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2025/06/23

簿記2級の次は何を勉強する?おすすめの資格8選と選び方を解説

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簿記2級の資格は、企業の経理実務に通用する知識とスキルを証明する、非常に価値ある資格です。
ですが、多くの方が次のように悩んでいるのではないでしょうか。

「この先、何を勉強すればいいの?」
「簿記1級に進むべき?それとも他の資格を取るべき?」

結論から言うと、あなたの目的・興味・キャリアの方向性によって選ぶ資格は変わってきます
この記事では、簿記2級の知識を土台にしながら、将来に活かせるおすすめの資格8選と、選び方のポイントをわかりやすく紹介します。
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目次

  • 簿記2級取得後におすすめの資格8選
  • ①日商簿記1級
  • ②税理士
  • ③社会保険労務士
  • ④FP(ファイナンシャル・プランナー)
  • ⑤中小企業診断士
  • ⑥宅地建物取引士
  • ⑦IT系資格(MOS、ITパスポートなど)
  • ⑧TOEIC
  • 迷ったときの資格選びの3つの視点
  • 実務で役立つかどうか
  • 学習の難易度・時間・費用
  • キャリアとの相性・将来像
  • まとめ

簿記2級取得後におすすめの資格8選

簿記2級を取得したあとは、自分のキャリア目標や興味に応じて、次に目指すべき資格が変わってきます。

ここでは「会計の専門性を深めたい」「他分野のスキルを身につけたい」「キャリアの選択肢を広げたい」などの目的別に、特に相性のよい8つの資格を紹介します。すべて簿記2級の知識を活かしてステップアップできる資格ですので、ぜひ参考にしてみて下さい。

  • 日商簿記1級
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • FP
  • 中小企業診断士
  • 宅地建物取引士
  •  IT系資格(MOS、ITパスポートなど)
  • TOEIC

①日商簿記1級

経理・財務の専門家として知識を極めたいなら、やはり日商簿記1級が定番の選択肢です。
高度な内容ですが、簿記2級を取得した今だからこそ、その延長線上にある1級の学習が視野に入ります。

日商簿記1級とは

日商簿記1級は、財務会計・管理会計・原価計算・企業会計原則といった高度な会計分野を扱う上級資格です。

出題範囲には連結会計や外貨建取引、会計理論など、実務だけでなく理論的な知識も求められます。合格率は10%前後と難関ですが、合格すれば税理士試験の受験資格を得られます。

日商簿記1級がおすすめの理由

会計・経理職でスペシャリストを目指すなら最も王道の資格です。

簿記2級で学んだ仕訳や財務諸表の基礎がベースとなり、1級ではその知識をより深く体系化できます。企業の財務部門・上場企業・会計事務所など、どの業界でも高く評価される「武器」となるでしょう。

こういう人におすすめ

経理や財務のスペシャリストを目指したい人、将来税理士を目指す予定がある人、高度な会計知識を武器に転職や昇進を狙いたい人にぴったりです。

②税理士

会計の枠を超えて、税務の専門家として活躍したいなら、税理士資格が有力です。
法人・個人を問わず、税金に関わる知識と実務力が求められる場面は多くあります。

税理士資格とは

税理士は、税務代理・税務書類の作成・税務相談といった税務業務に関して独占的な業務を行うことができる国家資格です。

5科目の合格が必要で、科目合格制により数年かければ取得できます。簿記1級または会計系学部の卒業で受験資格が得られる点が特徴的です。

税理士として独立することも可能で、企業内税務や資産税・法人税分野での活躍も見込まれます。

税理士資格がおすすめの理由

簿記2級の知識は「簿記論」「財務諸表論」の試験で活かされ、他の税法科目でも会計処理の理解が役立ちます。専門的なスキルが求められるだけに、取得後の信頼性と収入の高さは非常に魅力的です。

こういう人におすすめ

税務の専門家として独立したい人、会計事務所・税理士法人への就職を目指す人、経理の延長線上で高い専門性を得たい人に最適です。

③社会保険労務士

会計の視点から「人」に関わる業務にも強くなりたいなら、社労士は絶好の選択肢です。
企業の内部管理において、労務・給与・保険の知識は欠かせません。

社労士資格とは

社会保険労務士(社労士)は、労働社会保険に関する法律や制度に基づき、企業の労務管理を支援する国家資格です。労働基準法や雇用保険法、健康保険法など、多くの法律知識が求められるため、合格には体系的な学習が必要です。

就業規則の作成、給与計算、助成金申請、労働基準監督署との対応など、企業活動に欠かせない業務を担います。

社労士がおすすめの理由

簿記2級の知識が、与や法定福利費の仕訳・処理、勤怠管理との連携などに直結し、社労士としての実務にも活かされます。中小企業では「経理+労務」を担当するケースも多いため、2つの分野をカバーできる人材は希少で重宝されます。

こういう人におすすめ

総務や人事、バックオフィス全般を担当している人や、経理業務の幅を広げたい人におすすめです。将来的に企業の人事部門や社会保険事務所で活躍したい人にも向いています。

④FP(ファイナンシャル・プランナー)

個人や家庭のお金に関する知識を体系的に身につけたいなら、FP資格がおすすめです。
簿記とは異なる視点からお金を扱うスキルが身につきます。

FP資格とは

FPは、ライフプラン設計、保険、年金、住宅ローン、投資、相続など幅広いテーマを扱う資格です。国家資格であるFP技能士と、民間資格のAFP・CFPに分かれ、2級FP技能士以上は実務での信頼性も高くなります。

FPがおすすめの理由

簿記2級で得た財務的思考や数字感覚が、キャッシュフロー表やライフプランの設計、税制の理解などに活かされます。企業の保険担当や金融機関の営業職などでも評価されやすい資格です。

こういう人におすすめ

個人向けの資産相談業務に携わりたい人、保険・証券・不動産など金融業界への転職を検討している人、家計や老後資金の管理にも役立てたい人に適しています。

⑤中小企業診断士

経理の視点だけではなく、企業全体の経営や戦略に関心がある人には中小企業診断士が最適です。
財務の専門知識に加え、組織全体を俯瞰する思考力が身につきます。

中小企業診断士とは

中小企業診断士は、経営コンサルタントとして企業の成長や経営改善を支援する国家資格です。1次試験では7科目(財務・法務・経済・IT・人事・運営管理など)、2次試験では実際の経営課題を解決する記述式試験があります。知識の幅と応用力の両方が求められる実践的な資格です。

中小企業診断士がおすすめの理由

1次試験の「財務・会計」分野では、簿記2級の知識がそのまま使えます。さらに、経営指標の分析や原価管理など、簿記で身につけたスキルが2次試験の実践問題にも応用できます。会計だけでなく「経営の言語」を身につけたい人には最適です。

こういう人におすすめ

経営企画やマネジメント職を目指している人、将来コンサルタントとして独立したい人、中小企業を支援する公共的な仕事に関心がある人におすすめです。

⑥宅地建物取引士

不動産業界や資産運用に興味があるなら、会計のスキルに加えて宅建の取得が非常に有効です。
不動産取引の仕組みを理解し、実務でも活躍できる人材になれます。

宅建とは

宅地建物取引士(宅建)は、物件売買や賃貸借契約時における「重要事項説明」など、法律上必要な手続きを担当する国家資格です。宅建を保有することで、不動産取引の専門家を示すことができます。

宅建がおすすめの理由

簿記2級で学ぶ減価償却や不動産の取得・売却時の仕訳処理は、不動産会計と密接に関連します。不動産会社の経理職や営業職でも、会計の知識を持つ人材は重宝されるため、宅建とのダブルライセンスで専門性が高まります。

こういう人におすすめ

不動産業界で働きたい人、将来的に投資用物件の売買や賃貸業を考えている人、不動産×会計の実務を両方こなしたい人にぴったりです。

⑦IT系資格(MOS、ITパスポートなど)

実務にすぐ活かせるスキルを身につけたいなら、IT系資格の取得がおすすめです。
会計実務におけるExcel操作やシステム理解は、実は簿記と同じくらい重要です。

MOS・ITパスポートとは

MOS(Microsoft Office Specialist)は、ExcelやWordなどのソフトを業務で使いこなすスキルを証明する資格です。また、ITパスポートは、ITリテラシーやシステム管理、ネットワーク、セキュリティなど、ITの基礎知識を問う国家試験です。

IT系資格がおすすめの理由

簿記2級で得た数値処理スキルと併せて、表計算やマクロ機能を使いこなすことで、経理・財務の実務効率が格段に向上します。特に、Excelベースの業務が多い中小企業では、会計とITの両方を理解する人材は即戦力です。

こういう人におすすめ

経理・事務・総務の実務効率を上げたい人、デジタルツールに強い経理人材になりたい人、将来的にIT経理やシステム導入などにも関わっていきたい人におすすめです。

⑧TOEIC

会計スキルに「英語力」を加えることで、国際的に活躍できるフィールドが一気に広がります。
グローバルなビジネスを意識しているなら、早めの対策がカギです。

TOEICとは

TOEICは、リスニングとリーディングを通じてビジネス英語の理解度を測るテストです。一般的に600点以上で日常業務レベル、800点以上でビジネス会話や文書対応が可能とされ、多くの企業がスコアを昇進や採用の判断材料としています。

TOEICがおすすめの理由

簿記2級の知識を土台に、英文財務諸表や英文会計報告書を読むスキルを加えると、外資系企業や国際部門での評価が格段に上がります。BPO(海外アウトソーシング)や海外子会社の管理にも対応できるようになります。

こういう人におすすめ

将来的に外資系企業に転職したい人、英文経理に携わりたい人、会計のスキルを世界で通用する武器にしたい人に最適です。

迷ったときの資格選びの3つの視点

ここまで8つの資格を紹介してきましたが、「どれが自分に合っているかわからない…」という方も多いはずです。
そんなときは、次の3つの視点で選んでみてください。

  • 実務で役立つかどうか
  • 学習の難易度・時間・費用
  • キャリアとの相性・将来像

実務で役立つかどうか

資格を選ぶうえで最も重要な視点の1つが、「取得後の実務への直結性」です。せっかく時間とお金をかけて勉強しても、職場で使う機会がなければ活かしきれません。

自分が置かれている(または目指している)職場・業界で「この資格があると実際に何ができるようになるのか?」をイメージすることが大切です。

学習の難易度・時間・費用

資格の中には、数ヶ月で取得できるものもあれば、年単位での学習が必要なものもあります。仕事や家事・育児と並行して学ぶ方にとって、「どのくらい時間と費用がかかるか」は大きな現実的判断材料になります。

大切なのは、「今の自分のライフスタイルに無理なく組み込める学びかどうか」を見極めることです。
現実的に続けられる資格を選ぶことで、挫折せずに学習を続けやすくなります。

キャリアとの相性・将来像

「自分はどんな働き方をしたいのか」「将来どんな仕事をしていたいのか」を明確にすることで、選ぶべき資格が見えてきます。どんなに有名な資格でも、自分の進みたい方向と合っていなければ、価値を感じにくくなる可能性があります。


資格を取ること自体をゴールにするのではなく、キャリアの手段として資格を選ぶことが重要です。

まとめ

簿記2級の取得は、すでに会計の基本言語を習得したという意味を表します。しかし、それはあくまでスタートラインにすぎません。ここから先、何を学び、どんな資格を取るかで、キャリアの選択肢は大きく変わります。

「会計を極めたい」「新たな分野にも挑戦したい」「実務力を高めたい」など様々な選択肢があります。
この記事で紹介した資格の中から、あなたの目標や興味にぴったり合うものを見つけて、次の一歩を踏み出してみてください。

この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

Funda社運営

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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