仕訳とは?
仕訳(しわけ)とは、ビジネスの結果を決算書で報告するために、日々の取引を記録する方法のことです。
仕訳を理解できるようになると、仕訳を見るだけで、取引内容がわかるようになります。
さらには決算書を見るだけで、どのようなビジネスを展開しているかをイメージできるようになります。
この記事では、簿記を学ぶ上で必須ともいえる仕訳の手順やルールについて詳しく解説していきます。
目次
- 仕訳とは?
- 仕訳の手順
- 手順①取引を「原因」と「結果」に分解
- 手順②取引の内容を表す名前を付ける
- 手順③借方と貸方にわけて金額を入力して記入
- 【問題】なぜ現金が増えたら借方に記入する?
- 【正解】
- 仕訳のルール:ホームポジションとは?
- ホームポジションと仕訳の関係性
- 仕訳でホームポジション側に記入
- 仕訳でホームポジションの逆側に記入
- ホームポジションを覚えよう
- 勘定科目のグループ
- 借方がホームポジション
- 貸方がホームポジション
- 仕訳のまとめ
仕訳の手順
それでは取引を仕訳に変換する手順を、取引事例を用いて解説します。
今回は「銀行から現金で100万円を借り入れる」という取引の事例を使い、仕訳に変換するステップを紹介します。
手順①取引を「原因」と「結果」に分解
今回の取引は「銀行から現金で100万円を借り入れる」です。
これを仕訳に変換するためには、まず大きく「原因」と「結果」の2つに分解します。
今回の取引の「原因」は「銀行から借り入れた」で、「結果」は「お金が増加した」です。
手順②取引の内容を表す名前を付ける
続いて、分解した各要素に名前をつけます。
原因側は「借入金」、結果側は「現金」です。
この「借入金」や「現金」を勘定科目と言います。
手順③借方と貸方にわけて金額を入力して記入
最後に、借方と貸方にわけて勘定科目と金額を入力して完成です。
(仕訳における左側のことを「借方」、右側のことを「貸方」と言います。)
以上の手順で、日々の取引を仕訳という形で記録していきます。
【問題】なぜ現金が増えたら借方に記入する?
上記の手順解説で、現金を仕訳の借方に記入しました。
なぜ左側に記入したかわかりますか?
タップで回答を見ることができます
現金は必ず借方に記入するため
現金のホームポジションが借方であるため
【正解】
正解は②現金のホームポジションが借方であるためです。
「ホームポジションって何?」と思われた方もいると思いますので、ホームポジションについて解説します。
仕訳のルール:ホームポジションとは?
仕訳をする上で欠かせない基本ルールに「ホームポジション」があります。
ホームポジションとは、各勘定科目のあるべき位置のことを指します。
「借方」と「貸方」の2つに分かれており、例えば現金のホームポジションは借方です。
ホームポジションはあるべき位置であるため、各勘定科目は原則として、常にホームポジションに残高があります。
ホームポジションと仕訳の関係性
仕訳において、勘定科目をホームポジションに記入するか、ホームポジションの逆側に記入するかで意味が変わります。
仕訳でホームポジション側に記入
仕訳でホームポジション側に記入すると、その各勘定科目の残高が増加します。
したがって、取引で勘定科目が増加したことを読み取った場合は、仕訳でホームポジション側に記入します。
例えば、ホームポジションが借方である現金が増加した場合は、仕訳で借方に記入します。
仕訳でホームポジションの逆側に記入
仕訳でホームポジションの逆側に記入すると、その各勘定科目の残高が減少します。
したがって、取引で勘定科目が減少したことを読み取った場合は、仕訳でホームポジションの逆側に記入します。
例えば、ホームポジションが借方である現金が減少した場合は、仕訳で貸方に記入します。
つまり、取引を仕訳に変換するときは
- ①なんの勘定科目が
- ②増加したのか、減少したのか
を読み取り、ホームポジションと照らし合わせることで判断します。
ホームポジションを覚えよう
仕訳ができるようになるためには、すべての勘定科目のホームポジションを覚えている必要があります。
「勘定科目は無数にあるので覚えられない。。。」と心配になるかもしれませんが、安心してください。
実は、ホームポジションは各勘定科目ごとに決まっているのではなく、各勘定科目が属するグループごとに決まっています。
そして、グループは大きく5つしかありません。
したがって、5つのグループが借方か貸方かを覚えるだけで大丈夫です。
勘定科目のグループ
勘定科目のグループは大きく5つあります。
貸借対照表の「資産」「負債」「純資産」と、損益計算書の「収益」「費用」です。
借方がホームポジション
5つのうち、借方がホームポジションであるのは、貸借対照表の「資産」と損益計算書の「費用」です。
貸方がホームポジション
5つのうち、貸方がホームポジションであるのは、貸借対照表の「負債」「純資産」と、損益計算書の「収益」です。
これら5つのグループのホームポジションを覚えて、取引を正しく仕訳に変換できるようになりましょう!
仕訳のまとめ
今回は簿記3級に登場する「仕訳」の手順やルールについて解説しました。
仕訳をする際はホームポジションを覚えることが大切です
簿記を学ぶ上で必須の知識であるため、しっかり理解しておきましょう!
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