仕訳帳とは?
仕訳帳(しわけちょう)とは、仕訳を記録するための帳簿です。
日々の取引は、まず仕訳帳に記入されます。これにより、取引の記帳漏れがないか確認することができます。
そもそも仕訳とはなにか分からない方もいると思います。
そのため、この記事では簿記初心者向けに仕訳の基本から仕訳帳の書き方までを、事例を用いてわかりやすく解説していきます。
目次
- 仕訳帳とは?
- 仕訳とは簿記の言語
- 帳簿の取引記録の全体図
- 仕訳帳は主要簿の1つ
- 仕訳帳と総勘定元帳の違いは?
- 総勘定元帳とは
- 利用する目的が異なる
- 仕訳帳の書き方は?
- 仕訳帳の記入例
- 事例を用いて簡単な書き方を解説
- 仕訳帳の確認問題
- 仕訳帳のまとめ
なお、簿記を基礎からしっかり学びたい方は、まずは先に下記のトレーニングから始めてみてください。
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仕訳とは簿記の言語
仕訳(しわけ)とは、ビジネスの結果を決算書で報告するために、日々の取引を記録する方法のことです。
仕訳を理解できるようになると、仕訳を見るだけで、取引内容が分かるようになります。そのためには、まず勘定科目と借方・貸方を理解することが必要になります。
勘定科目
勘定科目(かんじょうかもく)とは、企業の取引によるお金の流れをわかりやすく記録するための名称のことをいいます。
たとえば、備品を現金で購入した場合は、「備品」や「現金」などの勘定科目が登場します。
勘定科目は以下の5つのグループに分類されます。
- 資産…会社が保有する財産
- 負債…将来返済する必要がある借金
- 純資産…返済義務のない株主の財産
- 収益…商品の販売などを通じて得た会社の売上
- 費用…収益を上げるために要した経費
先ほど挙げた備品や現金は会社が保有する財産であるため、資産の勘定科目となります。
借方と貸方の仕組み
取引を仕訳にする際は、原因と結果に分解し、借方(左側)と貸方(右側)に分けて、勘定科目と金額を記入します。
これによって、仕訳を見ただけで取引内容が明確になります。
仕訳の記入方法についてはこちら
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帳簿の取引記録の全体図
日々の取引は、帳簿に記録されます。帳簿は、大きく主要簿と補助簿に分類されます。
帳簿組織全体の中での位置づけとして、仕訳帳は主要簿に該当します。
補助簿について詳しく学びたい方は、下記の記事をご覧ください。
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仕訳帳は主要簿の1つ
仕訳帳は主要簿の1つに分類されます。
主要簿(しゅようぼ)とは、決算書を作成するために、日々の取引を記録する会計帳簿のことです。主要簿は必ず作成しなければならない帳簿で、簿記上で認識されるすべての取引が記録されます。
主要簿の構成
主要簿は「仕訳帳」と「総勘定元帳」の2種類で構成されています。
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
主要簿については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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新卒くん
仕訳帳と総勘定元帳ってなにが違うんですか?
仕訳帳と総勘定元帳の違いは?
仕訳帳と総勘定元帳は、主要簿という共通点がありますが、それぞれの役割が異なります。
まずは、主要簿を構成する仕訳帳と総勘定元帳の違いについて解説していきます。
総勘定元帳とは
総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)とは、勘定科目別に取引が記入されている帳簿です。仕訳帳の内容を転記して作成します。
総勘定元帳を見ることで、各勘定科目がどのような原因で増減したかを知ることができます。
利用する目的が異なる
仕訳帳は日々の取引を仕訳にして記録する帳簿に対して、総勘定元帳は勘定科目ごとに取引を記録する帳簿という違いがあります。
そのため、総勘定元帳を見れば各々の勘定科目の動きがすべて分かるため、勘定科目ごとの残高を容易に把握することが可能となります。
総勘定元帳の記入方法については、こちらの記事を参考にしてください。
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仕訳帳の書き方は?
取引が発生したタイミングで、日付欄、摘要欄、元丁欄、貸方・借方欄の4つの欄に、取引の内容を記入していきます。
ここからは、仕訳帳の記入方法を事例を用いて解説します。
仕訳帳の記入例
仕訳帳は以下の4つの項目で成り立っています。
- ①日付欄…取引日を記入します。
- ②摘要欄…勘定科目を記入します。その下に取引の要約も記入します。
- ③元丁欄…総勘定元帳の何ページ目に転記したのかを記入します。
- ④金額欄…取引の金額を借方と貸方に分けて記入します。
新卒くん
これだけではいまいち分かりません…
イメージしやすいように事例で解説してください!
事例を用いて簡単な書き方を解説
それでは、ここから下記の取引事例をもとに仕訳帳の記入手順について解説していきます。
令和3年3月1日 売掛金1,000円をA社より現金で受け取った。
令和3年3月11日 B株式会社より商品を300円仕入れ、現金で支払った。
まずは、取引内容を仕訳に変換します。
3月1日の取引では売掛金1,000円を現金で受け取ったため、売掛金が減少し現金が増加します。そのため、借方(左側)に現金(資産)1,000円を記入し、貸方(右側)に売掛金(資産)1,000円を記入します。
3月11日の取引では、商品300円を仕入れ代金は現金で支払っているため、仕入が発生し現金が減少します。したがって、借方(左側)に仕入(費用)300円を記入し、貸方(右側)に現金(資産)300円を記入します。
ステップ①日付の記入
取引を仕訳に変換したら、仕訳帳を左から順に記入していきます。まずは、取引の日時を記入します。通常は、日付欄の左に「取引月」を記入し、右に「取引日」を記入します。
ステップ②借方の記入
次に、摘要欄に取引内容を記入します。借方の場合は、提要欄の左寄りに書きます。また、金額欄の借方側に金額を記入します。
ステップ③貸方の記入
貸方の内容も借方と同様に、摘要欄に勘定科目、金額欄に金額を記入します。
ステップ④取引の要約の記入
最後に、摘要欄の下に取引の要約についてを記入します。この4つのステップで仕訳帳への記入が完了します。
3月11日の仕訳についても同様に記入していきます。
仕訳帳の内容を見て、どのような取引が行われているのかが分かれば十分です。
仕訳帳の確認問題
それでは、ここまでの内容を踏まえて、仕訳帳に関する問題です。
仕訳帳に記帳されている仕訳として正しいものを選びなさい。
タップで回答を見ることができます
借方:仕入 貸方:買掛金
借方:買掛金 貸方:仕入
正解は、選択肢①借方:仕入 貸方:買掛金です。
取引の要約から、B社より商品を掛けで仕入れたことが分かります。したがって、借方(左側)に仕入(費用)を記入し、貸方(右側)に買掛金(負債)を記入します。
仕訳帳のまとめ
今回は簿記3級に登場する「仕訳帳」の意味と書き方について解説しました。
仕訳を記録するための仕訳帳は、最終的に決算書を作成するために重要なものです。
仕訳帳の内容を見て、どのような取引が行われているのかを理解できるようになりましょう!
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