことがわかります。 したがって、最も利益が大きくなる変数は選択肢①の単価でした。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c2ca1259e60c4bdd803fff59955546b4/%E5%88%A9%E7%9B%8A%E6%94%B9%E5%96%84_%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E6%95%B0%E9%87%8F%E2%91%A1.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="10%の経営改善後のデータ"> このように、きれいなデータが整理されていれば、正しい判断を行うことが可能となります。 ここからは、データを整理する基本的な流れについてを解説します。<h2 id="h91defb1f26">経営データを整理する方法は？</h2>経営改善すべき箇所を判断する際は、先程のおにぎり屋さんの事例のように経営データを整理しなければなりません。 ここからは、実務でも使える経営データを整理する基本的な流れについて解説していきます。<h3 id="h3087457986">Step１．売上を分解する</h3>まずは、ビジネスの収益モデルを知る必要があります。 収益モデルとは、企業がどのように収益を上げるかを示すモデルです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/edba7e96c0de4756917fef9a91d8db47/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8911.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="収益モデル"> 例えば、サブスクリプション型の動画配信サービスを運営するNetflixを事例に解説します。 ネットフリックスの売上分解式は、単価と顧客数というシンプルな変数です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/30053b784a2e4b168a9fd8093cbbdbcb/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8912.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ネットフリックスの事例"> ネットフリックスは、約2億人の有料会員が毎月約11ドルを支払っている巨大コンテンツです。 直近3年のデータを見ると、有料会員数が年々増加していることが分かります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/081b430287ea4497a632ca22abef898d/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8913.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ネットフリックスの事例"><h3 id="h57b5ec1a6f">Step２．固変分解をする</h3>売上を分解したら、次はコスト構造を理解する必要があります。 コスト構造とは、企業が提供する製品やサービスにかかる費用がどのように構成されているかを示すものです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2376c244bade4bce9c67af95601cb6e4/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8915.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="コスト構造"> 原価の中に、固定費および変動費がどの程度含まれているかを知る必要があります。このように発生する原価を、固定費と変動費に分解することを固変分解といいます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e8642c260c744f4f99a6f9f4d91a008f/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8916.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固変分解"> 固変分解については、こちらの記事で詳しく解説しています。

<h3 id="h054ced59f3">Step３．直接原価計算ベースの損益計算書を作成</h3>売上と費用を分解することができたら、直接原価計算ベースの損益計算書を作成し、利益のシミュレーションを行います。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/33a278ce758844db9d1eeb994502c847/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8919.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の損益計算書"> 具体的には、収益と費用の構成要素をExcelやスプレッドシートに反映させ、数字と数値の動きの関係性を可視化します。経営データを整理することで、適切な経営判断を行う土台が整います。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0179146bd6554280bc7529cd029ddf7d/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8920.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="収益と費用のモデル化"><h2 id="h1465e6a8f6">情報を整理し判断力を高めるための学習方法</h2>今回はおにぎり屋を事例に経営判断に必要となるデータ整理についてを解説しました！ 正しい判断を行うためには、その前提として、データの整理が必要となります。 ここまでの内容を踏まえて、最後にデータ整理を行うために必要となる知識を身に付けるための勉強方法について紹介します。<h3 id="h3c42fbdc39">「Funda簿記」でデータ整理の基礎を学ぼう！</h3>簿記学習アプリ「Funda簿記」では、短期利益計画を策定するための基礎知識や、利益シミュレーションが学べる問題演習を豊富に用意しています。 練習問題はシステムが自動で生成するため、その都度判断が求められます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/41c317a5afd746b1885032ce5e0d4d51/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(23).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="練習問題に挑戦してみよう"> また、今回の記事ではおにぎり屋さんの事例でしたが、Funda簿記では化粧品ECやホテル事業、WEBサービスなどより実践的な計算問題を用意しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/95bf4219ccf749e284d6b92e461b1f24/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(24).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="Funda簿記の練習問題の解き方"> ぜひ、今日から一緒に分析力を高めましょう！ あなたのご参加お待ちしております！	 <a href="http://bit.ly/3IEZfb3"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3a020266f5054f78a63f387de7507e41/Funda_4.png?w=2500&amp;h=843" alt="Funda簿記の学習アプリ"></a>

意思決定会計は、会社の利益を上げる際に的確な判断を行うための会計です。この記事では、おにぎり屋を事例に経営改善すべき箇所を判断するポイントについてを図解を交えて詳しく解説します。初心者向けに簡単なクイズも掲載していますので、本記事を通じて適切な経営判断を学びましょう。

利益が最も増える経営施策は？事業計画を作成する基礎を身に付けよう

<h2 id="hf04410d031">直接原価計算とは？</h2>直接原価計算とは、原価計算の方法の１つで、コストを変動費と固定費に分けて集計する手法です。これにより、生産量や販売量とコストの関係を把握し、どの程度のコストが発生するかを理解することができます。 しかし、企業が公開している損益計算書は、通常は全部原価計算に基づいて作成されています。全部原価計算とは、変動費と固定費を区別せず、製造にかかった費用を売上原価に集計し、その他の営業費用を販売費や一般管理費（以下販管費）に集計する方法です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/52fbeb2f3eed4517a0e0b9f011593f26/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(4).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="全部原価計算と直接原価計算の違い"> 具体的なイメージを持ってもらうために、簡単な経営ケーススタディを見てみましょう。 あなたの友人が化粧品のECサイトを運営しています。損益計算書を確認すると、50万円の赤字が出ており、状況は厳しいようです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9e9f848faf7846b3b55798b53ddb755f/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(1).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の事例"> そんな折、化粧品のファンであるインフルエンサーから連絡がありました。

インフルエンサー

商品のファンです。 無料で宣伝して販売促進に協力します！

インフルエンサーは「無料で販売促進に協力してくれる」と言っています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/df0bd419056d4ac0b96a5107878348c2/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(2).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の事例"> この状況で、あなたはどのように判断すべきでしょうか？ お願いすべきでしょうか？それとも断るべきでしょうか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/78c1594b197340ab8217e0ba6d2b6104/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の問題"> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d8dd97d09a904ec3b09786f7cb842d25/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%EF%BC%9A%E6%96%B0%E5%8D%92.png?w=1080&amp;h=1080" alt="お願いする以外の選択肢なんてあるの？"> この問題を解決するためには、直接原価計算を活用して、販売促進活動が利益にどのように影響するかを詳しく調べる必要があります。 最初は全くわからなくても問題ありません。この記事が読み終わる頃には、どのように判断を行えばよいのか、判断の基準が身に付いているはずです。 この記事では、簿記2級の受験生はもちろん、マネージャーやマーケターの方が使いこなせなければならない会計・簿記の知識として「直接原価計算」を解説します。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>なお、原価計算を基礎からしっかり学びたい方は、まずは先に下記のトレーニングから始めてみてください。

完全初心者の方向けの、原価計算の基本が身に付くトレーニングです。

【初心者向け】原価計算の基礎トレーニング

<h2 id="h6393ea4251">全部原価計算と直接原価計算の違いは？</h2>全部原価計算と直接原価計算の違いは、原価を集計する方法にあります。 直接原価計算では、製品ごとの直接的なコストのみを把握できますが、全部原価計算では、製品やサービスの総合的なコストを把握することができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/52fbeb2f3eed4517a0e0b9f011593f26/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(4).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="全部原価計算と直接原価計算の違い">

化粧品事業の責任者

そもそも… 製品原価ってなんですか？

<h3 id="h99a6347dff">製品原価とは</h3>製品原価とは、製品やサービスを作るためにかかる費用のことです。企業は製品原価を把握することで、利益を上げるための戦略を立てることができます。 製品原価には、直接原価と間接原価があります。<ul><li>直接原価</li><li>間接原価</li></ul>直接原価は、製品やサービスに直接関係する費用です。原材料費や製品を製造する人の労働費などが該当します。 間接原価は、製品やサービスに関連はあるものの、特定の製品に直接割り当てることが難しい費用で、電気代や管理費、営業費などが該当します。<h3 id="h180ebfbc13">全部原価計算の損益計算書</h3>全部原価計算は、製品やサービスの原価を計算する際に、直接原価と間接原価の両方（全部の原価）を集計します。これにより、製品やサービスの総合的なコストを把握することができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a20a3432263242b09d0b8f01dc7996a8/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(5).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="全部原価計算の損益計算書">

売上原価と販管費に集計されていますね。 これはよく見る形式の損益計算書ですね。

<h3 id="h4de914ad49">全部原価計算の落とし穴</h3>販売価格から売上原価を差し引いた粗利（売上総利益）がプラスである場合、販売量を増やせば利益が増えるように思えます。 しかし、売上原価の他にも、配送費用や決済手数料など、商品を提供する際には様々な費用が発生します。このような販売量に応じて発生する費用が販管費にも含まれます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f63f412442434888bc47a07e020ecd06/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(6).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="ZOZOの事例"> そのため、全部原価計算による集計では、販売量と費用の発生の関係を正確に把握することが難しいという欠点があります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/726a64b2dea14d00bb29689b66b37452/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(7).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="全部原価計算ベースの落とし穴"> この問題を解決するために、直接原価計算を用いて、販売量と直接的なコストの関係を詳細に分析することが重要です。

化粧品をECで販売するためには、化粧品の原価以外にも、配送料や決済手数料、包装材費用のようなコストが発生します。 これらのコストは、たいていは損益計算書の販管費に集計されています。

<h3 id="h16b808b4a1">直接原価計算の損益計算書</h3>直接原価計算は、製品やサービスの原価を計算する際に、まずは直接原価（変動費）のみを考慮して集計します。次に、販売数量とは関係なく発生する固定費を別途計上します。これにより、販売量と費用の発生の関係を明確に把握することができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6799b2fd460540f691f537e7984f7a00/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(8).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の損益計算書">

なるほど。 直接原価計算の方が、販売に応じて発生する費用の金額が追いやすいのですね！

<h3 id="h02e016b27a">直接原価計算の役割</h3>直接原価計算の主な目的は、製品やサービスを作るために直接かかる費用を正確に把握することです。 この情報をもとに、企業は利益を最大化するための戦略を立てることができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/96bf38f8d2d54377ba6a190811312135/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(9).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の役割"> 特に、短期的な利益計画を立案する場合には、直接原価計算が用いられます。なぜなら、直接原価計算によって、販売量の増減に伴うコストの変動を詳細に分析することが可能であるため、効果的な販売戦略やコスト削減策を立てることができるからです。

なるほど。 経営戦略を考える時は、直接原価計算ベースで考えた方が望ましいのか！

<h2 id="h8105e06685">全部原価計算から直接原価計算への修正</h2>それでは、冒頭の事例に戻って考えてみましょう。 まず、現状の全部原価計算ベースの損益計算書から、直接原価計算ベースの損益計算書に集計を変更し、商品の収益性を正確に把握することが必要です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/493ac27a952c4227ac21e07e81921700/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(10).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="変動費と固定費を混同して集計"><h3 id="h3a5e71ac2d">固変分解</h3>そのために、売上原価と販管費を、変動費と固定費に再分類します。 この作業を「固定費と変動費の分解」、略して「固変分解（こへんぶんかい）」と言います。 固変分解を行うことで、適切な経営判断を下すための基礎となる数値を整理できるようになります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/93ad6117b2af4315bea3b27e1f3aaff7/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(11).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="固変分解">

ところで… 変動費と固定費って何でしたっけ…？

<h3 id="h0b9a33e06d">変動費と固定費</h3>変動費とは、売上に応じて変わる費用です。例えば、原材料費や運送費などがあります。変動費は、商品やサービスを1つ提供するためにかかる費用で、売上が増えると増える分だけ費用がかかります。 固定費とは、売上に関係なく一定の金額がかかる費用です。例えば、家賃や給与などがあります。固定費は、売上が増えても減っても変わらない費用です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/16fc4230d87c475ba2b0dd2ffdf4c7c7/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(12).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="操業度との関連による分類"> 変動費と固定費について詳しく学びたい方はこちら

<h2 id="h183fb3a6fe">直接原価計算を使った商品の収益性の把握</h2>それでは1つずつ順に、商品の収益性を把握する手順を見ていきましょう。

インフルエンサーの方に宣伝をお願いするべきだろうか？ 直接原価計算を使って情報を整理してみよう。

<h3 id="h522f880913">①変動費の計算</h3>まず、1単位あたりの提供で発生する費用（変動費）を計算しましょう。 化粧品ECビジネスでは、1単位あたりの提供で発生する変動費として、商品の仕入れ原価はもちろん、配送料、包装材費用、決済手数料が考慮されます。<ul><li>商品の仕入れ原価：450円</li><li>配送料：540円</li><li>包装材費用：30円</li><li>決済手数料：30円</li></ul>これらの金額を合計すると、1単位あたりの提供により、1,050円の費用が発生することがわかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c3fed39aa7bf4f7890678e0f3a6fda0f/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(13).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="商品1単位あたりに発生する変動費">

え…仕入原価以外にも、 こんなに変動費が発生していたなんて…

<h3 id="h204e903776">②貢献利益（限界利益）の計算</h3>商品の価格データと変動費を元に、貢献利益（限界利益）を算出しましょう。 貢献利益とは、1つの商品やサービスを販売したときに得られる利益のことで、これを把握することで、商品やサービスの収益性を評価できます。 その結果、企業はどの商品やサービスに力を入れるべきか、判断しやすくなります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/67ce5e562cf0461c95d4a718fd1ba2b9/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(15).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="貢献利益とは"> 化粧品は1つあたり1,000円で販売されています。一方で、1つ提供するたびに1,050円の変動費が発生しています。<ul><li>販売単価：1,000円</li><li>変動費合計：1,050円</li></ul>収益と変動費を比較すると、貢献利益はマイナス50円であり、赤字となっていることがわかります。つまり、商品が売れれば売れるほど赤字が拡大してしまう状態です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8feb08bedb974573b9946dc549d75213/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(16).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="商品の収益性を正確に把握しよう"><h3 id="ha02abe5aaf">③固定費の計算</h3>次に、固定費を計算しましょう。固定費は販売数量と関係なく発生する費用です。 化粧品ECの事例では、サーバー費用、ECシステムの利用料、スタッフの人件費などが該当します。 これらの金額を合計すると、1か月あたり400,000円の固定費が発生することがわかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/62a07a434f234ecbad10966e9f2c1660/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(17).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="販売量と無関係に発生する固定費"><h3 id="hc65fe52b01">④集計したデータを元に分析</h3>ここまでのデータをもとに分析を行いましょう。 赤字であることは既知ですが、商品の販売時点で赤字であるという事実は、全部原価計算ベースでは気づくことができませんでした。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/492ee308ddb14514bd6f4bed1ce8acf2/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(19).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="集計方法が異なると景色が変わる"> もし、現状のまま宣伝を依頼していた場合、赤字はさらに拡大していたことが予想できます。 従って、無料であっても、宣伝は受けるべきではありません。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/aface027dc704ea390fb60f0358c5816/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(20).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="もし仮に宣伝を依頼していたら">

え？この後は一体どうしたら？ 販売戦略どころか、売ったらダメな状態では…

<h3 id="h31cb3790b0">⑤アクションプランの検討</h3>現状の分析が完了したら、次は今後のアクションプランを検討しましょう。 まず最も重要なのは、貢献利益の黒字化です。具体的には、販売単価を高めるか、変動費を削減することを検討します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/650a073d382d4171beb5c5610c701a61/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(21).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="情報を整理して正しい経営判断を行う"> 貢献利益が黒字化するまでは、どれだけ優れた販売戦略を立てても逆効果となってしまいます。

赤字だからと言って、安易に売上を増やせばいいという訳ではないのか… これは数字が読み取れないとわからないな！

このように、直接原価計算ベースで考えることで、商品の収益性を正しく把握することが可能となります。 これをもとに、適切な経営判断を行うことができるようになります。<h2 id="h0e43120760">直接原価計算と全部原価計算のまとめ</h2>以上、直接原価計算を使った商品の収益性の分析プロセスの解説でした。 この記事では、直接原価計算の基本概念や、全部原価計算との違い、簿記や管理会計との関連性を詳しく解説しました。 簿記学習者や学生はもちろん、ビジネスパーソンにも役に立つ知識となるはずです。 これらの知識を活用して、分析力の向上を目指しましょう。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/873ea464c6414a84b2f6cee78383e05e/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(22).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="集計方法が異なると景色が変わる"><h3 id="he2593a7855">実際に手を動かしてみよう</h3>簿記の学習アプリ「Funda簿記」を利用されている方は、ぜひ、練習問題に挑戦してみてください。 今回の事例をベースにした計算問題を、アプリが自動生成し出題しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/41c317a5afd746b1885032ce5e0d4d51/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(23).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="練習問題に挑戦してみよう"> 化粧品ECの事例はもちろん、ホテルやWEBサービスなど様々な計算問題を用意しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/95bf4219ccf749e284d6b92e461b1f24/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(24).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="Funda簿記の練習問題の解き方"> Funda簿記ユーザー以外の方でも、LINEアプリにて練習問題に挑戦することができます。 下記の公式LINEから、ぜひ実践演習に挑戦してみてください。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=pxL8Ce&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a4d41f9549ec4468a8a01f29c3bbb188/%E4%BB%95%E8%A8%B3%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%8C%E8%A7%A3%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINE"></a>

<h2 id="h4a5e197409">安全余裕率とは？</h2>安全余裕率（Safety Margin Ratio）とは、企業が損益分岐点を超えて利益を生み出しているかどうかを示す安全性の指標です。簡単に言うと、もし売上が少し減少しても、利益が出る状態を維持することができるかどうかを評価するための判断指標です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1508b8da10934e06af10684632d40bea/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(1).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率とは"> 早速ですが、安全余裕率を使った簡単なクイズです。 「おにぎり屋」を経営している友人から、以下のような相談をされました。

友人

多くの飲食業が、コロナ禍で打撃を受けています。 うちの店は今は黒字だけど、安心できません。 売上が何％減少したら赤字になりますか？

言い換えると「安全余裕率はいくつでしょうか？」という質問です。 ぜひ考えてみてください。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9b659aacbf74463e85269dd836b55b6d/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(2).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題"> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/98887cd87537451abf7f19757d4e35be/%E2%91%A0%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9%E2%91%A1%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="これだけでは1mmもわかりませんよ"> 最初は全くわからなくても問題ありません。 この記事が読み終わる頃には、どのように判断を行えばよいのか、判断の基準が身に付いているはずです。 この記事では、簿記2級の受験生はもちろん、マネージャーやマーケター、投資家の方が使いこなせなければならない会計・簿記の知識として「安全余裕率」を解説します。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>なお、原価計算を基礎からしっかり学びたい方は、まずは先に下記のトレーニングから始めてみてください。

<h3 id="hbc151e8992">安全余裕率の求め方</h3>安全余裕率の求め方は、現在の売上高から損益分岐点の売上高を引き、それを現在の売上高で割ることで計算されます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3e7a491629db4933bba737d3ab0df116/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の求め方"> 安全余裕率の計算式は以下の通りです。

安全余裕率 = （現在の売上高 - 損益分岐点の売上高）÷ 現在の売上高

新卒君

損益分岐点の売上高？ なんでしたっけそれ？

<h4 id="h8e34ce4714">損益分岐点の売上高</h4>損益分岐点の売上高とは、利益がゼロになる売上のポイントです。 言い換えると、変動費と固定費を合わせた総費用の金額と、売上高が一致する地点を表します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/452bfd70e4d94ba78e8d2de2df99c466/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(5).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点とは"> 損益分岐点の売上高のクイズに挑戦したい方は、下記の記事もおすすめです。

<h3 id="haeedb1572b">安全余裕率の目安</h3>安全余裕率の目安は、業種によって異なりますが、高いほど安全性が高いと言えます。 逆に、安全余裕率が低い場合、売上がわずかに減少するだけで利益が失われるリスクが高まることを意味します。 企業は、安全余裕率を使ってビジネスの安定性を評価し、必要に応じて販売戦略やコスト削減策を検討することができます。

なるほど！ 要するに、安全余裕率は高ければ高いほど安全性が高くなるのか！

ちなみに、安全余裕率を知ると、 どんないいことがあるのですか？

<h3 id="hbb2ef26d3d">安全余裕率の必要性</h3>安全余裕率を計算する必要性は、経営戦略の立案、事業評価など多岐にわたります。具体的には下記４つの目的で安全余裕率が用いられることが多いです。<ul><li>経営リスクの評価</li><li>目標売上の設定</li><li>財務戦略の策定</li><li>事業計画の策定</li></ul>それぞれの内容を解説します。<h4 id="hf3a6fd4433">経営リスクの評価</h4>安全余裕率が高いほど、売上が減少しても利益が出続ける可能性が高くなります。 これにより、企業の経営リスクを評価し、対策を立てることができます。<h4 id="hb666b6f184">目標売上の設定</h4>安全余裕率をもとに、目標売上を設定することができます。 企業は、目標売上を達成するための戦略を検討し、業績の向上を図ることができます。<h4 id="h63847c6b50">財務戦略の策定</h4>安全余裕率を把握することで、企業は資金調達や投資、費用削減などの財務戦略を適切に立てることができます。<h4 id="heae5240926">事業計画の策定</h4>安全余裕率を活用して、現在の事業計画が適切かどうかを評価し、必要に応じて事業計画の見直しや新たな事業展開を検討することができます。

なるほど。 いずれにしても、ビジネスを行う際には、把握しておかなければならない指標なのですね。

<h2 id="h6799126a4b">安全余裕率を計算しよう</h2>ここからは、事例を通じて安全余裕率の計算方法を紹介します。 改めて冒頭のクイズを確認してみましょう！見える景色も変わったのではないでしょうか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/942d141e3e9442c5a02b1d872efca5f9/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(6).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題">

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"> それでは、順を追って解説していきます。<h3 id="h5b97f7c907">損益分岐点の計算</h3>安全余裕率を求める第一歩は、損益分岐点の売上高を計算します。 損益分岐点売上高の計算に必要となるデータを整理していきましょう。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/011f1389e2d746bcbaad536a63b21477/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(7).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題：解説"> 必要なデータをまとめると、下記のようになります。<ul><li>販売単価：200円/1個</li><li>変動費：50円/1個</li><li>貢献利益：150円/1個</li><li>固定費：270,000円/1か月</li></ul>以上をまとめると、損益分岐点の販売数量は1,800個となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/60ba0012c707455cba54d2c3811322db/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(8).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題：解説"> データ整理について、詳しく学びたい方は、下記の記事もセットで確認してみてください。

マネージャーやマーケティング担当者必見！短期の経営判断に役立つ損益分岐点の意味や使い方を解説。コスト構造、限界利益、CVP分析の理解で効果的な経営判断を行い、戦略立案と収益向上への一歩を踏み出しましょう。実務で使える実践的な知識はもちろん、簿記2級の受験者にもわかりやすく図解で説明します。

マーケター必須の会計知識！投資判断に役立つ損益分岐点を図解で解説

<h3 id="h0d006299c8">損益分岐点売上高と現状売上高の比較</h3>損益分岐点売上高を求めることができたら、安全余裕率の計算に必要となるデータが揃います。 必要となるデータは下記の通りです。<ul><li>損益分岐点売上高</li><li>現状の売上高</li></ul>これらの内容を元に、安全余裕率を計算してみましょう。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/468b09b0f6bb4b2eabe800bea8b5f2c4/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(9).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題：解説"><h3 id="h3e52840e63">安全余裕率の計算</h3>安全余裕率は、損益分岐点売上高と現状の売上高の距離を意味します。 今回の事例では、まずは安全余裕額を計算します。<ul><li>安全余裕額＝現状売上高-損益分岐点売上高</li><li>140,000円＝500,000円−360,000円</li></ul>安全余裕額が計算できたら、あとは現状売上と比べることで安全余裕率を計算します。<ul><li>安全余裕率＝安全余裕額÷現状売上高</li><li>28％＝140,000円÷500,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/52a1fb6e1978418c94475bb65989231e/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(10).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題：解説"> 以上の結果より、安全余裕率は28％であることが判明しました。 従って、28％までの売上減少であれば、黒字を維持することが可能となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/29c5297db800493498f66ad190ec8dc8/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(13).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="安全余裕率の問題：解説">

ちなみに、安全余裕率に関連する指標として「損益分岐点比率」というものがあると聞きました。 この指標はどういう意味ですか？

<h2 id="h442ef48374">安全余裕率と損益分岐点比率との関係は？</h2>安全余裕率と損益分岐点比率の関係は、どちらも企業の財務状況やリスクを評価するための指標です。 しかし、その目的や意味合いが異なります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8cef83569ecf4042aa139fcfad940ee4/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(11).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点比率の計算"><h3 id="hccef03e474">損益分岐点比率の意味</h3>損益分岐点比率とは、損益分岐点での売上高を現在の売上高で割った値です。 これにより、現在の売上高が損益分岐点とどれだけ離れているかを示す指標となります。<h3 id="habd482616b">両者の関係</h3>安全余裕率と損益分岐点比率の関係は、次のように表現できます。

安全余裕率 = 1 - 損益分岐点比率 ※安全余裕率＋損益分岐点比率は100％となります。

この式からわかるように、安全余裕率が高いほど損益分岐点比率は低くなり、逆に安全余裕率が低いほど損益分岐点比率は高くなります。 つまり、安全余裕率が高ければ高いほど、企業は売上減少に対して余裕があり、リスクが低いと言えます。 一方、損益分岐点比率が高ければ高いほど、売上が少し減るだけで利益が失われるリスクが高くなります。 企業は、これらの指標を使ってビジネスの安定性やリスクを評価し、適切な戦略や対策を立てることができます。

ふーん。 安全余裕率と損益分岐点比率を足したら、 100％になることだけ覚えておきます。

<h2 id="h20c109f1c5">業種別の安全余裕率は？</h2>安全余裕率が高い業種と低い業種は、それぞれ異なる特徴があります。 ここでは具体的な事例を用いて、それぞれの業種の特徴を説明します。<h3 id="h53435adf40">安全余裕率が高い業種</h3>安全余裕率が高い業種は、売上が減少しても利益を維持しやすい傾向があります。 これらの業種では、固定費が比較的低く、貢献利益が高いことが一般的です。また、市場の需要が安定していることも特徴の一つです。<h3 id="hf8d3f93fbd">安全余裕率が低い業種</h3>安全余裕率が低い業種は、売上が減少するとすぐに利益が失われるリスクが高い傾向があります。 これらの業種では、固定費が比較的高く、貢献利益が低いことが一般的です。また、市場の需要が不安定で、景気の変動に影響を受けやすいことも特徴です。<h3 id="ha0a40b2803">飲食業でわかる安全余裕率</h3>それでは実際の企業事例を見ていきましょう。 今回は飲食業の事例です。 下記の2社のうち、安全余裕率が高い傾向にある会社はどちらでしょうか？<ul><li>コメダホールディングス（カフェを運営）</li><li>サイゼリヤ（イタリアンレストランを運営）</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/67144712a4e84d4a8a80f1311fa42c5c/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(14).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：問題">

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"> それでは、実際の両者の決算数値を元に安全余裕率の高低を推測していきます。 コロナ禍では、飲食業は大きな打撃を受けました。 両者も例外ではなく、コロナ禍の2020年5月決算においては、いずれも15～20％の売上減少となっています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/76659266a83e47d89881cfa7562666ac/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(15).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="会計クイズ：解説"> 両者共に大きな売上高の減少となっていますが、営業利益の金額には大きな差が存在します。<h3 id="h7e7338407b">コメダホールディングスの安全余裕率</h3>売上高が20％減少したにもかかわらず、コメダホールディングスは黒字を維持し続けています。 これは、自社で固定費を持たないビジネスモデルを採用していることから、損益分岐点が低く、結果として安全余裕率が高くなりやすいビジネスだからです。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6a57d3db10b24bf49b2d5004f4e02abf/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(16).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="コメダホールディングスの安全余裕率"><h3 id="hbd02c751e4">サイゼリヤの安全余裕率</h3>一方、コメダホールディングスよりも売上の減少幅の少ないサイゼリヤは、赤字に転落してしまいます。 この理由は、直営店を多く保有しているため、固定費の比率が高いからです。 従って、安全余裕率が低い傾向にあります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/cd6a904373ee42b08855e61b71d8693e/%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BD%99%E8%A3%95%E7%8E%87%20(17).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="サイゼリヤの安全余裕率"><h2 id="h7fef5d1971">安全余裕率のまとめ</h2>このように、安全余裕率を知ることで、どの程度まで売上減少に耐えられるかを知ることが可能となります。 この解説記事では、簿記学習者やビジネスパーソン向けに安全余裕率の重要性や計算方法を詳しく解説しました。 ぜひ、この記事を参考に、簿記知識を深め、ビジネスの成功に役立ててください。<h3 id="he2593a7855">実際に手を動かしてみよう</h3>簿記の学習アプリ「Funda簿記」を利用されている方は、ぜひ、練習問題に挑戦してみてください。 今回の事例をベースをした計算問題を、アプリが自動生成し出題しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/41c317a5afd746b1885032ce5e0d4d51/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(23).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="練習問題に挑戦してみよう"> 化粧品ECの事例はもちろん、ホテルやWEBサービスなど様々な計算問題を用意しています。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/95bf4219ccf749e284d6b92e461b1f24/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(24).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="Funda簿記の練習問題の解き方"> Funda簿記ユーザー以外の方でも、LINEアプリにて練習問題に挑戦することができます。 下記の公式LINEから、ぜひ実践演習に挑戦してみてください。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=pxL8Ce&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a4d41f9549ec4468a8a01f29c3bbb188/%E4%BB%95%E8%A8%B3%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%8C%E8%A7%A3%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINE"></a>

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/428de203b4504069ad0b1f61e3ac6c51/%E6%90%8D%E7%9B%8A%E5%88%86%E5%B2%90%E7%82%B9.png?w=1080&amp;h=1080" alt="CVP分析を図解で解説"><h2 id="h3b87f28350">損益分岐点とは？</h2>損益分岐点とは、利益がゼロになる売上のポイントです。 売上高から総費用を引いた金額が、ちょうどゼロとなる売上高や販売数量を指します。 損益分岐点を把握することで、どれくらいの売上があれば利益を出せるかを知ることができ、適切な経営判断の基礎となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/452bfd70e4d94ba78e8d2de2df99c466/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(5).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点とは"> さっそくですが、上記の内容を踏まえて簡単なクイズです。 あなたは「おにぎり屋」の店舗マネージャーで、店舗の売上向上のために広告宣伝費を検討しています。 以下の条件が与えられた場合、広告宣伝を行うかどうか判断しましょう。<ul><li>現在の販売数量：2,000個</li><li>広告を実施すると販売量が600個増加すると予想される</li><li>広告宣伝費：100,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/39e7015ec6e5479a84c1842f9bce3e0f/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(7).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析の問題"> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"> それでは解説です。 この状況において、広告を使わない場合と使う場合のそれぞれの利益を計算して比較します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/93dab5b9e5014c36aa586123dfb882e1/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="問題の解説"> 計算の結果は次のようになります。<ul><li>広告なしの場合：営業利益 30,000円</li><li>広告ありの場合：営業利益 20,000円</li></ul>この結果から、広告を使った場合には売上高は増加しますが、最終的な利益は減ってしまうことがわかります。 したがって、現状の条件では広告宣伝は行わない方が適切であると判断できます。 このように、売上向上のための広告宣伝費の検討は、利益をしっかりと計算し比較することで、適切な経営判断が可能になります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/91a0f7b2882145e298382309f8080ffd/%E2%91%A0%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9%20(11).png?w=1080&amp;h=1080" alt="これは数字を見ないとわかりませんね"> それでは、ここからが本題です。 仮に、上記と同様の条件の効果が期待できる場合、広告宣伝費がいくらだったら広告を行うという判断を下しますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/360320f4d4934e0cb8efd438dab3af70/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(9).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析の問題"> <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/98887cd87537451abf7f19757d4e35be/%E2%91%A0%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9%E2%91%A1%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="これだけでは1mmもわかりませんよ"> 最初は全くわからなくても問題ありません。この記事が読み終わる頃には、どのように判断を行えばよいのか、判断の基準が身に付いているはずです。 この記事では、マネージャーやマーケターの方が使いこなせなければならない会計・簿記の知識として「損益分岐点」を解説します。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>

それでは、まずは損益分岐点を理解する上で必要な基本的な利益とコスト項目を解説します。 また、「CVP分析の基礎」について学びたい方は、下記の記事もおすすめです。

<h3 id="h5017d944c2">損益分岐点の計算方法</h3>損益分岐点とは、利益と損失がゼロになる売上高の地点です。損益分岐点を計算するためには以下の構成要素を把握する必要があります。<ul><li>変動費</li><li>貢献利益（限界利益）</li><li>固定費</li></ul>これらの要素を用いて、損益分岐点を計算することができます。１つずつ解説します。<h4 id="hd7568794fa">変動費</h4>変動費とは、売上に応じて変わる費用です。例えば、原材料費や運送費などがあります。変動費は、商品やサービスを1つ提供するためにかかる費用で、売上が増えると増える分だけ費用がかかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b6e28fc6c00148928a829497142e662f/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="変動費とは"><h4 id="h135ae030a0">貢献利益（限界利益）</h4>貢献利益とは、1つの商品やサービスを販売したときに得られる利益のことです。貢献利益を把握することで、商品やサービスの収益性を評価できます。これにより、企業はどの商品やサービスに力を入れるべきか、判断しやすくなります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6d6173f92a1b4dc1bff092aaaf7b0e50/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="貢献利益とは"><h4 id="hc40cf46dec">固定費</h4>固定費とは、売上に関係なく一定の金額がかかる費用です。例えば、家賃や給与などがあります。固定費は、売上が増えても減っても変わらない費用です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/95f7eec4b5a54fd1973263aa3fcd7805/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="固定費とは"><h3 id="hbbb6ca8a9e">損益分岐点の目的</h3>損益分岐点を把握する目的は、事業が利益を出すために必要な売上を明確にし、適切な経営判断を行う基盤を作ることです。 事業マネージャーやマーケティング担当者の方は、自社のビジネスの損益分岐点を把握し、これらの目的に沿った経営判断を行うことで、企業の競争力を高めることができます。 損益分岐点を把握することで、具体的には以下のような利点があります。<ul><li>目標設定</li><li>戦略立案</li><li>リスク管理</li></ul><h4 id="h532cb4e682">目標設定</h4>損益分岐点を計算することで、売上目標や利益目標を明確に設定し、組織全体で共有することができます。<h4 id="h8bd9326a5d">戦略立案</h4>適切な販売促進策や価格設定、コスト削減施策を立案し、利益を最大化する方向に経営資源を集中させることができます。<h4 id="h2468a80b20">リスク管理</h4>市場の変化や競合他社との競争が激化した場合に、損益分岐点を下回らないようにリスクを予測し、適切な対策を立てることができます。<h2 id="hb13d164f56">損益分岐点図表の作成手順</h2>損益分岐点を計算する際には、損益分岐点図表を作成することが望ましいです。 損益分岐点図表とは、企業の損益状況を視覚的に分かりやすく示すグラフです。 このグラフでは、横軸に売上量を、縦軸に収益・費用を表すラインを描画します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8caa73459ea942fda4215da7563acb0c/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(6).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点図表の作成手順"> ここでは、おにぎり屋を事例にして、損益分岐点図表の作成方法を説明します。<h3 id="hb05258c9e8">手順⓪基礎データの整理</h3>まずはじめに、基礎データの整理が必要です。損益分岐点図表の作成には以下のデータが必要です。<ul><li>販売単価</li><li>変動費</li><li>貢献利益</li><li>固定費</li></ul>おにぎり屋を事例にあげると、下記のようなデータの整理となります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/5fa03aa996244058a97ec44c42ea819f/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(10).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点図表の作成手順"><h3 id="h2b83a47add">手順①固定費線</h3>データを元に、損益分岐点図表を作成していきます。 まずは、固定費線をプロットします。 固定費は売上量に関係なく一定の金額がかかるため、縦軸での固定費額に相当する水平線が固定費線です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f96583497a0c4ea88ee73875a2b6a961/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="損益分岐点図表の作成手順"><h3 id="h5846206adb">手順②変動費線</h3>次は変動費線をプロットします。 変動費は売上量に応じて増加するため、原点から右上がりの斜め線が変動費線です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d12d83b22d004ded90900f1cf922d357/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="損益分岐点図表の作成手順"><h3 id="hde389b6f47">手順③総費用線の把握</h3>固定費線と変動費線の合計を総費用線といいます。 総費用線は、発生する費用の総額を意味します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b2b1f7769a77423b98bd0e0e624c5ca4/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(13).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点図表の作成手順"><h3 id="h344aa9ed47">手順④売上高線</h3>費用の情報をプロットしたら、次は収益の情報です。 販売単価を元に売上高線をプロットします。 売上高は販売量に応じて増加するため、原点から右上がりの斜め線が売上高線です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/11a531c3ad8f4b1ab62f3bb0cbf412a2/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="損益分岐点図表の作成手順"><h3 id="hbd56e7e975">手順⑤損益分岐図表の完成</h3>ここまでの内容で、損益分岐点を把握することができます。 損益分岐点は、変動費線と売上高線が交差する点です。 この点を基準に、売上量が増えると利益が出始め、減ると損失が発生します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1e51b2a83117479c915894563500f49c/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="損益分岐点図表の作成手順"><h3 id="h5b97f7c907">損益分岐点の計算</h3>それでは、上記のおにぎり屋の損益分岐点を計算しましょう。 損益分岐点は、固定費と変動費の合計である総費用の金額と売上高が一致する点です。 これに基づいて計算を進めると、以下のような結果が得られます。<ul><li>損益分岐点売上高：360,000円</li><li>損益分岐点販売量：1,800個</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4835a3e3e7a347729dcb9af192bf47b5/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(17).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="損益分岐点の計算"><h2 id="h11dabb0370">損益分岐点の事例：広告宣伝費の判断</h2>それでは、改めて冒頭のクイズを確認してみましょう。 もし、あなたが「おにぎり屋」の事業マネージャーの場合、いくらを下回れば広告宣伝を行いますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/360320f4d4934e0cb8efd438dab3af70/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(9).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析②：確認問題">

<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png?w=1080&amp;h=1080" alt="一緒に考えてみよう"><h3 id="h094de8a595">広告の損益分岐点売上高</h3>それでは、広告宣伝費を使った場合の損益分岐点を計算しましょう。 まず、広告を利用することで得られる貢献利益の増分を計算します。<ul><li>追加販売数量：600個</li><li>貢献利益：150円（売上200円-変動費50円）</li><li>貢献利益の総額：90,000円（600個×150円）</li></ul>ここで計算された貢献利益の総額は、広告宣伝費を使って増える売上から変動費を引いた金額です。 この結果をもとに、広告宣伝費を使った場合の損益分岐点を求めることができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b4f4aaf7cc04434893f4fd9aea0fe06f/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(21).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析の問題：解説"> 以上の結果を踏まえて、損益分岐点売上高は90,000円となります。 このことから、広告宣伝費が90,000円を下回る場合には利益が発生することが分かります。 一方、広告宣伝費が90,000円を上回る場合には、損失が発生するということが明らかになります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/22e969511586473eaa5f1edd390caf7e/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(22).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析の問題：解説"><h3 id="haba192d821">全体の損益分岐点売上高</h3>上記の内容を考慮し、広告宣伝費を90,000円で行うケースを損益分岐点図表に反映してみましょう。 広告宣伝費は固定費に該当するので、固定費線に広告宣伝費の金額分を加算します。 固定費が増加することにより、損益分岐点も上昇します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9cdef8d16e2841adaa9bd293257389a7/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(18).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析の問題：解説"> 広告を行わないケースでの損益分岐点販売量は1,800個でしたが、広告を行うケースでは、損益分岐点販売量が2,400個まで増加することが確認できます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/193cd552cbb741188cad19c9a41451a9/CVP_%E5%BA%83%E5%91%8A%20(19).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="CVP分析の問題：解説"><h2 id="hfc59d47f6c">損益分岐点の分析力を身に付けるには？</h2>損益分岐点は、企業の収益性やコスト構造を理解し、適切な経営判断を行うための重要なツールです。本記事では、事業マネージャーや、マーケティング担当者向けに初心者でもわかる損益分岐点分析の概要や計算方法、固定費・変動費の分解、限界利益の把握、損益分岐点の計算について分かりやすく解説しています。 これらの知識を習得することで、実際のビジネスシーンでも役立つスキルを身につけられます。<h3 id="he2593a7855">実際に手を動かしてみよう</h3>損益分岐点分析をはじめとした、実践的な会計思考を身に付けたい方は、簿記学習アプリ「<a style="color:#0186ab" href="http://bit.ly/3Zt5HJz" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Funda簿記</a>」がお勧めです。 様々なパターンの実践演習が解けるのみならず、データ整理の手法なども基礎からしっかり学ぶことができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/340f98dcf4f1489aa02d007be61d649c/FtgMRvOaAAE7igJ.png?w=774&amp;h=930" alt="CVP分析の実践的な問題"> まずは公式LINEより、実践演習に挑戦してみてください。 LINEアプリにて、上記のような分析トレーニングを行うことができます。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=pxL8Ce&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a4d41f9549ec4468a8a01f29c3bbb188/%E4%BB%95%E8%A8%B3%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%8C%E8%A7%A3%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINE"></a>

<h2 id="h08cef01631">CVP分析とは？</h2>CVP分析とは、どれくらいの売上があれば利益を出せるかを調べる分析手法です。短期の利益計画を策定する際に用いられます。 CVPは「費用（Cost）- 収益（Volume）- 利益（Profit）」の頭文字を取ったものです。CVP分析を使って、企業は売上や費用と利益の関係を理解し、より良い経営判断を行うことができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/06bcaf6108284afbadc0e103ce84d4d0/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="CVP分析とは"> これだけでは、イメージが付かないと思うので、早速簡単な経営のケーススタディを見ていきましょう。 あなたには、おにぎり屋を運営している友人がいます。 「経営に関するアドバイスをしてほしい…。何個売れば黒字になるのかもわからない」と相談されました。 あなたは何と答えますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a08f79a069284343b0b7230d0d982315/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="CVP分析：問題"> 最初は全くわからなくても問題ありません。この記事が読み終わる頃には、考え方が身に付いているはずです。 この記事では、マーケターの方が使いこなせなければならない会計・簿記の知識として「CVP分析」を解説します。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=YrLrVH&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fa4b74bf2b534ca49013f21217d747f4/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8C%E3%82%82%E3%82%89%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINEに登録しよう"></a><h5 id="hf1743a6c10">_ARTICLE_TOC_</h5>なお、原価計算を基礎からしっかり学びたい方は、まずは先に下記のトレーニングから始めてみてください。

<h3 id="he7c2278186">CVP分析の目的</h3>CVP分析の目的は、目標利益を達成するための戦略を立てることです。 そのためには、まずCVP分析を使い損益分岐点を特定する必要があります。損益分岐点とは、利益がゼロになる売上のポイントです。これを求めることで、企業がどれくらいの売上があれば利益を出せるかを知ることができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/74315b4af51845d182b31c234330affc/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="CVP分析の目的"><h3 id="h9603211b1e">CVP分析に必要な情報</h3>CVP分析を行うためには、コストデータと販売データが必要となります。 これらの情報を元に、CVP分析を行うことで、どれくらいの売上があれば利益が出せるか（損益分岐点）や、目標利益を達成するためにどのような戦略が必要かを把握することができます。 ここからは、CVP分析に必要となるデータについてを、１つずつ説明していいきます。<h4 id="hd7568794fa">変動費</h4>変動費とは、売上に応じて変わる費用です。例えば、原材料費や運送費などがあります。変動費は、商品やサービスを1つ提供するためにかかる費用で、売上が増えると増える分だけ費用がかかります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b6e28fc6c00148928a829497142e662f/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="変動費とは"><h4 id="hc40cf46dec">固定費</h4>固定費とは、売上に関係なく一定の金額がかかる費用です。例えば、家賃や給与などがあります。固定費は、売上が増えても減っても変わらない費用です。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/95f7eec4b5a54fd1973263aa3fcd7805/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="固定費とは"><h4 id="h235df77ce9">販売価格</h4>商品やサービスを売るときの価格です。企業がどれくらいの価格で商品やサービスを販売しているかを把握することが重要です。<h4 id="h68e63306ba">販売量</h4>企業がどれくらいの量の商品やサービスを販売しているかです。売上量は、利益を計算する際に必要な情報です。<h2 id="hac499a0bab">CVP分析の流れは？</h2>以下のステップを踏むことで、CVP分析を使って企業の利益を最大化する方法を見つけることができます。<h3 id="h0d69bf7f1e">ステップ1: 固定費と変動費を整理</h3>まず、企業の費用を「固定費」と「変動費」に分けます。 固定費と変動費を分けることで、企業の費用構造がどのようになっているかを把握できます。 販売数量に応じて発生する費用を正確に特定することができ、その結果、利益を正確に計算することができます。これは、企業の経営判断において重要な情報になります。<h3 id="h9b054aaf20">ステップ2: 貢献利益（限界利益）を把握する</h3>商品の価格データと変動費を元に、貢献利益を把握します。 貢献利益とは、1つの商品やサービスを販売したときに得られる利益のことです。貢献利益を把握することで、商品やサービスの収益性を評価できます。これにより、企業はどの商品やサービスに力を入れるべきか、判断しやすくなります。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6d6173f92a1b4dc1bff092aaaf7b0e50/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="貢献利益とは"> 貢献利益は、限界利益と表現されることもありますが、いずれも同様の意味と捉えて問題ありません。<h3 id="h643d171859">ステップ3: 損益分岐点売上高を求める</h3>損益分岐点とは、利益がゼロになる売上のポイントです。言い換えると、変動費と固定費を合わせた総費用の金額と、売上高が一致する地点を表します。 損益分岐点売上高を求めるためには、固定費を貢献利益の比率で割ります。これにより、利益がゼロになる売上高を計算できます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/77c85745e3b642809c1de8e504094748/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="損益分岐点とは"><h3 id="hc13d65e435">ステップ4: 目標利益を達成するための売上を計算する</h3>目標利益を達成するために必要な売上を計算することで、企業は販売戦略を立てることができます。 <h2 id="hda3a79628f">CVP分析の事例は？</h2>さて、CVP分析の基礎を解説したところで、改めて冒頭のケーススタディに戻ります。 あなたには、おにぎり屋を運営している友人がいます。「経営に関するアドバイスをしてほしい…。何個売れば黒字になるのかもわからない」と相談されました。 おにぎり屋の経営データは下記となります。<h4 id="h4c9941fad0">販売データ</h4><ul><li>単価：おにぎり1個 200円</li><li>販売量：1か月1,500個</li></ul><h4 id="hd7568794fa">変動費</h4><ul><li>材料費: 1個あたり40円</li><li>包装材費用: 1個あたり5円</li><li>消耗品費用（おしぼり、箸など）: 1個あたり5円</li></ul><h4 id="hc40cf46dec">固定費</h4><ul><li>家賃: 月額100,000円</li><li>人件費: 月額130,000円 (オーナー自身の労働やスタッフの給与)</li><li>水道光熱費: 月額20,000円</li><li>会計事務所費用: 月額10,000円</li><li>その他経費: 月額10,000円 (オフィス消耗品、通信費、電話代など)</li></ul>あなたはなんと答えますか？ <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a08f79a069284343b0b7230d0d982315/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="CVP分析の確認問題">

それでは、販売戦略を考えるためのデータ整理を行っていきましょう。<h3 id="h94254c89c9">固定費と変動費の整理</h3>まずは、販売データとコスト構造の整理を行います。上記のデータを整理すると下記のようになります。<ul><li>単価：200円</li><li>変動費：50円</li><li>固定費：270,000円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2b30989a3db746d8812ca4ee33fb6181/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="確認問題の解説"><h3 id="h692230fb50">貢献利益の計算</h3>次は、上記のデータを元に、貢献利益を計算します。貢献利益は、1単位の商品を売ることで得られる利益です。単価から変動費を引いて計算します。<ul><li>貢献利益 = 単価 - 変動費合計</li><li>貢献利益 = 200円 - (40円 + 5円 + 5円) = 150円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/43aa082600c54e7b9bf4bbbba1ede3e2/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="確認問題の解説"><h3 id="he3b99a6f29">損益分岐点販売量の計算</h3>貢献利益がわかったら、次は損益分岐点販売量を計算します。損益分岐点販売量とは、総費用（変動費と固定費）と売上高がちょうど釣り合って利益がゼロになる販売量のことを指します。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2f17b0c883cd4c5d947e39c1b6cc02e7/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="確認問題の解説"> ここまでデータを整理すると、何個販売すれば赤字にならないかを簡単に計算することが可能です。<ul><li>損益分岐点 = 固定費合計 ÷ 貢献利益</li><li>1,800個 = 270,000円 ÷ 150円</li></ul><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/00b965e4d8214b2e93afc7c2abe770ff/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="確認問題の解説"><h3 id="hd78005059c">経営戦略の立案</h3>以上の計算から、赤字を回避するためには、最低1,800個のおにぎりを販売する必要があることがわかります。<ul><li>現在の販売量：1,500個</li><li>損益分岐点販売量：1,800個</li><li>追加で販売すべき量：300個</li></ul>ここまでデータを揃えることで、具体的な経営戦略を考えるために必要な土台が整います。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/715203f36421454fa1d2a8303607c974/image.png?w=1920&amp;h=1080" alt="確認問題の解説"><h2 id="h93b1155cfa">CVP分析を身に付けるには？</h2>CVP分析は、企業の収益性やコスト構造を理解し、適切な経営判断を行うための重要なツールです。本記事では、マーケティング担当者向けに初心者でもわかるCVP分析の概要や計算方法、固定費・変動費の分解、限界利益の把握、損益分岐点の求め方、目標利益を達成するための売上高の計算について分かりやすく解説しています。 これらの知識を習得することで、ビジネスシーンで正確な判断を行うための情報整理が可能となります。<h3 id="h08c6e66882">類似問題にも挑戦してみよう</h3>今回のようなビジネス事例を通じて、分析力を高めたい方は、下記の問題にも挑戦してみてください。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/78c1594b197340ab8217e0ba6d2b6104/%E7%9B%B4%E6%8E%A5%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="直接原価計算の問題"> 正解と解説はこちらの記事をご確認ください。

<h3 id="he2593a7855">実際に手を動かしてみよう</h3>CVP分析をはじめとした、実践的な会計思考を身に付けたい方は、簿記学習アプリ「<a style="color:#0186ab" href="http://bit.ly/3Zt5HJz" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Funda簿記</a>」がお勧めです。 下記のような、様々なパターンのCVP分析の計算事例が解けるのみならず、データ整理の手法なども基礎からしっかり学ぶことができます。 <img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/340f98dcf4f1489aa02d007be61d649c/FtgMRvOaAAE7igJ.png?w=774&amp;h=930" alt="CVP分析の実践的な問題"> まずは公式LINEより、実践演習に挑戦してみてください。 LINEアプリにて、上記のような分析トレーニングを行うことができます。 <a href="https://liff.line.me/1657040309-9L7adOKE/landing?follow=%40886dfkbv&amp;lp=pxL8Ce&amp;liff_id=1657040309-9L7adOKE"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a4d41f9549ec4468a8a01f29c3bbb188/%E4%BB%95%E8%A8%B3%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%8C%E8%A7%A3%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81_LINE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC.png?w=1920&amp;h=647" alt="Funda簿記の公式LINE"></a>