簿記3級で出題される賃貸借契約の仕訳問題
簿記3級では、問題文で与えられている取引を仕訳に変換する仕訳問題が出題されます。
通常、勘定科目と金額の完全解答で、配点が付与されます。
部分点方式ではありませんので、似ている勘定科目名を選んだり、金額の入力ミスをしたりしないように注意しましょう。
この記事では、簿記3級で出題される賃貸借契約の仕訳問題について解説しています。
問題の出題傾向や解き方を紹介していますので、簿記3級を勉強中の方はぜひご覧ください。
最後には本試験レベルの練習問題も用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。
目次
- 簿記3級で出題される賃貸借契約の仕訳問題
- 賃貸借契約の概要
- 賃貸借契約の出題傾向
- 簿記3級での賃貸借契約の配点
- 賃貸借契約の問題集
- 賃貸借契約の仕訳問題を解く手順
- ①問題文から論点を読み取る
- ②問題文から取引パターンを読み取る
- ③勘定科目を仕訳に記入する
- 賃貸借契約の仕訳問題の事例
- 賃貸借契約の仕訳問題
- 賃貸借契約の仕訳問題の解答解説
- 賃貸借契約の仕訳問題の解き方まとめ
なお、今の実力を試したい方向けに、賃貸借契約の仕訳問題を3問用意しました。
ぜひ、力試しに下記のトレーニングにも挑戦してみてください。
おすすめトレーニング
賃貸借契約の概要
土地・建物の賃貸借契約時には、借主は貸主に対し敷金を払うことがあります。契約終了後、返還される預け金のため、資産として計上されます。
また、借主は支払家賃が費用として発生、貸主は受取家賃が収益として発生します。
賃貸借契約の出題傾向
日商簿記3級での賃貸借契約の仕訳問題は、大きく4パターンに分かれます。
- 賃借契約の締結
- 賃料の支払い
- 賃料の受け取り
- 賃借契約の解除
それぞれ1つずつ解説していきます。
①賃借契約の締結のときの仕訳
賃借契約の締結のときの仕訳パターンです。
このとき、差入保証金が増加しますので、借方(左側)に差入保証金を記入します。
また、支払手数料及び支払家賃が発生しますので、借方(左側)に支払手数料、支払家賃を記入します。
②賃料の支払いのときの仕訳
賃料の支払いのときの仕訳パターンです。
このとき、支払家賃が発生しますので、借方(左側)に支払家賃を記入します。
③賃料の受け取りのときの仕訳
賃料の受け取りのときの仕訳パターンです。
このとき、受取家賃が発生しますので、貸方(右側)に受取家賃を記入します。
④賃借契約の解除のときの仕訳
賃借契約の解除のときの仕訳パターンです。
このとき、差入保証金が減少しますので、貸方(右側)に差入保証金を記入します。
また、原状回復費として修繕費が発生しますので、借方(左側)に修繕費を記入します。
簿記3級での賃貸借契約の配点
賃貸借契約の仕訳問題は、簿記3級試験の第1問に1~2問出題されます。
第1問は45点満点で、1問3点の仕訳問題が15問出題される問題構成です。
したがって、賃貸借契約の仕訳問題ができるようになることで、3〜6点をものにすることができます。
第1問の対策方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
目安の時間配分や問題を解く際の注意点などについて触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事
簿記3級の第1問「仕訳問題」の対策方法とは?解説付き練習問題も!
boki.funda.jp/blog/article/boki3-question1
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賃貸借契約の問題集
簿記の学習アプリ「Funda簿記」では、賃貸借契約の仕訳問題を全パターン解くことができます。
問題を出題する設定は下記の通りです。
- 級:簿記3級
- 出題の方式:カテゴリー別
- 論点の選択:賃貸借契約
- 問題の出題数:自由
また、Funda簿記を利用していない方も、LINEから問題を解くことができます。
ぜひ下記より練習問題に挑戦してみてください。
賃貸借契約の仕訳問題を解く手順
- 賃貸借契約の仕訳問題を解く手順は次の3ステップです。
- 問題文から論点を読み取る
- 問題文から取引パターンを読み取る
- 勘定科目を仕訳に記入する
ここからは、賃貸借契約の仕訳問題を解く手順を1つずつ解説します。
①問題文から論点を読み取る
最初に、問われている「論点」を問題文から読み取ります。
ここでの論点とは、通常の商品売買取引(「商品を仕入れ、代金を現金で支払う」などの取引)と異なる点のことを指します。
下の事例では「事務所家賃」と書いてあるため、賃貸借契約の論点であることが読み取れます。
②問題文から取引パターンを読み取る
次に、問題文から問われている「取引パターン」を読み取ります。
通常の商品売買以外の取引には、取引パターンが複数あります。(例:「商品の販売時」と「代金の回収時」など)
下の事例では「家賃を支払った」と書いてあるため、賃料の支払いのパターンであることが読み取れます。
論点を正しく読み取っても、取引パターンを読み間違えると、もちろん正しい仕訳は導き出せません。
問題文をしっかり読み、取引パターンも正確に把握しましょう。
③勘定科目を仕訳に記入する
最後に、勘定科目と金額を一つずつ仕訳に記入します。
取引パターンから勘定科目が増加しているのか、減少しているのかを判断して、記入しましょう。
賃貸借契約の仕訳問題の事例
以上を踏まえて、簿記3級の本試験レベルの仕訳問題に挑戦してみましょう。
「解く手順」を参考に、取引の仕訳として正しいものを選択肢から選んでください。
賃貸借契約の仕訳問題
今月分の家賃122,000円を先方振出の小切手で受け取った。
タップで回答を見ることができます
選択肢①
選択肢②
選択肢③
この問題の正解は選択肢③でした。
賃貸借契約の仕訳問題の解答解説
「解く手順」に沿ってこの問題の解き方を解説します。
①問題文から論点=賃貸借契約を読み取る
最初に、問われている「論点」を問題文から読み取ります。
今回の問題では「家賃」と書いてあるため、賃貸借契約の論点であることが読み取れます。
②問題文から取引パターン=賃料の受け取りを読み取る
次に、問題文から問われている「取引パターン」を読み取ります。
今回の問題では「家賃を受け取った」と書いてあるため、賃料の受け取りのパターンであることが読み取れます。
【今回の取引パターン】
③勘定科目を仕訳に記入する
最後に、登場する勘定科目を見落とさないように注意しながら、勘定科目と金額を仕訳に記入します。
今回の問題文には2つの勘定科目が登場します。
受取家賃の発生
問題文の「今月分の家賃122,000円を先方振出の小切手で受け取った。」より、受取家賃が発生しています。
受取家賃は収益グループに属する勘定科目であるため、貸方(右側)がホームポジションです。
したがって、受取家賃の発生を表現するために、受取家賃のホームポジションである貸方(右側)に記入します。
現金の増加
問題文の「今月分の家賃122,000円を先方振出の小切手で受け取った。」より、現金が増加しています。
現金は資産グループに属する勘定科目であるため、借方(左側)がホームポジションです。
したがって、現金の増加を表現するために、現金をホームポジションの借方(左側)に記入します。
以上より正しい仕訳は選択肢③となります。
賃貸借契約の仕訳問題の解き方まとめ
簿記3級の賃貸借契約の仕訳問題の解き方を解説してきました。
簿記3級の中で基本的な取引の一つであるため、試験を受ける方は必ず解けるようになりましょう。
試験合格レベルになると「仕訳問題を解く手順」に沿って瞬時に解答することができるようになります。
問題を繰り返し練習して、仕訳問題を一瞬で解けるようになりましょう!
簿記の学習アプリ「Funda簿記」では、今回のような本試験レベルの問題が解き放題です。
繰り返し問題を解いて理解度を深めたい方は、ぜひFunda簿記で一緒に勉強しましょう!