この記事では、教育現場における簿記アプリ「Funda簿記」の活用事例を紹介します。
今回は、静岡県立大学経営情報学部(以下静岡県立大学)の上野先生に詳しく話を伺いました。
簿記の教育関係者にとって、大変参考になる内容となっていますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
目次
- 簿記アプリの活用方法は?
- 誤った勉強方法を特定
- 生徒に対して学習方法の改善を提示
- 簿記アプリの授業での活用方法は?
- 先生の授業の進め方
- 大学生のアプリ学習への反応
- 簿記アプリと相性の良い学校は?
大手町さん
今回は静岡県立大学の上野先生に、Funda簿記の導入の感想を伺います。
貴重なお時間を割いて頂きありがとうございます。
上野先生
こちらこそ。よろしくお願いします。
上野 雄史(うえの たけふみ) 静岡県立大学経営情報学部 教授
静岡県立大学経営情報学部助教、講師、准教授等を経て、2021年より現職。
専門は財務会計・経営分析で、年金・保険・リスクのトライアングル関係を会計学の視点で研究している。
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それでは、早速聞いていきましょう。
簿記アプリの活用方法は?
大手町さん
まずは率直に伺います。
Funda簿記を大学の授業で活用してみて、先生目線で見た時に、最も良いと思った機能を教えてください。
上野先生
利用者の簿記の学習データが詳細に見れるというのは画期的ですね。
勉強時間はもちろん、学習方法、問題の解き方などのデータが可視化されると、今まで気づけなかった課題などを発見する切っ掛けとなります。
簿記アプリ「Funda簿記」は、学習プロセス全体をアプリ上で完結させることを可能にしています。
この簿記アプリの最大の特徴は、様々なシーンにおける簿記学習者のデータを収集できる点です。
上野先生は、このデータを基に学生の学習パターンを分析し、効果的な学習方法へのフィードバックを学生の方に提供しています。
誤った勉強方法を特定
特に注目されるのは、学生が犯す間違いのパターンを分析することです。
これにより、誤った学習方法をとっている学生を特定し、彼らに適切なアドバイスを行っています。
一般的に、学生は自分の解答が正解か不正解かは把握できますが、その学習方法自体の誤りに気づくことは難しいものです。
ここで上野先生の役割が重要となり、第三者の立場から客観的に学習データを分析し、学生が自身の勉強方法を見直すきっかけを提供しています。
※下記は実際のフィードバックに活用された上野先生の資料です
生徒に対して学習方法の改善を提示
上野先生のフィードバックスライドは、実務的な知識の活用において、単にパターン学習に頼るだけでは不十分であることを示唆しています。
資格試験の合格はパターン学習でも可能ですが、実際の業務で知識を活かすためには、より深い理解に基づく学習が必要です。
このような観点から、上野先生は学生に対して学習方法の改善を促しています。
その結果、学生は従来気づかなかった勉強方法の誤りに気付き、それを改善する機会を得ることができます。
このように、客観的なデータに基づくフィードバックを提供することで、学生の学習効果は大きく向上することが期待されます。
大手町さん
上野先生とのチャットでは、定期的にこのような学習データに関する示唆を共有して頂いています。
このような活用事例を共有頂くことで、いずれは「誤った勉強」を自動的に特定し、それに基づいて最適な学習方法を推奨する機能の実装を目指しています。
簿記アプリの授業での活用方法は?
大手町さん
次は、簿記アプリの授業などでの活用方法について伺います。
様々な機能があるなかで、最もよく活用する機能は何でしょうか?
上野先生
Funda簿記には、アプリ上で問題を作成できる機能があります。
この機能は教育現場で大いに役立っています。
Funda簿記には、先生が論点と問題形式を選択するだけで、瞬時に問題を作成できる機能が実装されています。
問題の作成が完了すると、ボタン1つで、すぐに生徒のアプリに配信されます。
さらに、解き終わった問題はアプリが瞬時に自動で採点するため、先生は採点する必要がありません。
先生の授業の進め方
授業の開始時や終了前に、この問題作成機能で作成された小テストを実施することで、生徒の理解度や前回の授業内容の定着度を確認できます。
テストの結果は、先生の画面に即座に統計データとして表示されるため、授業の進行に応じて対応を調整することが可能です。
上野先生
また、生徒の学習進度に応じて「超特急」「特急」「急行」「各駅停車」といった分類タグを付けて管理しています。この分類に基づいて、出題する問題を変更することも可能で、生徒一人ひとりの学習ニーズに合わせた指導が行えるようになっています。
大手町さん
確かに、生徒によって勉強スピードも違いますしね。私たちも「そういう使い方をするのかー」と大変勉強になりました。
大学生のアプリ学習への反応
大手町さん
次は、実際に学習をする学生の方の反応について伺います。
学生の方からは、どのような反応が目立ちますか?
上野先生
資格取得のための簿記教材に留まらず、実際の企業事例も豊富学べる点は良いですね。学生からも非常に好評を得ています。
Funda簿記は、資格取得のための簿記教材としての機能に留まらず、実際の企業事例を豊富に取り入れた教材を提供しています。
この実践的なアプローチは学生から非常に好評を得ており、「事例を活用した学習が楽しい」という肯定的なフィードバックが多く寄せられています。
Funda簿記のスライド学習システムを通じて、学生は簿記の理論だけでなく、具体的な事例を用いて知識を深めることができます。
大手町さん
私自身も、最近では高校や大学での講義依頼も増えており、静岡県立大学の上野先生の授業でも教鞭をとる機会がありました。実際に勉強している学生の方たちと直に接することで、非常に多くの学びを得ることができました。
上野先生
大手町さんが、難しい会計論点をどのように解説するのか、非常に興味深かったです。
2023年7月に行われた授業では、「連結会計」という難しいテーマにもかかわらず、学生からは非常に好意的な反応がありました。
実際のビジネス事例を交えた解説により、多くの学生が難しい論点を理解し、苦手意識を克服することができたと感じています。
簿記アプリと相性の良い学校は?
大手町さん
ここまでのご説明、ありがとうございます。最後に、Funda簿記を推奨する場合、どのような学校が最適だとお考えですか?
上野先生
やはり多人数を対象とする学校での導入が適しています。多人数の成績や採点管理が非常に容易になるためです。また、データ分析の観点からも、より多くの学生データがあれば、より多くの洞察を得ることができます。
大手町さん
貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。今後も使いやすい簿記アプリを目指して機能改善に励みます。本日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました!