売り上げた商品の商品名や販売先、販売数量・単価などを管理する際は、売上帳という帳簿に記録します。
この記事では、売上帳の基本概念や記入方法、実際の試験形式についてを簿記初心者向けに分かりやすく解説します。簿記3級では頻出のため、試験本番で点数を取れるようにしておきましょう。
目次
- 売上帳とは?
- 補助記入帳とは
- 売上帳の記入方法とは?
- 売上帳の記入例
- 実際の試験形式
- 売上帳の確認問題
- 正解発表
- 売上帳:まとめ
なお、簿記を基礎からしっかり学びたい方は、まずは先に下記のトレーニングから始めてみてください。
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売上帳とは?
売上帳(うりあげちょう)とは、「いつ」「どこに」「どれくらい」販売したのかを記録する補助記入帳です。
補助記入帳とは
補助記入帳とは、特定の勘定科目の増減明細を取引の発生した順に記録するものをいいます。
売上帳は、補助記入帳の一種です。
補助記入帳について詳しく学びたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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売上帳の記入方法とは?
下の図を例に売上帳の記入方法について見ていきます。
- ①補助記入帳の名前…補助記入帳名が記入されます。
- ②日付欄…取引日を記入します。
- ③摘要欄…取引の内容を記入します。(販売先、取引手段、販売物・個数・単価)
- ④内訳欄…複数の物を販売した際などに分けて記入します。
- ⑤金額欄…販売額を記入します。
売上帳の記入例
それでは、簡単な例題を用いて、記入手順についてを解説します。
はじめに、9月7日の取引を記入します。
摘要欄に販売先、取引手段、販売物・個数・単価をそれぞれ記入します。
そのため、摘要欄に「X社、現金、缶詰・10個・@350円」と記入し、金額欄に3,500円(10個×@350円)を記入します。
次に、9月25日の取引を記入します。
先ほどと同様に、摘要欄に各種事項を記入します。
今回は販売した商品の種類が2つあるため、摘要欄に「Y社、掛け、お菓子・20個・@300円、缶詰・10個・@500円」と記入します。
また、内訳欄にお菓子の販売金額6,000円(20個×@300円)と缶詰の販売金額5,000円(10個×@500円)を記入し、金額欄に合計金額11,000円を記入します。
次に、9月26日の取引を記入します。
返品が行われた際も通常取引と同様に記入します。
したがって、摘要欄に「Y社、掛け返品、お菓子・5個・@300円」と記入し、金額欄に1,500円(5個×@300円)を記入します。
最後に、総売上高と返品高を分けて計上し、返品高を差し引いた純売上高を記入して完成です。
実際の試験形式
売上帳は、簿記3級の大問2で出題されます。
取引が提示され、どの補助簿に記入されるかを選ぶ選択形式の問題です。
例題を見てわかるように、商品を販売したり販売した商品が返品されたりしたときに売上帳への記入を行います。
本番の試験で点数を取れるように、しっかり対策しておきましょう。
売上帳の確認問題
それでは、ここまでの内容を踏まえて、売上帳に関する問題です。
次の取引は売上帳に記入されるでしょうか?
タップで回答を見ることができます
売上帳に記入される
売上帳に記入されない
正解発表
正解は、選択肢①売上帳に記入されるです。
売上帳(うりあげちょう)とは、「いつ」「どこに」「どれくらい」販売したのかを記録する補助記入帳です。
問題文の取引は販売した商品が返品され、売上が取り消されています。
したがって、売上帳に記入されます。
販売した商品が返品されるケースを売上戻りといいます。返品があった時は、借方に売上を計上して販売時の仕訳を取り消す処理を行います。
返品処理の仕訳方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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