まずは簡単なクイズです。
「会計」という単語を当たり前のように使っていますが、そもそも企業会計において「会計」とはどのような意味を有するのかをご存知でしょうか?
ぜひ考えてみて下さい。
意外と即答できる人は少ないのではないでしょうか?
この記事では、決算書の読み方はもちろん、会計や簿記を学ぶと、どのようなメリットがあるのかを、図解を通じて紹介します。
目次
- 会計とは?
- 会計と企業会計
- 会計の語源
- 会計とファイナンスの違い
- 会計を通じて金額に変換
- 会計の一連の流れは?
- ①企業活動の結果をお金の動きとして認識
- ②認識されたお金の動きを帳簿(記録帳)に記録
- ③決算書の作成
- ④利害関係者に報告
- まとめ
会計とは?
会計とは、お金の流れを記録し、その情報をまとめて報告することです。会計は、企業だけでなく、家庭や団体、国家などさまざまな組織や個人のお金の流れを管理するための仕組みです。
この記事では、会計の中でも「企業会計」を前提に解説を行います。
会計と企業会計
企業会計とは、会計の中でも特に企業のお金の流れを記録し、報告するための会計です。
企業会計では、企業が行う取引や投資、資金調達などのお金の動きを、決まったルールに従って記録し、それらの情報をまとめて企業関係者に報告します。
簡単に言うと、会計はお金の流れを記録・報告する全般的な仕組みであり、企業会計はその中の一部で、企業に特化した会計のことを指します。
会計の知識や技術は、企業だけでなく、さまざまな組織や個人のお金の管理に役立ちますが、企業会計は主に企業経営に関わる人たちにとって重要な知識となります。
会計の語源
「会計」という言葉は、英語で「Accounting」と表現されます。
ビジネススクールやMBAのプログラムで学ぶことが一般的です。英語での表現「Accounting」の語源は、「Account」という言葉であり、「報告する」という意味を持つ動詞です。
これを踏まえると、会計の本質的な意味は「報告すること」になります。
会計のルールや技術を用いて、企業の経営成績や財政状態を企業関係者に対して報告することが会計の主な目的です。
会計とファイナンスの違い
書店などで、「会計とファイナンス」というタイトルの書籍を目にすることがありますが、実は両者は異なる領域の学問です。
ファイナンスやマーケティング、商品開発や人材採用などは、企業が行う「企業活動」の一部です。一方、会計は、これらの「企業活動」の結果を報告する役割を担っています。
会計を通じて金額に変換
企業活動の結果は、会計のルールに基づいて金額という統一された単位に変換されます。
これにより、企業の状況が可視化され、時系列や競合企業との比較が容易になります。
以上のように、会計は企業活動の結果を報告し、その情報を利用して経営者や株主など関係者が意思決定を行うための重要な学問です。
会計の一連の流れは?
会計とは、企業が行うさまざまな活動の結果をお金の流れとして記録し、その情報をまとめて企業関係者に報告することです。具体的には、以下のようなステップがあります。
- 企業活動の結果をお金の動きとして認識
- 認識されたお金の動きを帳簿(記録帳)に記録
- 帳簿に記録された情報をまとめて決算書(報告書)を作成
- 決算書を企業関係者に報告
ここからは、企業の日々の取引がどのように企業関係者に報告されるのかを、一連の流れを通じて解説します。
①企業活動の結果をお金の動きとして認識
企業は日々様々な活動を行っています。商品の仕入や販売のみならず、営業電話や朝礼も立派な企業活動です。
この多岐に渡る企業活動のうち、すべてが会計上の取引として認識されるわけではありません。
認識の厳密な定義は存在しますが、この記事では初学者向けのわかりやすさを優先してイメージを共有すると、通常は「お金が動く活動」が会計上の取引として認識されることとなります。
②認識されたお金の動きを帳簿(記録帳)に記録
会計上の取引として認識されたものは、帳簿に記録されます。
帳簿とは、事業の取引やお金の流れを記録する、いわゆる記録帳のことです。
簿記は「帳簿記入」の略語が元々の語源となります。
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③決算書の作成
帳簿にあらゆる取引が記録されますが、帳簿の状態で報告することは適切ではありません。
そこで、帳簿にまとめられた数値を、報告のためのフォーマットに集計しなおす必要があります。
この報告のためのフォーマットが決算書です。
決算書は「企業の経営成績の報告書」です。多くの方が普段目にしている、損益計算書や貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書はこのように集計され作られています。
損益計算書
損益計算書(そんえきけいさんしょ)とは、企業がある一定期間(通常は1年)において、どれだけの利益を上げたか、または損失を出したかを示す報告書です。
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貸借対照表
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、企業の財政状態を報告する報告書です。企業の有する資産や負債の詳細が開示されます。
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キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書とは、企業がある一定期間において、どのように現金が出入りしたかを示す報告書です。現金の収入と支出を、営業活動・投資活動・財務活動の3つのカテゴリーに分けて表示します。
キャッシュ・フロー計算書の読み方についてはこちら
④利害関係者に報告
作成された決算書は、利害関係者に開示されます。
利害関係者とは、企業や組織の活動に関心を持ち、その活動によって影響を受ける人々や団体のことを指します。
主な利害関係者には以下のような人々や団体があります。
- 株主・投資家
- 従業員
- 顧客・消費者
- 取引先
- 地域社会・環境
会計においては、利害関係者に対して、企業の経営状況や財務状態を適切に報告することが求められます。
このため、会計情報は利害関係者にとって重要な判断材料となります。企業は、さまざまな利害関係者と良好な関係を築くことで、持続可能な成長や社会的責任を果たすことができると考えられています。
まとめ
本記事では、初心者向けに会計の概要について解説しました。会計の本質は企業の経営成績や財政状態を報告することであり、そのために決算書が作成されます。また、ステークホルダーは企業の活動に関心を持ち、会計情報を重要な判断材料として利用します。
よく「決算書が読めるとビジネスがわかる」という言葉を耳にしますが、その理由は決算書に集計されている数字は企業活動の要約情報だからです。
ぜひ、会計や決算書の知識を深め、ビジネスに対する理解を向上させましょう。
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