この記事では、企業のビジネスモデルと財務数値を結びつける会計クイズを元に、損益計算書の読み方を解説します。
今回は、Googleを運営する「Alphabet」とFacebookやInstagramを運営する「Meta」を扱います。
下記のようなクイズを通じて、損益計算書の読み方を解説します。
新卒くん
いきなり決算書を見ても全くわからないです…
今の段階では全くわからなくても問題ありません。
この記事を読み終わる頃には、損益計算書が読めるようになっているはずです。
初心者の方にも理解しやすいように図解を用いて解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
目次
- 損益計算書とは?
- 損益計算書からわかる情報
- 損益計算書の実物は難しい
- 企業は何で儲かっている?
- GoogleとFacebookの収益
- 広告ビジネスの基本
- 会計クイズ:損益計算書の読み方
- Googleの広告ビジネス
- Facebookの広告ビジネス
- 損益計算書の読み方:まとめ
損益計算書とは?
損益計算書(そんえきけいさんしょ)とは、企業が1年間でいくら売り上げて、いくら費用がかかったのか、最終的にいくら利益が出たのかを記録したものをいいます。
簡単に言うと、どれくらい儲かったかが一目でわかる企業の成績表です。
損益計算書からわかる情報
損益計算書からは以下の情報を読み取ることができます。
- 売上の規模
- 儲けの状況
- 経営戦略
どれくらい売上を上げているかや、収益と費用を比べることでどの程度の利益を生み出したかが分かります。また、利益を生み出すためにどのような費用をかけたのかを知ることで、企業の経営戦略なども読み取ることができます。
損益計算書の実物は難しい
しかし、実際の企業の損益計算書を見ると、難解な単語や大きな数字が登場するため、初心者の方は難しいと感じるかと思います。
そこで、この記事では初心者でも理解できるように、損益計算書を図解化して説明します。
まずは図解を通じて損益計算書のイメージを把握し、その後に実物の損益計算書に挑戦してみてください。
上記の図解を、さらに簡略化すると下図のようになります。
やっていることは、収益と費用を比べて、いくら儲かったかを表示しているだけです。
新卒くん
図解ならいける気がしてきました!
企業は何で儲かっている?
それでは、ここでクイズです。
冒頭で触れたGoogle、Facebook、Instagramは何で稼いでいるでしょうか?
ぜひ考えてみてください!
タップで回答を見ることができます
商品販売収入
ロイヤリティ収入
広告収入
不動産収入
正解発表
正解は、選択肢③の広告収入でした。
みなさんわかりましたか?
それでは、ここから解説に入ります。
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GoogleとFacebookの収益
GoogleとFacebookの収益の内訳を見ると、どちらも売上の大部分が広告収入で構成されています。
新卒くん
広告収入ってなんですか?
広告ビジネスの基本
広告ビジネスとは、自社のプラットフォーム上に広告を出稿する代わりに、広告費を受け取るビジネスです。
広告を出したい企業は、魅力的なプラットフォームに広告費をかけることで、その利用ユーザーに自社の商品を宣伝することができます。
Googleの事例
Googleは、検索結果の1番上に広告として表示する権利を与えることで、広告主から広告費を受け取るビジネスをしています。
YouTubeの事例
また、Googleを運営するAlphabetは、YouTubeにも広告商品を提供しています。
広告を出したい企業は、Alphabetに広告費を出すことで、YouTube上で自社の商品の動画を流すことができます。
Instagramの事例
Instagramでは、プラットフォーム上に広告枠を提供しています。
企業は広告商品にお金を出すことで、ユーザーの投稿画面に表示され、自社の商品を宣伝することが可能になります。
会計クイズ:損益計算書の読み方
以上を踏まえて、会計クイズです。
Googleを運営するAlphabetの損益計算書はどちらでしょう?
両者のビジネスモデルが決算書にどう影響するのかを予想して考えてみてください。
タップで回答を見ることができます
選択肢①
選択肢②
正解発表
正解は、選択肢①がAlphabetでした。
みなさん正解できましたか?
それでは、ここからは両者の広告ビジネスが決算書にどう反映されるのかを詳しく解説していきます。
Googleの広告ビジネス
Alphabetの広告収益は主に3つあります。
- Google検索&その他:Googleの検索結果やGmailなどに掲載された広告による収入
- YouTube広告:YouTubeに掲載された広告による収入
- Googleネットワーク:Google AdSenseなどのGoogleネットワークのパートナーサイトに掲載された広告による収入
Googleの広告ビジネスの特徴として、Googleとユーザーの間にYouTuberやブロガーなどの第三者が介入してきます。この第三者は、Googleのプラットフォームにコンテンツを出すことで、ユーザーの増加に貢献してくれます。
Google側はそこに広告を表示する見返りとして、YouTuberやブロガーへの支払いが発生します。
このYouTuberやブロガーへの支払いが費用(売上原価)に計上されます。
したがって、Facebookと比べて費用の比率が大きくなります。
Facebookの広告ビジネス
続いて、Facebookの広告ビジネスを見ていきます。
Facebookは、自社のプラットフォーム上に広告を出稿する一般的な広告ビジネスを展開しています。プラットフォーム上に直接広告を出すモデルであるため、Googleと違って第三者が介入することはありません。
Facebookの費用は、サーバー代やSNS運営費しか発生しないため、第三者に対して支払いが発生するGoogleと比べて費用(売上原価)の比率が小さくなります。
損益計算書の読み方:まとめ
最後にまとめです。
今回は、損益計算書の読み方を実際の企業事例を元に解説しました。損益計算書を見ることで、売上の規模や儲けの状況、経営戦略などを読み取ることができます。ぜひ他の企業の決算書も見てみてください。
以上、今回の正解は、選択肢①がAlphabetでした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
損益計算書について、より詳しく学びたい方は下記の記事をご覧ください。
マツキヨとローソンの会計クイズを元に損益計算書の読み方を詳しく解説しています。
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<この分析記事の出典データ>
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