twitterfacebookline
copy
基礎知識

2023/05/24

借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説

借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_サムネイル画像

皆さんは、借金(借入金)は悪いものだと思いますか?
日常生活で「借金」という単語を耳にすると、お金を返さなければいけないイメージが強く、ネガティブな印象を持つ方も少なくないはずです。

しかし、ビジネスの世界では、どの企業も当たり前のように借金をしています。
この記事では、簿記学習者はもちろん、ビジネスシーンでも使える借入金の意味や取引事例についてをわかりやすく解説します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

目次

  • 簿記の勘定科目:借入金とは?
  • ビジネスに馴染みのない方向けの借入金の事例
  • 借入金の取引で登場する支払利息
  • 借入金の確認問題
  • 正解発表
  • 借入金の取引の全体像は?
  • 資金の借り入れ時
  • 資金の返済時
  • 簿記の仕訳事例:借入金
  • 資金を借り入れた時の仕訳事例
  • 借入金を返済した時の仕訳事例
  • 借入金の仕訳問題に挑戦
  • 借入金:帳簿上の動き
  • 借入金の勘定科目:まとめ

借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

簿記の勘定科目:借入金とは?

借入金(かりいれきん)とは、他人や他社からお金を借りた際に発生する勘定科目です。
例えば、銀行からお金を借りている場合や、仕入れた商品代金を支払うために仕入先からお金を借りた場合などが該当します。
借入金は、企業にとって負債となります。つまり、企業が返済しなければならないお金を意味します。

会計上では、借入金は貸借対照表の負債の項目に記載されます。
また、返済期限が1年以内の場合は短期借入金(流動負債)となり、1年以上の場合は長期借入金(固定負債)として分類されます。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

ビジネスに馴染みのない方向けの借入金の事例

ビジネスに馴染みのない学生でも理解しやすい借入金の事例を紹介します。
例えば、学校でおこなう文化祭にて、クラスでお化け屋敷の出し物を用意するシーンを思い浮かべてください。

お化け屋敷の準備をするための装飾に3,000円の支出が必要となりました。
クラスの皆さんが1人当たり100円を出し合い、装飾を購入するための代金を集めたとします。しかし、クラスは20人しかおらず2,000円しか集まりませんでした。
そこで、クラス委員長が学校の先生から1,000円を借りました。この場合、クラス委員長が借入金を抱えている状態になります。

そして、後日、お化け屋敷の入場料でお金を回収し、クラス委員長は1,000円を学校の先生に返済します。
このように、借入金は、必要な資金を調達するために使われることがあります

借入金の取引で登場する支払利息

ビジネスの世界では、外部からお金を借りた際には通常利息が発生します。
利息とは、企業が借り入れたお金を返済する際に、支払わなければならない見返りのことを指します。
利息は、借りたお金の額や借り入れ期間、利率などによって決まります。

例えば、銀行から10万円を借りて、1年後に返済する場合を考えます。
利率が10%だったとすると、1年間の利息は10,000円になります。
つまり、10万円に10%の利率をかけた1万円が、1年間に支払われる利息の額になります。

簿記の世界では、利息が発生する際には、費用として支払利息の勘定が使われます。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入金の確認問題

それでは、ここまでの内容を踏まえて、借入金に関する問題です。
借入金の特徴として当てはまらないものを選びなさい。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

タップで回答を見ることができます

1

短期・長期の借入金が存在する

2

返済に伴い利息が発生する

3

企業の自己資本に含まれる

4

負債の一部として計上される

借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像



正解発表

正解は、③企業の自己資本に含まれるです。
借入金は、企業が他者から調達した資金であり、負債に分類されます。自己資本は、企業の株主が出資した資金や利益剰余金などで構成されています。したがって、借入金は企業の自己資本には含まれません。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入金の取引の全体像は?

借入金を用いた取引の流れを簡単に紹介します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

資金の借り入れ時

まず、資金を借り入れた際は、お金が増加します。
それと同時に、将来お金を返済する義務として、借入金が増加します。

資金の返済時

その後、返済期限となり、支払利息と併せてお金を返します。
結果として、お金が減少するとともに、借入金の金額が減少します。

簿記の仕訳事例:借入金

簿記の取引事例を通じて、借入金の使い方を解説します。

資金を借り入れた時の仕訳事例

「当社は、取引先から現金を1,000円借り入れた。」という取引の事例を使い、資金を借り入れた時の仕訳の流れを順に説明します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入時:現金の増加

取引先から現金1,000円を借り入れたため、現金が増加します。
そのため、借方(左側)に現金(資産)1,000円を記入します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入時:借入金の増加

取引先から現金を借り入れたため、借入金が増加します。
したがって、貸方(右側)に借入金(負債)1,000円を記入します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入金を返済した時の仕訳事例

「返済期限が来たため借入金1,000円を現金で返済する。また、借入金に対して支払利息が100円発生したため、現金で支払った。」という取引の事例を使い、借入金を返済した時の仕訳の流れを順に説明します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

返済時:現金の減少

借り入れた資金と利息を合わせた1,100円を現金で支払ったため、現金が減少します。
そのため、貸方(右側)に現金(資産)1,100円を記入します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

返済時:借入金の減少と支払利息の発生

借入金の返済とともに、借り入れたお金を返済する義務が消滅します
そのため、借方(左側)に借入金(負債)1,000円を記入します。
また、元本の返済時に際して、支払利息が発生します。
この場合、借方(左側)に支払利息(費用)100円を記入します。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入金の仕訳問題に挑戦

ここまでの内容で、借入金の仕訳の流れを理解していただけたかと思います。
早速、下記のLINEアプリから練習問題に挑戦してみてください。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入金:帳簿上の動き

最後に、借入金の帳簿上での動きを解説します。
帳簿上の動きは、簿記を理解する際に、非常に重要となるため、必ず押さえておきましょう。

資金の借り入れ時

借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

資金の返済時

借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

借入金の勘定科目:まとめ

今回は簿記3級に登場する「借入金」という勘定科目の意味を解説しました。
簿記で使う借入金は、お金を借り入れた際に使用されます
また、借入金には支払利息が発生することが多いのでセットで覚えておく必要があります。
試験問題でも登場する可能性の高い勘定科目であるため、しっかり理解しておきましょう!

少しでも会計や決算書に興味を持った方は、下記の公式LINEも覗いてみてください。
初学者向けに、基礎から解説する情報を発信しています。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像
また、基礎からしっかり学びたい方は、ぜひ学習アプリ「Funda簿記」をご覧ください。
アプリ内で決算書の構成や作り方を学ぶことができます。
借入金とは?簿記の勘定科目を仕訳事例を通じてわかりやすく解説_記事内画像

この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

Funda社運営

大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

あわせて読みたい記事

合格体験記|簿記アプリを活用した効率的な勉強方法を紹介!合格体験記|初学者から一気に簿記3級と簿記2級に連続合格!合格体験記|1度も模試を受けずに簿記2級に短期合格!

\ 仕訳問題が無料で解ける! /

公式LINEに登録する法人向けの導入資料はコチラから