この記事では、企業のビジネスモデルと財務数値を結びつける会計クイズを元に、企業がどのように利益を生み出しているかを解説します。
今回扱うテーマはゲーム事業です。
下記のようなクイズを通じて、ゲーム運営会社の儲けの仕組みを解説します。
新卒くん
ゲーム会社の決算書なんて全くわからないです…
今の段階では全くわからなくても問題ありません。
この記事を読み終わる頃には、ゲーム会社のビジネスモデルを決算書から読み取れるようになっているはずです。
初心者の方にもわかりやすいように図解を用いて解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
目次
- 会計クイズ:ゲーム運営会社
- 登場企業の紹介
- 会計クイズ:問題
- 会計クイズ:正解の発表
- サイバーエージェントの決算書の読み方は?
- 売上高の内訳
- サイバーエージェントの事業内容
- サイバーエージェントの売上原価
- 任天堂とミクシィの決算書の読み方は?
- 任天堂のコスト構造
- ミクシィのコスト構造
- 会計クイズ:まとめ
会計クイズ:ゲーム運営会社
登場企業の紹介
最初に登場企業の紹介です。
- 任天堂
- サイバーエージェント
- ミクシィ
この3社はゲーム事業を展開していますが、主力ゲームや提供の仕方がそれぞれ異なります。
任天堂
任天堂は、マリオやポケモンシリーズなどのヒット作を生み出している大手ゲーム会社です。また、ゲームソフトだけでなく、Nintendo Switch等のゲーム機も製造・販売しています。
サイバーエージェント
サイバーエージェントは、2021年にサービスを開始し大ヒットした、スマホゲーム「ウマ娘」を主に運営している会社です。
ミクシィ
ミクシィは、2013年にサービスを開始したスマホゲーム「モンスターストライク」を運営する会社です。
会計クイズ:問題
それでは、ここでクイズです。
スマホゲーム「ウマ娘」を運営しているサイバーエージェントの損益計算書は次のうちどれでしょう?
それぞれのゲーム事業がコスト構造にどう影響するのかを予想して考えてみてください。
タップで回答を見ることができます
選択肢①
選択肢②
選択肢③
損益計算書の読み方についてを基礎から詳しく学びたい方は、まずは下記の記事をご覧ください。
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【初心者向け】損益計算書の読み方とは?儲けの裏側を知ろう!
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それでは、正解の発表です。
会計クイズ:正解の発表
正解は、選択肢①がサイバーエージェントでした。
みなさん正解できましたか?
ここからは、それぞれのゲーム運営会社の決算書の特徴を解説します。
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サイバーエージェントの決算書の読み方は?
それでは、ここから詳しい解説に入ります。
売上高の内訳
ゲーム会社それぞれの売上高の内訳を見ると、ミクシィと任天堂はゲーム事業がメインであるのに対して、サイバーエージェントは広告事業がメインであることが分かります。
新卒くん
サイバーエージェントはゲームの会社じゃないんですか?
サイバーエージェントの事業内容
サイバーエージェントはゲーム事業の他に、広告代理店事業やABEMAなどのメディア事業を展開しています。
サイバーエージェントの売上原価
広告事業が主な収益源の会社であるため、原価の半分近くは広告代理店事業の媒体費で構成されています。
そのため、他のゲーム会社よりも売上原価の比率が1番大きくなります。
任天堂とミクシィの決算書の読み方は?
ゲーム事業がメインの任天堂とミクシィの違いを決算書の数値から読み解いていきます。
両者の損益計算書を比較すると、コスト構造が異なります。
新卒くん
同じゲーム会社なのに、どうしてコスト構造が違うんですか?
任天堂のコスト構造
任天堂は外部の工場にゲーム機の生産を委託し、そこで生産されたゲーム機を一般消費者向けに販売するビジネスモデルを採用しています。
ハードゲームを製造しているため、売上原価の比率は他のゲーム会社よりも比較的高い傾向にあります。
ミクシィのコスト構造
ミクシィはソーシャルゲームが中心であるため、製造原価はほとんどかからず売上原価の比率は低い特徴があります。
一方、アプリ内課金では、Apple等のプラットフォーマーに対して、売上の約30%の手数料を支払う必要があります。
新卒くん
なぜAppleに支払うんですか?
Appleは、AppStoreと呼ばれる、iPhoneなどにダウンロードできるアプリのプラットフォームを運営しています。
ミクシィが運営する「モンスターストライク」は、このAppStoreを経由してサービスを提供しているため、アプリ課金で得た収益の一部は手数料としてAppleに支払う必要があるのです。
プラットフォーム運営者であるAppleへの支払手数料は、損益計算書上の販管費に計上されるため、ミクシィの販管費率は比較的大きい傾向にあります。
会計クイズ:まとめ
最後にまとめです。
今回はゲーム会社というテーマで、ゲーム事業を展開する3社のビジネスモデルを比較しました。
同じゲーム運営会社と言っても、ビジネスモデルが異なることによってコスト構造が全く違うことが決算数値を見ることによって読み取ることができます。
以上、今回の正解は、選択肢①がサイバーエージェントでした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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<この分析記事の出典データ>
任天堂株式会社 IR
株式会社サイバーエージェント IR
株式会社MIXI IR