簿記2級は独学でも合格を目指せる試験ですが、そのためには効率的な勉強が欠かせません。戦う相手を十分に把握して、ゴールから逆算した取り組みが必要です。
そこで本記事では、
- 簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安
- 簿記2級に合格する勉強法
- 簿記2級合格への戦略
について紹介します。簿記3級を持っている人と持っていない人で分けて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安は?
- 簿記2級に必要な時間:簿記3級を持っている人
- 簿記2級に必要な時間:簿記3級を持っていない人
- 簿記2級に合格する勉強法
- 簿記2級勉強方法:インプットにあまり時間をかけない
- 簿記2級勉強方法:試験と同じ形式の問題を何度も解く
- 簿記2級勉強方法:間違えたところを重点的に復習
- 簿記2級合格への戦略
- まとめ
簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安は?
簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安は、簿記3級を持っている人で250〜350時間、持っていない人で350〜500時間です。
それぞれ詳しく解説します。
簿記2級に必要な時間:簿記3級を持っている人
250〜350時間。これは、簿記3級を持っている人が簿記2級の合格を目指す際に必要な勉強時間の目安です。
簿記3級は小規模株式会社での取引、簿記2級では中規模株式会社での取引と、級が上がるにつれて対象となる会社の規模も大きくなります。
ちなみに、簿記3級の平均合格率48.39%であるのに対し、簿記2級の平均合格率は20.45%です(いずれも第148回〜第158回までの平均値)。
平均合格率からも読み取れるように、簿記2級は比較的難易度の高い試験です。
簿記2級に必要な時間:簿記3級を持っていない人
350〜500時間。これは簿記3級を持っていない人が簿記2級を目指す際に必要な勉強時間の目安です。
簿記3級を持っていない人が、いきなり簿記2級の勉強から始めることはできません。
なぜなら、簿記3級の基礎があってこその簿記2級のため、簿記3級を避けて通ることはできません。
まず簿記3級の知識をつけ、その上で簿記2級の勉強に取り組みましょう。
簿記2級の試験科目は、商業簿記と工業簿記の2科目です。
商業簿記は、購買活動や販売活動といった社外関係者との取引を記録・計算する技能で、企業を取り囲む取引先や出資者などへ、決算書を作成して適切かつ正確な報告を行うための科目です。
前述したように、3級の商業簿記では小規模な株式会社が対象でしたが、2級の商業簿記では中規模の株式会社で必要な簿記を学んでいきます。
一方、工業簿記では、企業内部での部門別・製品別の資源(材料・燃料・人力など)の投入を記録・計算する知識や技能を学びます。
簿記2級に合格する勉強法
ここからは、簿記2級に合格する勉強法として以下の3つをご紹介します。
それでは1つずつ見ていきましょう。
簿記2級勉強方法:インプットにあまり時間をかけない
1つ目は、インプットにあまり時間をかけないことです。簿記2級では、1冊の参考書を繰り返し読む学習がおすすめです。
特に1周目は分からないところもあると思いますが、ここで時間をかけ過ぎてはいけません。
何度も読み込むことで少しずつ記憶に定着するのはもちろんのこと、先に読み進めることで分からなかったところが後から理解できることもあります。分からなくても深入りせず、メモだけ残して次に進んでください。
もし2周しても理解できていないところがあれば、3周目で重点的に読み込むようにしましょう。
簿記2級勉強方法:試験と同じ形式の問題を何度も解く
2つ目は、試験と同じ形式の問題を何度も解くことです。
何度も解くことで記憶に定着するだけでなく、試験形式に慣れれば本番でも焦らず臨むことができるでしょう。
簿記2級では、過去問と似たような問題が出題される傾向があるため、有効です。
問題の解き方はもちろん、問題を理解しながら進めるのがよりいい成績につながります。
そのためにも、問題集は最新の試験に対応しているものを選ぶことが重要です。
簿記2級勉強方法:間違えたところを重点的に復習
3つ目は、間違えたところを重点的に復習することです。
アウトプットのやり方もインプットの時と同様で、1周目は分からない問題にぶつかっても気にする必要はありません。
何度も問題を解くことで、正答率も徐々に上がるようになるからです。
アウトプットの後半では、間違えたところを重点的に解きましょう。時には参考書にも戻りつつ、どこまで理解できているのか、どうすれば正解できたのかを把握してください。
これを毎回行うことで、より合格に近づきます。
簿記2級合格への戦略
最後に、簿記2級合格に向けての戦略をご紹介します。
試験の目的は試験に合格することだと思いますので、合格ラインの点数を取ることを意識しましょう。
合格ラインの点数を取るためには、「解けるところから確実に点を取りにいく」ことが重要です。
2021年度から試験時間が変更になり、120分から90分へと短縮されました。
簿記2級はスピードが求められる試験ですので、解けるところから確実に点を取りにいくようにしましょう。
試験中に分からないところで止まってしまうと、本来解けた問題も落としてしまう可能性があります。
簿記2級の合格基準は70点です。
100点を目指す必要はありません。
解ける問題を優先して、70点を確実に取れるよう意識してみてくださいね。
まとめ
簿記3級を持っている人と持っていない人とでは、必要な勉強時間や勉強の進め方が異なります。
簿記2級は難易度の高い試験であるため、合格できる戦略を立てて計画的に勉強を進めていきましょう。
簿記2級を勉強すれば、財務諸表の数字を理解できるようになったり別の資格取得時に役立ったりと、多くのメリットを得られます。
社会人にとってはキャリアアップにも有効で、就職・転職時にも有利に働きやすい資格の一つです。
ぜひ合格した後の自分をイメージして、日々の勉強に取り組んでくださいね。
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