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基礎知識

2023/05/08

固定資産を取得・売却した時は?簿記試験頻出の仕訳事例を徹底解説

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企業の日々の取引において、建物や土地のような固定資産を取得したり売却したりすることがあります
この記事では、固定資産を取得・売却した時の取引の流れや具体的な仕訳方法についてを簿記初心者向けに分かりやすく解説します。固定資産の仕訳方法を学び、簿記のスキルを向上させましょう。

目次

  • 論点:固定資産の取得とは?
  • 固定資産とは
  • 固定資産の取得原価について解説
  • 論点:固定資産の売却とは?
  • 固定資産を売却した時の取引で登場する勘定科目を解説
  • 固定資産の取得・売却の確認問題
  • 正解発表
  • 簿記の仕訳事例:固定資産の取得
  • 固定資産を取得した時の仕訳事例
  • 簿記の仕訳事例:固定資産の売却
  • 利益が発生するケース:固定資産を売却した時の仕訳事例
  • 損失が発生するケース:固定資産を売却した時の仕訳事例
  • 固定資産の取得・売却の仕訳問題に挑戦
  • 固定資産の取得・売却:帳簿上の動き
  • 固定資産の取得・売却:まとめ

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論点:固定資産の取得とは?

はじめに、固定資産の取得について解説します。
企業活動をする上で、建物や土地のような固定資産を取得することがあります
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固定資産とは

固定資産とは、長期にわたって所有し事業を行うために使用するもので、1年を超えて使用したり、投資目的で長期間保有したりするような資産です。

固定資産は大きく以下の3つに分類されます。

  • 有形固定資産
  • 無形固定資産
  • 投資その他の資産

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固定資産の取得原価について解説

固定資産を取得する際には、固定資産本体の金額のみならず、付随費用(仲介手数料や登記料、据付費などの固定資産を使用するまでに発生する様々な支出)が必要となります。
そのため、固定資産の取得原価は、本体の金額のみならず、この付随費用を加えた金額となります
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論点:固定資産の売却とは?

次に、固定資産の売却について解説します
取得した固定資産が不要になった場合、第三者に対して売却する場合があります
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固定資産の売却時の考え方はシンプルです。
売却時点で有している固定資産の帳簿価額よりも高い値段で売却する場合には利益が発生し、逆に低い値段で売却する場合には損失が発生します
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固定資産を売却した時の取引で登場する勘定科目を解説

固定資産を売却した時は、利益もしくは損失が発生します。
その際、下記の勘定科目を使用します。
固定資産の仕訳問題で頻出するため、使いこなせるようにしましょう。

  • 固定資産売却益
  • 固定資産売却損

固定資産売却益とは

固定資産売却益とは、固定資産売却額 > 帳簿価額 で固定資産を売却する際に、発生する勘定科目です。
利益が発生した際に使用するため、会計上では、収益の勘定科目となります。
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固定資産売却損とは

固定資産売却損とは、固定資産売却額 < 帳簿価額 で固定資産を売却する際に、発生する勘定科目です。
損失が発生した際に使用するため、会計上では、費用の勘定科目となります。
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固定資産の取得・売却の確認問題

それでは、ここまでの内容を踏まえて、固定資産の取得・売却に関する問題です。
固定資産の帳簿価額よりも売却額の方が高い場合どの勘定科目を用いるでしょう?
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タップで回答を見ることができます

1

固定資産売却損

2

固定資産売却益

3

減価償却費

4

減価償却累計額

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正解発表

正解は、②固定資産売却益です。
固定資産の帳簿価額よりも高い値段で売却する場合は、利益が発生するため、固定資産売却益で処理します。
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簿記の仕訳事例:固定資産の取得

簿記上の取引事例を通じて、固定資産取得時の仕訳方法について解説します。

固定資産を取得した時の仕訳事例

土地を1,500万円で購入した。同時に仲介手数料が100万円発生した。支払いはまとめて小切手を振り出して支払った。」という取引の事例を使い、固定資産を取得した時の仕訳の流れを順に説明します。
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固定資産の取得時:土地の増加

土地の購入とともに仲介手数料(付随費用)が発生したため、購入代金に付随費用を加えた土地の金額を計上します
そのため、借方(左側)に土地(資産)1,600万円を記入します。
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固定資産の取得時:当座預金の減少

支払いは小切手のため、当座預金が減少します。
したがって、貸方(右側)に当座預金(資産)1,600万円を記入します。
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簿記の仕訳事例:固定資産の売却

次に、簿記上の取引事例を通じて、固定資産売却時の仕訳方法について解説します。

利益が発生するケース:固定資産を売却した時の仕訳事例

帳簿価額1,600万円の土地を1,700万円で売却し、現金で受け取った。」という取引の事例を使い、固定資産を売却した時の仕訳の流れを順に説明します。
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固定資産売却時:土地の減少

土地を売却したため、土地が減少します。
そのため、貸方(右側)に土地(資産)1,600万円を記入します。
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固定資産売却時:現金の増加

固定資産の売却の対価として現金を受け取ったため、現金が増加します。
そのため、借方(左側)に現金(資産)1,700万円を記入します。
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固定資産売却時:固定資産売却益の発生

帳簿価額よりも売却額の方が大きいため、固定資産売却益が発生します
したがって、貸方(右側)に固定資産売却益(収益)100万円を記入します。
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損失が発生するケース:固定資産を売却した時の仕訳事例

帳簿価額1,600万円の土地を、1,400万円で売却し、現金で受け取った。」という取引の事例を使い、固定資産を売却した時の仕訳の流れを順に説明します。
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固定資産売却時:土地の減少

土地を売却したため、土地が減少します。
そのため、貸方(右側)に土地(資産)1,600万円を記入します。
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固定資産売却時:現金の増加

固定資産の売却の対価として現金を受け取ったため、現金が増加します。
そのため、借方(左側)に現金(資産)1,400万円を記入します。
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固定資産売却時:固定資産売却損の発生

帳簿価額よりも売却額の方が小さいため、固定資産売却損が発生します
したがって、借方(左側)に固定資産売却損(費用)200万円を記入します。
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固定資産の取得・売却の仕訳問題に挑戦

ここまでの内容で、固定資産の取得・売却の仕訳の流れを理解していただけたかと思います。
早速、下記のLINEアプリから練習問題に挑戦してみてください。
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固定資産の取得・売却:帳簿上の動き

最後に、固定資産の取得・売却時の帳簿上での動きを解説します。
帳簿上の動きは、簿記を理解する際に、非常に重要となるため、必ず押さえておきましょう。

固定資産を取得した時

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固定資産の売却時:利益が発生するケース

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固定資産の売却時:損失が発生するケース

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固定資産の取得・売却:まとめ

今回は簿記3級に登場する固定資産を取得・売却した時の取引事例を解説しました。
固定資産を取得した際は付随費用が必ず発生するためセットで覚えておきましょう。

また、固定資産を売却した際は帳簿価額と売却額を比べて利益が出たか損失が出たかで仕訳が異なるため、確実に押さえておく必要があります。
試験問題でも登場する可能性の高い取引事例であるため、しっかり理解しておきましょう!

また、決算書や企業のビジネスについて少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。
基礎からしっかり学びたい方は、ぜひ学習アプリ「Funda簿記」をご覧ください。
アプリ内で決算書の構成や作り方を学ぶことができます。
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この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

Funda社運営

大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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