決算とは?
決算(けっさん)とは、一定の会計期間(通常は1年)が終了した際に、その期間中の会社の資産や利益などの状況を明確にするための一連の手続きを指します。
これにより、会社の財務状況や業績を正確に把握し、経営者や株主、取引先などに適切な状況を報告することができます。
決算は様々な場面で使用される言葉ですが、本来の意味は、企業活動が継続して行われている中で、ある時点を人為的に区切る作業のことをいいます。
新卒くん
これだけでは、正直よくわかりませんね。
もっと簡単に説明してください。
「決算」や「会計年度」という単語は、よく耳にするものの、なんとなく使っている方も少なくありません。
簿記3級の試験では決算書を作成する問題が出題されますが、初心者には難しいと感じることが多いでしょう。
この記事では、決算の考え方や用語、役割、企業事例についてを簿記初心者向けにわかりやすく解説します。
目次
- 決算とは?
- 決算とはいつ?
- 会計期間は集計対象を表す
- 会計期間を意味する用語
- 会計期間を構成する用語
- 上場企業の決算スケジュール
- クイズで学ぶ四半期決算
- Appleの会計期間
- Apple製品の特徴
- 決算の目的とは?
- 決算がないとどうなる?
- 簡単な事例でわかる決算の重要性
- 企業事例で簡単に決算を解説
- 日産自動車の事例
- 決算の確認問題
- 正解発表
- 決算の解説:まとめ
決算とはいつ?
決算日のタイミングは企業ごとに異なりますが、日本の多くの企業では3月31日を会計年度末としています。そのため、決算手続きは4月に行われることが一般的です。
ただし、会計期間は企業によって異なる場合があるため、必ずしもすべての企業が同じ時期に決算を行うわけではありません。
会計期間は集計対象を表す
会計期間とは、企業活動の成果や財務状況を評価するために、決算書に集計する対象期間のことを指します。
企業会計においては、経営者や関係者が企業の業績を把握しやすくするために、一定の期間ごとに企業活動の記録や計算を行います。
また、会計期間は会計年度や事業年度と呼ばれることもあります。
会計期間を意味する用語
当期の会計期間を基準にして、一つ前の期間を「前期」と呼び、一つ後の期間を「翌期(次期)」と表現します。
簿記試験でも、当たり前のように出てくる用語のため、しっかり押さえておきましょう。
- 当期:対象の会計期間
- 前期:1つ前の会計期間
- 翌期:1つ後の会計期間
会計期間を構成する用語
会計期間は期首から始まり期末で終わります。期首と期末の間の総称のことを期中と表現します。
会計期間を構成する用語も、当たり前のように登場するため、使いこなせるようにしておきましょう。
- 期首:会計期間のはじまりの日
- 期中:期首と期末の間の総称
- 期末:会計期間の終わりの日
上場企業の決算スケジュール
上場企業の場合、四半期(3か月ごと)に一度、株主や金融機関などの利害関係者に対して、決算資料を作成し、報告することが求められます。
決算期とは、事業年度の最終月を指します。企業によって決算期は異なり、例えば3月決算の会社もあれば、12月決算の会社も存在します。
決算書作成の全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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会計とは?決算書が作成される流れをわかりやすく解説
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クイズで学ぶ四半期決算
以上の内容を踏まえて、クイズです。
「iPhone」で有名なAppleの売上高が1番高くなる時期は何月~何月でしょう?
タップで回答を見ることができます
1月~3月
4月~6月
7月~9月
10月~12月
正解発表
正解は、選択肢④の10月~12月でした!
みなさん、分かりましたか?
それでは、ここからは解説に入ります。
Appleの会計期間
はじめに、Appleの会計期間について説明します。
Appleは9月末決算のため、会計期間は10月1日~9月30日になります。そのため、必ずしもすべての企業が3月31日決算になるとは限りません。
決算日は企業によって異なる点に注意しましょう。
新卒くん
Appleはなんで10月~12月(1Q)に売上が伸びるんですか?
Apple製品の特徴
Apple製品はクリスマスや年末、ブラックフライデーなどに需要が高まります。また、毎年9月ごろにiPhoneの新作を発売するため、10月~12月に1番売上高が伸びる傾向があるのです。
直近3年間の売上高を見ると、1Qに売上高が最も大きくなることが読み取れます。
新卒くん
なるほど!
企業のビジネスが決算に反映されるのは面白いですね!
大手町さん
このように、決算書が読めるようになると企業のビジネスモデルが分かります。
まずはこの記事を通して「決算」の基礎を理解しましょう!
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決算の目的とは?
決算の目的は、企業の経営成績や財政状態を明らかにすることです。
通常、企業活動は、倒産や解散がない限り半永久的に継続されるものです。しかし、決算という手続きを通じて、人為的に一定の期間ごとに集計を行うことで、企業の資産や利益などの状況を明確にすることが可能になります。
決算がないとどうなる?
決算が存在しない場合は、会社が倒産でもしない限り決算書を作る機会が発生しないこととなります。
そのため、下のような企業が出てくるでしょう。
企業の社長
今作ってもキリが悪いので、
企業が倒産する時にでも決算書を作ります!
新卒くん
いや、倒産まで待てませんよ…
今知りたいのに…
もし決算がなければ、キリが良くなるまで決算書が出てこない状態となってしまいます。
そこで、決算という手続きを通じて企業の財政状態や経営成績などを把握することができるようになります。
重要な点をまとめると、下記のようになります。
・「決算」は人為的に企業活動を区切るために必要です
・決算書に記載される数値は、特定の期間の業績や、特定の時点での財務状態を示します
・ほとんどの決算書は、企業活動の途中過程を報告しているに過ぎません
簡単な事例でわかる決算の重要性
それでは、具体的な事例を使って、決算で行う手続きを紹介します。
商品を仕入れて販売したケースで考えてみましょう。
たとえば、当期に仕入れた商品が全て販売できたとします。この場合、正確な業績が報告されることになります。
しかし、仕入れた商品が期間内に全て販売できていない状態でも、決算書を作成しなければなりません。
そこで、今期の経営成績と現時点での財政状態を整理するため「決算整理」が行われます。
決算整理とは、1年をまたぐお金の流れがあった際に当期と翌期に金額を適切に分けて調整することをいいます。
決算整理をすることで、当期の成績を正確に計算することが可能となります。
決算整理仕訳については、下記の記事で詳しく解説しています。
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企業事例で簡単に決算を解説
それでは、実際の企業事例を元に、簡単に決算の重要性を紹介します。
今回は、日産自動車を事例に解説します。
日産自動車の事例
日産自動車は、自動車及び部品の製造販売を行っている自動車業界大手のメーカーです。
日産自動車の貸借対照表を確認すると、「商品」という項目が記載されています。この「商品」とは、次期に繰り越される在庫のことを意味しています。
決算の確認問題
ここまでの内容を踏まえて、決算に関する問題です。
決算の役割は次のうちどれでしょう?
タップで回答を見ることができます
企業の状態を利害関係者に報告する
倒産する前に会社を整理する
企業の活動を人為的に区切る
帳簿に記録する
正解発表
正解は、選択肢③企業の活動を人為的に区切るです。
決算(けっさん)とは、1つの会計期間の会社の資産や利益等を確定するための一連の手続きのことをいいます。
様々な場面で登場しますが、本来の意味は継続している企業活動を人為的に区切る作業のことをいいます。
決算の解説:まとめ
今回は簿記3級における「決算」の基本的な考え方について解説しました。
決算は、1つの会計期間の会社の資産や利益等を確定するための一連の手続きのことをいいます。
簿記3級の本番の試験では、大問3で決算書を作成する問題が出題されます。
そのため、決算の基本的な考え方や用語をしっかりと理解しておくことが重要です。
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