日商簿記2級に合格するためには、試験直前期の過ごし方が非常に大切になってきます。直前期の過ごし方で合否を分けると言っても過言ではありません。
この記事では、簿記2級の試験直前期の過ごし方について、図解を用いてわかりやすく解説します。簿記2級の試験を控える受験生はぜひ参考にしてみてください。
目次
- 直前期の勉強法とは?
- 過去問や予想問題集を解く
- 出題論点を一通り復習する
- 工業簿記のタイムアタックを行う
- やってはいけない学習法とは?
- 苦手な論点だけを集中的に対策する
- 山を張った勉強をする
- 試験直前期に決めておくべきこととは?
- 問題を解く順番
- 時間配分
- 試験前日にチェックすべきこととは?
- 不安な論点を見返す
- 持ち物を確認する
- 試験会場へのアクセスを把握する
- 集合時間と試験開始時間を確認する
- 試験本番に意識すべきポイントは?
- 全体の大問を確認する
- 問題文をしっかり読む
- 優先順位をつける
- 簿記2級の試験に臨む受験生へ
- 音声配信によるまとめ
- 問題演習をするなら「Funda簿記」
直前期の勉強法とは?
はじめに、直前期にすべき勉強方法について解説します。
- 過去問や予想問題集を解く
- 出題論点を一通り復習する
- 工業簿記のタイムアタックを行う
過去問や予想問題集を解く
試験直前期は、過去問や予想問題集などで本試験形式の問題を解くことが重要です。問題集にある確認問題や演習問題を解けたとしても、本試験の問題が解けなければ合格することはできません。
また、過去問を解く際は時間を測るようにしましょう。簿記2級の試験時間は90分と意外と短いため、時間内に解けるように練習しておく必要があります。時間配分の感覚もここで身に付けておきたいです。
問題を解いていく中で、分からない問題や苦手な分野を見つけることがあると思います。その場合は、解説を読んで間違えた原因や解答手順を把握するだけでなく、テキストに戻って復習することが大切です。
本番と同じ環境で過去問演習をたくさん積んでおくと、本試験形式の問題に慣れることができます。当日の試験でも緊張せず実力を発揮するためにも、過去問や予想問題集は解いておきましょう。
出題論点を一通り復習する
また、直前期は復習を行うことも大切です。できれば、簿記2級で出題される論点は一通り復習できると望ましいでしょう。
なぜなら、簿記2級を受ける方にありがちなこととして、
- 「忘れてた箇所がちょうど当日出てきたんです…」
- 「理解が浅い内容がピンポイントで出題されました…」
という声をたくさんいただくからです。
簿記2級は3級と違って、難易度が高いため、取れるところで点数を稼いでおく必要があります。したがって、当日の試験でミスを少なくするためにも、直前期に一通り復習をしておきましょう。
工業簿記のタイムアタックを行う
簿記2級で出題される工業簿記の問題は、出題形式のパターンがあまり多くなく、対策をすることで満点を狙うことも可能です。工業簿記で満点を取れると40点分もらえるため、合格に1歩近づくことができます。つまり、簿記2級合格の鍵は、工業簿記でいかに点数を落とさないかにあります。
しかし、本番は工業簿記だけでなく商業簿記も出題されるため、工業簿記にたくさんの時間を費やす暇はありません。そのため、試験当日までに工業簿記の解くスピードを速めておく必要があります。
そこで直前期には、工業簿記のタイムアタックを行うようにしましょう。タイムアタックとは、その名の通り、工業簿記の解くスピードを測って、いかに早く解けるかを自分の中で競うことです。もちろん、速いだけではなく正確さも大切です。
これを直前期に毎日行うことで、試験本番に時間が足りなくて全部解けなかったという事態がなくなります。また、工業簿記を解くスピードが速いと試験時間に余裕を持つことができるため、見直しをすることもできるでしょう。
工業簿記のタイムアタックについては、下記の音声配信で詳しく説明しています。
やってはいけない学習法とは?
試験直前期にはやってはいけない学習法というものがあります。
- 苦手な論点だけを集中的に対策する
- 山を張った勉強をする
順に解説していきます。
苦手な論点だけを集中的に対策する
苦手な論点だけを集中的に対策する勉強は、実はやってはいけません。
新卒くん
え、苦手論点の集中対策はやっちゃダメなんですか?
試験直前期に、苦手論点を集中的に対策しすぎると他の論点が忘れがちになってしまいます。上述した通り、直前期は出題論点を一通り復習する勉強に切り替え、取れるところで点数を稼ぐ戦略を取りましょう。
簿記2級は満点を取らなくても合格することができます。完璧主義にならず、苦手な論点は部分点を狙うことが大切です。
山を張った勉強をする
また、山を張った勉強もやってはいけません。
直前期になると、当日に間に合わないと感じた受験生が
- 「出題頻度が高いCVP分析だけ対策しよう」
- 「前回連結が出たから、今回は出ないだろう」
などと山を張って勉強をすることがあります。
簿記2級は、3級と違って出題範囲が膨大なため、山を張った勉強では合格できません。また、仮に合格したとしても、合格後に知識が身についておらず、資格を取っただけの状態になってしまいます。
したがって、直前期に山を張った勉強はNGです。試験当日までに間に合わないと感じた場合は、試験日の変更や再受験などを考え、しっかり対策を行ったうえで試験に臨みましょう。
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試験直前期に決めておくべきこととは?
試験直前期に決めておくべきことは以下の2点です。
- 問題を解く順番
- 時間配分
問題を解く順番
簿記2級の試験は、問題を解く順番が非常に大事です。したがって、時間配分と同時に解く順番もあらかじめ決めておきましょう。
簿記2級のおすすめの解く順番は以下の通りです。
- 第4問(2)
- 第5問
- 第4問(1)
- 第1問
- 第3問
- 第2問
はじめに、得点源にしやすい工業簿記から解いていきます。次に商業簿記の仕訳問題に取り掛かり、最後に難易度の高い第2問と第3問に時間をかけるという流れです。第2問は合計の数字が一致しないと焦る内容が出題されるため、最後に解くことがおすすめです。
問題を解く順番が決まっていない方や上から順番に解いている方は、ぜひ参考にしてみてください。
時間配分
試験当日までには時間配分をあらかじめ決めておくと、効率的に問題を解くことができます。逆に時間配分を決めておかないと、全部解くことができずに試験が終わってしまったなんてことになりかねません。そのため、あらかじめ時間配分を決めておくことが大切です。
簿記2級のおすすめの時間配分は以下の通りです。
- 第1問:10分
- 第2問:20分
- 第3問:20分
- 第4問(1):5分
- 第4問(2):15分
- 第5問:15分
上記の時間配分で問題を進めていくと、5分ほど見直しの時間を確保することができます。人によって個人差があるため、あくまで目安として参考にしてみてください。
試験前日にチェックすべきこととは?
試験前日にチェックすべきことは、主に4つあります。
- 不安な論点を見返す
- 持ち物を確認する
- 試験会場へのアクセスを把握する
- 集合時間と試験開始時間を確認する
不安な論点を見返す
試験前日になったら、不安な論点に関して一通り目を通しておきましょう。
たとえば、
- 資本準備金と利益準備金の積立額
- 有価証券の仕訳方法
- 総合原価計算のボックス図
など、ミスが起きやすい論点を見返し、当日自信をもって解答できるようにしましょう。
大手町さん
自信がない状態で問題を解くと、他の問題にも影響するので、自信を持つことは大切です。
持ち物を確認する
持ち物も必ず確認しておきましょう。
統一試験
- 受験票
- 身分証明書
- 電卓
- 筆記用具
ネット試験
- 身分証明書
- 電卓
統一試験を受ける方は受験票も必要なため、忘れずに準備しておきましょう。
試験会場へのアクセスを把握する
遅刻を避けるために、試験会場への行き方は事前に必ず確認しておく必要があります。電車やバスを使う場合は時間を確認し、余裕を持って出発しましょう。
試験会場に到着したら、受験する部屋の確認が必要です。大きな会場では場所を間違えないように注意しましょう。
集合時間と試験開始時間を確認する
また、集合時間と試験開始時間も確認する必要があります。
時間を勘違いすると、会場に入れず試験すら受けさせてもらえない場合があるため、時間はしっかり確認し当日は遅れないようにしましょう。
試験本番に意識すべきポイントは?
試験本番に意識すべきポイントは、主に以下の3つです。
- 全体の大問を確認する
- 問題文をしっかり読む
- 優先順位をつける
全体の大問を確認する
試験が始まったら、まず全体の大問を確認しましょう。問題の内容や構成の全体像を把握し、過去問でやった問題構成と同じかを確認します。
また、その際、第2問の内容を確認しましょう。基本的に第2問で連結精算表の問題が出題された場合は、工業簿記の問題が簡単になる傾向にあります。一方、第2問が株主資本等変動計算書など連結精算表以外の問題が出題された場合は、工業簿記がやや難しくなる傾向にあります。この傾向を先に頭の中に入れておくと、仮に工業簿記が難しい場合でも焦ることがなくなるはずです。
したがって、試験開始後にはまず第2問の内容を把握してから、工業簿記に取り掛かりましょう。
※あくまで傾向であり絶対ではありません。
問題文をしっかり読む
問題を解く際は、必ず問題文をしっかり読みましょう。緊張などで問題文を読み落としてしまった場合、点数に繋がらないため注意しましょう。
特に、工業簿記はゆっくりでいいので問題文をしっかり読む必要があります。問題文をちゃんと読まなかったせいで、論点を読み間違えたり、ボックス図を書き間違えたりすると、10~20点分落とすという致命的なミスになってしまいます。
したがって、簿記2級の試験を解く際は、問題文を丁寧に読みましょう。
大手町さん
工業簿記は最初の入りが肝心なので、落ち着いて問題文を読むことが大事です。
優先順位をつける
問題を解いていくと、どこかで分からない問題にぶつかるかと思います。その際、同じ問題に長い時間を使ってしまうと、最後まで解ききれない可能性が出てきます。そのため、分からない問題にぶつかった際や手が止まってしまった場合は、その問題を飛ばして次の問題に取り掛かることが大切です。
簿記2級の試験は70点以上で合格であり、満点を取る必要はありません。したがって、分かる問題で点数を稼ぎ、分からない問題は部分点を狙う戦略が重要です。
完璧主義でなくても合格できることを念頭に入れて試験に臨みましょう。
簿記2級の試験に臨む受験生へ
最後に、まとめです。
試験直前期は、以下の勉強を行い対策を練りましょう。
- 過去問や予想問題集を解く
- 出題論点を一通り復習する
- 工業簿記のタイムアタックを行う
試験本番では、難易度の高い問題が出題されることもあるでしょう。その際、焦らずに解ける問題から確実に点を取り、満点ではなく合格点を目指すことが大切です。
これから簿記2級を受験される方は、今まで頑張ってきた努力を信じ、落ち着いて試験に臨んできてください。これを読んでいる皆さんが簿記2級に合格されることを心から応援しています。
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